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2-10 憧れの○○科(その3)

東京学芸大学に在学中に感じたことなどを綴っています。

前回は

今回は実技系の科について述べさせていただきます。

8.音楽科 

 先ずは音楽科。この科はナイーブな感じの、正に音楽家といったイメージの学生が多く、楽器のケースを持って歩いている姿は、何か格好いい感じがしていました。

 音楽系のサークルに入っていた私のクラス(社会科)の友人などは、この科の友人が多かった様ですが、音楽、特にクラッシック系について完全に門外漢だった私には近寄りがたい存在で、正に音楽科=雲上人でした。

9.保健体育科

 次は保健体育科です。この科は正にThe 体育会で、オタク文科系だった私にとっては対局に位置する学生ばかり。殆ど接点がありませんでした。

 スポーツを科学する点では先進的だった様で、テレビに出る様な有名な教員も多く、実際野球やサッカーなどのプロの世界で活躍する選手を多数輩出しているので、スポーツエリートの集まった科だったんだと思います。

 ちなみに、この科の科目である体育実技は全学の必修科目で、特に夏は水泳が必ずありました。この水泳の時間で50m泳げないと単位が貰えない、金鎚な人にとってはハードな科目でした。

 実際泳げないだけの理由でいつまでも卒業できず、結果的に退学した学生がいたという噂?がありました。私は高校で50m泳ぐのが必須だったので辛うじてパスしましたが、苦労した友人も多かった、正に鬼の水泳の時間でした。

10.技術科

 技術科も中等教育教員養成課程しか学生がいないので、英語科と並ぶ学芸大学のガラパゴスでした。当然出会った人は1人もいません。

 でも、一般の大学ならば工学部に当たる科なので、本来はメジャーな分野だったはずです。そんな科がガラパゴスに位置付けられるのは、学芸大学の不思議なところでした。

11.家庭科 

 家庭科は文科系と理科系と実技系を併せ持った科で、友人を見ていた限りでは、かなり忙しそうなイメージがありました。個人的には可愛い女の子が多く、文科系の幼稚園科と並ぶ、男子学生の憧れの科でした。

 この科は民間に就職する学生も一定数いた様です。私が告白してあえなく玉砕したこの科の友人も民間に就職していて、就職して5年目ぐらいに渋谷でばったり出会って、再会を喜んだのは良い思い出です。

12.美術科

 続いて美術科です。藝大崩れがゴロゴロいる、非常にレベルが高くて不思議な学生が多い科でした。人として魅力的な学生が多く、かなり影響を受けました。

 デッサンで消しゴム代わりにパンを使い、残ったらしっかり食べる話や、ヌードのデッサンには学生が殺到する話など、ほんとに美術科あるあるは、本家の東京藝大に負けず劣らずいろいろありました。もっと面白い話もたくさん聞いていたのに、殆ど忘れてしまっているのが残念です。

 美術科の枠外科目を取っていたので、半年美術科棟に通いました。何かモノを造る作業は、日頃書物に囲まれた生活が続く中で、その偏りを是正するには貴重な時間でした。また、美術科棟の建物の中や外に不思議な彫像が溢れていて、建物の中の薄暗い場所では気持ち悪い感じの場所もあったのが印象的でした。

 演劇やバンドをやっている学生も多く、プロになった人もいるなど、殻に閉じこもらない東京学芸大学の「学芸」を別の意味で体現する特徴的な科でした。

13.書道科

 最後に書道科です。高校の教員養成課程のみの科なので、英語科や技術科みたいに定員が少なく、存在を忘れてしまいがちなレアな科でした。書道家の人には有名な科らしく、以前ネットニュースに出ていた書道家の人がこの科の出身でした。


 以上、実技系の科について述べさせていただきました。これらの科は、総合大学でも身近には出会うことのない種類の学生なので、そんな学生と交流あったのも学芸大学の貴重な経験です。まあ、美術科が圧倒的でしたけど(笑)

次回は




 

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