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20190928_町工場を見学しよう!印刷所見学ツアー(午前の部)

先日、東京都足立区にあるしまや出版さまに工場見学にいってきました。

技術書同人誌博覧会さまの企画で、実際に本ができるまでの工程を見学し理解と興味を深め技術書同人誌を発行する意欲をマシマシにしよう!というもの。

当初は午後の部のみの開催予定でしたが、午前の部が追加開催。おかげで参加することができました。ありがたいことです。

しまや出版

出版社ではなく印刷所。足立区の住宅街にある下町の工場です。同人誌業界では老舗です。

自己紹介

ここで簡単に筆者の自己紹介を。
新卒で航空系システム会社に入社し10年超、開発に憧れつつずっと保守運用に携わって今に至る地味なエンジニアライフです。技術書同人誌の発行経験はなし、お買いものには何度か足を運んでいます。自分でもちょっと出してみたいな~と思っていたところに今回の工場見学を発見し申し込みました。
同人誌の発行経験はあり、しまや出版さまにもよくお世話になっています。(余談ですが今回のアウトプットが遅くなったのはそっちの原稿が遅れていたせいです……無事間に合いました)


見学:オンデマンド印刷


CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)それぞれのインクをのせて印刷する機械。すっごいいい機種らしいです。オンデマンド印刷とひと口に言ってもその仕上がりは機種の性能によってだいぶ変わるそうです。印刷されたものをいくつか拝見させていただきましたが、正直違いはわかんなかったです。特に本文はもうほぼわからない。トレーシングペーパーに印刷したものも見せていただきましたが、すっごいきれい!
ホワイト他特色インクを差し替えられる機種も!この秋から始まったホワイトトナーの印刷見本も拝見しましたがかわいい!きれい!これは使うしかない……という感じでした。

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とにかく品質をしっかりと!という姿勢が滲んでいて、社員のみなさんの意識が同じ方向を向いているんだなぁという印象がこの時点でもビシバシ感じられました。

見学:オフセット印刷

一歩足を踏み入れた瞬間からTHE工場!といった雰囲気。紙とインクの匂いがすごい。そして、音が!おおきい!機械が!おおきい!
オフセット印刷は版を作ってそれを元に大量に速く印刷する方式。
アルミ板で作った版は、肉眼ではほぼなにが印刷されているのか見えず……(※あとで伺った話ですが、環境問題に対応するために廃液を削減した結果たいへん見えにくい中で作業をされているとのこと)
アルミなので重い。そして傷つきやすい。版を作る機械に通したあと、目視で確認し、実際の印刷工程に入るそうです。
このあたりでうっすら気がつき始めるのですが、思っていたより手作業が多い。ピッてボタン押したらライン流れていってガシャコーンって本が出来るようなの想像してた……。
カラー、モノクロそれぞれの印刷機を見学。大きい。すごく大きい。カラーの色調整が、かなり人力ですごくびっくりしました。もちろん機材はデジタルですが、その設定をするのは人力。そりゃそうかと思いつつも、これは大変だなとひしひし……。

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本文は両面印刷で、大きい紙に何ページ分かをまとめて印刷。実際に印刷しているところを見学させていただきましたが、すっごいはやかったです。
色刷り用の機械も見せて頂きました。一回一回インクを取り替えると聞き、またしてもそりゃそうかと思いつつもやっぱり大変だなと……。
次は裁断機。切ったあとの紙の束の側面がびっくりするぐらいツルッツルで!つやつや!すごい!と大騒ぎしてしまいました。思えばこれもけっこうな人力だったなとあとから気がつきました。小さな穴から空気が出てるので重くないですよーなんて仰ってたけど、いやいや裁断機の上での移動が楽なだけで結局どこかの段階で人力で運ぶんでしょう!?やっぱり大変!
丁合機。印刷されページごとに裁断された紙を一枚ずつとって一冊にする機械。でっかい。ページ数が多い本は要別見積もりでと言われる理由がわかりました。一回にセットできるページ数を超えたら作業が増えますね……。
そして最後に製本。これも驚きの人力作業だった。本文をセットするとのりをつけ表紙をくっつけるのは機械がやってくれるのですが、本文をセットするのとくっつけられた本が出てくるのをどうにかするのは人力!最低限ふたり必要!そして本文を差し込む速度すっごくはやい!職人技!

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その後、三方断裁をして完成です。すごい、本だ!

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PPを貼る機械と加工をする機械も見学させて頂きました。トムソン加工(紙をくりぬく加工)は機械で切り取りのための線を入れたあと、なんと一枚一枚手で紙を抜いているとのこと……。大変すぎる!
(猫のかたちと口元がくりぬけてうちわになりました)

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参考リンク

ラジオ番組の企画で作成した同人誌の印刷をしまや出版さまが担当。印刷工程をツイートされていたので、リンク置いておきます。

雑感

手作業たくさんある!職人技!すごい!
先ほども書きましたが、もっと機械にお任せ感のあるものだと勝手に思っていたのでとにかくびっくりでした。大部数(同じものをたくさん印刷する)ではなく少部数に対応するというのはこういうことなんだなと。これまで印刷所の実作業に思いを馳せたことはなかったのですが、たくさんの人の手を介してできているのだなぁと実感できたので、できあがった本が今までより何割増しかで愛おしく思えてきました。
見学後に取締役の小早川さんからしまや出版の紹介と質疑応答の時間があったのですが、その中で「お客さまの宝物を作っている」という言葉があって、ひとりでひっそりとても感動していました。誰に頼まれたわけでもなく誰のためなのかもよくわからないまま時間と労力をかけてデータを作って入稿して、印刷所がそれを本にしてくれる。できるものは本だけど、これはたしかに宝物だなぁと。加えて、環境にも配慮しているとのことでした。手間も金銭的にも(たぶん)、言ってしまえばやらなくてもいいことをわざわざやっていて、でもそれは環境のため未来のため。どういう気持ちで仕事をするのか、どこを向いて仕事をするのか、そういう姿勢がはっきりしているのはとてもいいなと思いました。あと猫かわいい。全職場で猫を採用すべき。

エンジニアは仕事自体が一種のアウトプットではあるものの、それ自体は共有する目的のものではないことが多く、かつ、振り返る間もなくまた次の仕事へ……という終わらない連鎖を続けている方が多いのではないかなと思います。個々人の中には蓄積された知識や技術、経験があってもなかなか誰かと共有となると心理的なハードルがとても高い。コミュニケーション能力のある方ならミーティング等の場でも展開できるのかもしれませんが、私のようにひとりで黙々とパソコンに向かうのが三度の飯より大好きな人種には、本にしてかたちにするアウトプット法は合っているのかなと改めて思いました。(原稿中の永遠の孤独感、けっこう好きです)
がんばって新しい宝物を作ろうと思います。

技術書同人誌博覧会さま、しまや出版さま、素敵な機会をありがとうございました!






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エンジニアのはしくれ。

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