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プログラミングの授業で何を知ってほしいのか

自分が何かを創れる

STEAMの授業,高校1年の3学期はプログラミングをやっています。使っているのはAppleが提供しているSwift Playgroundsです。生徒が使っているiPadで無料で使えます。ゲームのような感じでプログラミングについて段階的に学んでいけるし,Swiftは最終的にはアプリやサービスの開発にも使えるし,iPadでプログラミングやるなら,まずこれですね。

プログラミングの授業を通してどのような力を身につけてほしいのか,どんなことができるようになってほしいのか。プログラミングを少しでもできるようになることはもちろん大事です。でも,私には生徒に知ってほしいことがあります。

「自分が何かを創れる」ということです。何か「こんなものがあったら面白い」とか「こんなことができたら便利なんじゃないかな」と思いついた時に,よし,作っちゃえと考えられるようになってほしいからです。自分にはそんなの無理だよなあと諦めてほしくありません。

プログラミングはできなくても

プログラミングを実際にやってみて,自分には合ってないなあで終わりでもいい。ただ,自分にはできないけれども,できる人と組んだら自分のアイディアを実現できる(かもしれない)のは知っておいてもらいたい。

授業のはじめでは,よく二人のスティーブの話を紹介します。Apple創業メンバーの二人のスティーブ。スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック。ジョブズはプログラマーとしてはまったく優秀ではなかった。でもウォズニアックという天才的なプログラマーによって自分のアイディアを実現させました。

もちろん自分のアイディアを自分がプログラミングして実現させられれば素晴らしい。必ずしもそうでなくてもいい。プログラミングが苦手だけど良いアイディアが出せるなら,それを実現してくれる仲間を見つければいいし,なかなかアイディアは出ないけれどプログラミングが得意だったら良いアイディアを思いつく仲間を見つければいい。とにかく,自分には何かが創れる可能性があるんだと信じていればいいのです。

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世界を変えちゃうよ

同期のADE(Apple Distinguished Educator)である内田先生が考え,仲間のADEと協力して,障害者の心拍数をApple WatchとiPadでモニタできるシステムを作られました。考える人,プログラミングする人,言語のサポートをする人,とチームで開発されたそうです。心拍数をモニタすることで,反応に乏しい障害者の状況を少しでも把握しやすくなりそうです。

私の妹は脳性麻痺です。反応がないわけではありませんが,言葉も喋ることができませんので,彼女の気分や求めているものがなかなかわかりません。40数年,本人も家族も不便をしてきました。このシステムで全て解説ではありません。しかし,広く実用化されれば多くの人がかなり救われます。まさに世界が変わります。自分のすぐ近くで世界が変わるのを見られるとは思いませんでした。

誰のためのプログラミング教育

これは怒られちゃうかもしれないけれど。

プログラマー足りないから学校でプログラミングやってプログラマー増やそうって大人の事情。きっかけは大人の事情だったんじゃないかと。本当に子供の未来を考えてだったんだろうか? 必要ないとは言いません。それどころか,絶対やっておく必要はあります。ただ,誰のためなのか教える側がわかっているだろうか。

自分は誰かのために何かが創れる。それが世界を変えちゃうかもしれない。プログラミングで何ができるか知っていたら可能性はグッと広がる。それで十分。


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