相手を讃えて勝ちに行く

5月8日は久しぶりの公式戦、中部日本富山県予選でした。

VC富山戦は接戦でしたがストレートで勝利、富山大学男子は優勝することができました。卒業生の石田コーチの指揮で、ギャラリーからの通信も使って、とてもいいゲームができたと思います。マネージャたちもアナリストとして絶賛発育中。

ここまでの練習で、チームのやるべきことを整理できていたことと、ゲーム中の状況に応じた適切な指示によって、常にやるべきことが分かっている状態で戦えていたと思います。相手にやられたりミスしたりしても、慌てたり迷ったりすることがほとんどなく、選手たちがとても頼もしく見えていました。
私は何もすることなく、ただ楽しく見ていることができ、幸せでした。

午後からは、卒業生が先生をしている中学の練習試合にお邪魔しました。
こちらが指摘したことをどんどん実現してくれて、とても前向きな気持ちのいいチームでした。

帰宅後その先生からメールをもらい、「相手へのリスペクトがあれば(大きくなれば)、 自分たちのプレーがよくなる!」という言葉がよかったと褒めてもらいました。

「相手をリスペクト」というのは、もともとは「相手を讃えて勝ちに行く」という尊敬する指導者の言葉からのものでした。

その指導者の方が海外でジュニア代表の監督をしていたときのことなので、もう10年以上前かもしれません。当時、世界大会での試合後の記者会見で日本の監督が「負ける相手ではなかった」みたいなことを言いたがることに対しての苦言でした。

世界の監督は、インタビューでまず相手を讃え、「そんな凄い相手に勝てた」「そんな凄い相手から多くのものを得て、自分たちは大きく前進した」という位置づけで答えていますが、日本の指導者は相手を低く評価し、「自分たちが勝たなければならない」と言葉にすることを支えにしたいかのようです。

「自分たちの方が強い」「こんな相手に負けてはいけない」と思うのは精神的優位に立つことを狙うのでしょうが、そんな気持ちでプレーしても楽しいわけがありません。楽しくなくて高いパフォーマンスが出るわけがありません。上手くなることも非常に難しくなります。

以前の練習試合で、ある大学と2日間やらせてもらったのですが、向こうがとてもいいチームで1日目はボロ負けでしたが、それを機にいろいろ整理できて2日目はかなりセットを取ることができました。そこで実感したのが「相手に対するリスペクトがとてもプラスに作用した」ということでした。相手にやられた場面でも楽しめていたし、あれはなかなかできない体験でした。富山大学にとっては大躍進の2日間でした。

義務感や責任感も大事なものですが、折角スポーツしているのに、義務感責任感だけでやるのはとてももったいないことだと思います。

ワクワクを大切にしていきたいですね。

当時のブログは残っていないようなのですが、検索したらその記事について書かれたものがありました。

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