Web業界に身を置く僕が、Web企業に投資したくない理由
現在Web業界で働いている僕は、常日頃から「Web業界の働きやすさは最高」という発信をしてきました。
実際、Web業界ではJTC(Japanese Traditional Company)のような変な慣習・因習もなく、社員は皆、自分のスキルアップのために働いています。
上下関係も年功序列もなく、個人の自由を重んじているのがWeb業界の特徴です。毎日楽しく働けますし、おかげさまで僕は自分の会社を経営するまでに成長できました。
しかし、Web業界は確かに働きやすいのですが、投資先という観点からみると微妙と思わざるを得ません。
ちなみに、僕自身はWeb業界に身を置いているにも関わらず、日本のWeb会社には一切投資をしていません。
では、日本企業の中では僕がどこをメインの投資先として選んでいるかというと、伝統的な日本の大企業。つまり、古き悪しきJTCを中心に投資しています。
ということで本日は、なぜ僕が敢えて、古き悪き日本の伝統的なブラックJTCを好き好んで投資しているか、お話していきます。
※今回の内容はYouTubeでも喋っているので、興味のある方は動画もご覧ください。
Web業界が投資先として微妙だと思う理由
なぜWeb業界が投資先としては微妙だと思うのか?
一番の理由は、僕も含めて、Web業界の人間は、「会社のために働く」という使命感と結束感がほぼ皆無だからです。
もちろん、Web業界と一括りに言っても色々な会社があるとは思います。
ただ、少なくとも僕の身の回りにいるWeb業界の人たちは、
「自分のために金を稼ぐ」「自分のためにスキルを磨く」
と、自分中心に行動する人が多数です。
JTCによくいるような、「私は会社が大好きです!会社のために自分を犠牲にしてでも働きます!」という人が存在しません。
要は、会社への忠誠心が全く無いということです。なので、離職率がとても高く、人材の移り変わりが非常に激しいです。
忠誠心が無いわけですから、会社に危機があれば何食わぬ顔で退職して去っていきます。(それがWeb業界の良いところでもあるんですが)
会社への忠誠心が無い人たちが働いている会社は投資先として魅力的ではないと考え、僕は日本のWeb会社には投資していません。
素晴らしい優良企業では「カルトのような文化」が社員の結束力を高めている
ここで1冊、面白い本を紹介します。
ビジョナリーカンパニーとは、ソニー、ディズニー、P&G、IBM…など、世界に名だたる優良企業群のことを指します。
本書では、これらの優良企業(ビジョナリーカンパニー)に関する共通点や特徴がまとめられており、細かく分析されています。
これらのビジョナリーカンパニーを詳細に分析した結果を踏まえ、筆者は
という意見を述べています。これは筆者が6年間の調査にて導き出した、優良企業に共通する1つの特徴だそうです。
本書から一部文章を抜粋しますと、
つまり、カルト企業であればあるほど会社全体の結束力が高く、業績も向上しやすいという結論です。
実際、僕はかつて某JTCに勤めていましたが、「会社が大好きです!自分を犠牲にして会社のために頑張ります!」という社員が一定数存在していました。
このように、エンゲージメントの高い社員がいる企業には、高い確率でカルトのような文化が存在しているのです。
傍から見るとやばいブラック企業に見えますが、中で働いている社員からすれば、「最高の企業だぜ!」というケースが多いのです。
ブラック企業に見えても、業績好調で株価が上昇し続けている企業も多いのは、そういう側面もあるということです。
日本のカルト企業の実例
僕がパッと思いつく限り、カルト的に感じる日本企業は2つあります。
ニデック
この会社では、「永守イズム」が社内に浸透しています。
創業者の永守氏の信念を、社員が宗教のように信じて働いている印象が非常に強いです。
こんな本もありますね。(Amazonだと1円で売られていますw)
世間的にも永守イズムは有名ですが、個人的に、ニデックがカルト的だと感じた体験談をお話しさせていただくと、僕は就活生の時にニデックの会社説明会へ参加しました。(当時は日本電産という社名でした。)
通常の会社説明会では業界事情や業務内容などをお話するのが一般的ですが、ニデックは違いました。
ニデックの社員は、「いかに永守氏が素晴らしいか」を就活生相手に永遠と話し続け、永守氏がどれほど凄い人で、どうやって彼がM&Aで会社を成長させてきたのか、という内容をひたすら説明していました。
また、永守氏の話を描いた漫画も紹介されました。これは公式ホームページにも掲載されています。
まさに、「創業者を神格化する」というビジョナリーカンパニーの特徴を体現していたのです。
当時就活生だった僕にとってはヤバさしか感じられない会社でしたが、言わずもがな、業績と株価は右肩上がりですよね。(最近は苦戦しているようですが)
外から見ると入社したいとは思えないですが、社内で働いている人にとっては素晴らしい会社であり、結束力が強いからこそ業績好調で株価も上がっているのです。
オープンハウス
こちらの会社もご存知の方が多いと思いますが、超体育会系組織ということで有名な会社です。
社員の大半がツーブロックゴリラで占められており、みんなが同じような髪型で同じようなスーツを着て、朝礼で雄叫びをあげているような会社です。
ブラック企業の口コミもたくさん見掛けますが、その一方、社員の口コミは高評価という事実もあります。
こちらはオープンワークに掲載されているオープンハウスの会社評価スコアですが、上位1%ですから大したもんです。
オープンハウスの中で働いている社員にとっては、最高な会社みたいです。(一種の洗脳とも言えますけどね)
僕も会社説明会を聞きに行きましたが、やっぱりカルト的な何かを感じて退散してきました。しかし、オープンハウスも業績も株価も右肩上がりですよね。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
こちらもご存知の方が多いでしょう。ドン・キホーテを運営する、パンパシHDです。
パンパシも、創業者の安田イズムが社内に浸透していることで有名な企業です。
創業者の安田さんの語録をまとめた「源流」という冊子があるのですが、社員のみならず、アルバイトまでもがこれを愛読しているという徹底っぷり。
オープンワークの評価も非常に高いですね。素晴らしいです。
パンパシHDに関しては目下業績絶好調。32期連続増収&増益の記録を更新中です。
働くのはWeb業界、投資先はブラックJTCがいい
以上、3社の例を見てきましたが、1つ言えるのは、僕自身はこれらの企業では絶対に働きたくはないということです。
しかし、外から見ると働きたいとは思えないブラック企業でカルト的な会社ほど、業績も株価も上がっているという事実があるのです。
一方でWeb業界は、これらの企業の対極に位置しています。
いつでもどこでも自由に働けるし、業界内での転職も盛んなのは労働者にとっては良いことですが、投資家目線で見てみれば、それは会社の結束力がないとも言えます。
だからこそ僕は、投資先としてはカルト的で結束力が高い会社にのみ絞っています。
そうなると必然的に、投資先はブラックでカルト的なJTCになってくるというわけです。
とはいえ、だからといってカルト企業にさえ投資しておけば成功できるかというと、そういうわけではありません。
個別株投資を嗜むわけですから、ある程度の勉強は必要です。
日本の個別株投資を嗜むための勉強法についてはYouTubeで詳しく解説しているので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。
また、動画とは別で、日本の個別株投資を実践する上で役立つオススメ本はnoteにもまとめています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
リンクを貼っておきます。
ではでは
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?