見出し画像

【大学4年間の経済学を10時間でざっと学べる】社会人として最低限の教養を学ぶ

オススメ度(最大☆5つ)

☆☆☆

経済学はとある試験を受けるために半年ほど勉強していた事がある。
当時は"試験のための勉強"だったので、システマティックにグラフを頭の中で動かす事や計算ばかりしていたが、大人になってから"教養のための勉強"をしたいと思い立ち、本書を手にとった。

〜タイトルの通り"ざっと"知ることが出来る良書〜

初学者や久しぶりに学ぶ人にとっては、"ざっくり"とか"ざっと"とかの言葉がタイトルにあると非常に手にとりやすい。
本書もタイトルに漏れず、「経済学と言えば」といったような内容がざっと網羅されている(と思う。ホントに網羅されているかどうかは、経済学初学者の僕にはわからない)。
また、本書の良いところが「ココだけ!」と書かれたページだけ読めば、必要最低限の知識は身につくように、著者が示してくれている。
経済学は、いわゆる文系科目ではあるものの、グラフや数式などがたくさん出てくる学問であり(昔から理系である僕の中で、なんで経済学が文系扱いなのか、という疑問があった)、本書にもグラフや数式が出てくる。そういったグラフや数式が苦手な人でも、「ココだけ!」を読めばニュースなどに出てくる用語は最低限おさえる事が出来る良書だ。

〜「経済学的思考」とは?〜

本書は経済学の基礎を学べるだけでなく、著者はこれを読む事で「経済学的思考」を身につけよう、と述べている。
「経済学的思考」とは「何事も相対的な関係性によって決まる」という考え方である。
経済のように常に動き続けるものに対して、絶対的なただ一つの正解を求めていても見つからない、ある事象が別の事象に影響を与えて物事が決定される、というのが経済学の基本であるようだ。

この思考は、変化の大きい社会に柔軟に対応するために必要な思考だろう。
本書を読むことで、変化に対して自身も変化する事で、対応して最適解を見つける思考と生き方を意識することも出来るかもしれない。

〜10時間で学ぶことが出来るか〜

「10時間で学べる」というタイトルの通り、本書は非常にコンパクトに経済学の内容が凝縮されている。
ざっと読み通すだけであれば、4〜5時間もあれざ充分だろう。
もちろん、一回読むだけで全て身に付けられるかは人によるが、他の経済学の本を読みたくなるきっかけになる一冊である事は間違いない。

社会人としての最低限の教養とも言える経済学。苦手意識を持つ人も、臆することなくこの本を手にとってみると良いかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?