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【「家族の幸せ」の経済学】子育てこそ事実を基に冷静に判断をするべき

オススメ度(最大☆5つ)
☆☆☆

〜子育てに関する「神話」の正体〜

「帝王切開は赤ちゃんに悪影響だ」
「赤ちゃんには母乳が1番」
「3歳まではお母さんが子育てに集中すべき」

などなど、出産・子育てに関する話は様々あり、信念を持って信じている人もいれば、正直そういう話にうんざりしている人もいるだろう。

かくいう、僕の妻も子どもをベビーカーに乗せて町を歩いていた時、近所の老齢の女性に話しかけられて、その中で「やっぱり、子どもは母乳で育てるのが1番よ」と言われたことに辟易していた。

子育てを経験した人からのアドバイスとしては受け入れたい気持ちはあるものの、現代では上記のようなアドバイス(子育て神話)を実現するのは負担も大きく難しい現実がある。

本書はそんな「子育て神話」に対して、経済学的なデータや統計、調査結果から白黒ハッキリつけます!というものである。


〜出産、子育てに関してはスッキリするが…〜

さて、本書は以下のような6章構成となっている。
第1章 結婚
第2章 出産
第3章 育休
第4章 イクメン
第5章 保育園
第6章 離婚

正直なところ、読んでいてスッキリとしたのは第2章「出産」と第3章「育休」の部分だけである。

この2つの章はある意味結論を出してくれている章ではあるが、他の章は問題提起に留まっている印象だ。
それぞれの章を語るにはデータが不足している、というのが主な理由だそうなのだが、副題が「データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実」と銘打っているので、著者なりの結論をそれぞれの章で書いて欲しかった、というのが本音である。

第2章「出産」と第3章「育休」が面白かったので、この部分のボリュームを大きくしてもっと細かく読みたかった、と思う。


〜重要なのはファクトフルネス〜

しかし、本書を読み進めていく中で、家族の幸福を実現するためにはやはり科学的な知見から事実を基に判断する事が重要だと著者は考えているようだ。

当然ながら、中には知っていた事や予想出来た結果などがあるのだが、それを知ってるつもりでいるのとデータや分析で明らかにするのとでは大きく違う

適切な判断・選択をするためには、事実を基にしなければいけない。これぞ「ファクトフルネス」である。

前述したように、周りの子育て世代の人たちの話を聞いていると、年上の人たちからのアドバイスもあれば、ネットで読んだ事をそのまま鵜呑みにしてしまい、それが正確なものなのかどうかを確認せずに不安になってしまったり追い込まれてしまう事は少なくないようだ。
子育て、という人生においても重大な出来事こそ、しっかりとしたソースを持った情報や知識を基に冷静に判断していく必要があるだろう。

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