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ストーリーは、「演出」だ。

ドイツで作られた SPIN という商品。炎が、ガラスチューブの中で渦を巻く、インテリアの新しいカタチ。

米国のクラウドファンディングでは約8200万円(支援者 約4500人)を調達。日本のクラウドファンディングでは、45日間でたった14.5万円(支援者4名)。

MONOCOでも販売が決まっていたので、国内クラウドファンディングの動向をみていたが、不発に終わった理由は分かっていた。

それは「この商品を買う人の気持ちになれないと売れない」ということだ。

国内クラファンでの訴求コピーは
「ドイツ発!居心地のいい空間づくりに最適な、渦巻く炎のランタン SPIN」。

居心地のいい空間づくり、は確かに合っていると思うが、実際にブランド担当者に商品デモを行ってもらったときに1番感動したのは「ガラスチューブを被せたときに、炎が渦を巻き出す瞬間」だ。そこに高揚感があった。

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実際に社内の編集会議でも、みんなを驚かせたいぼくの姿があった。

しかし、「これなんですか?」とチームに聞かれたので、思わず「これは炎が渦を巻くよ」と伝えてしまった。結果、それほどの歓声を浴びなかった。いい意味で失敗だった。

つまり、この商品は「演出」が大事であることが分かった。特に、友人が家に来たときに「これなに?」と聞かれても、まだ炎をつけてはダメで、勿体ぶることが必要だ。

もったいぶり続け、乾杯のあとに、「では、点けるね」と、炎をゆらゆらさせ、少し時間を置いてから「見てて見てて、ガラスチューブをセットするね」と伝え、一気に炎がゴーッと炎が渦を巻き出す。ここでの「おおー!」の歓声は気持ちいい。

この商品の圧倒的な特徴を考えると、雰囲気を心地よいものにする以上に「場を盛り上げるパーティーグッズ」ということが本質的だ。

そこで、MONOCOでの訴求コピーは「乾杯のあとは“旋回ファイヤー”」に決定した。旋回ファイヤー!!と叫ぶゲストの顔が目に浮かぶ。

ブランドを育てることは、骨が折れる作業だ。他人のブランドなのに、なぜをこれをやっているのか。やはり、ぼくは「価値があるのに、価値に気づきにくい」という今の世の中の問題を解決したいのだと改めて気づくことができた。


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