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地域のIT弱者をどう救えるか

こんばんは滝口です。

散々数年前からこの話題はありまして、言い方を少し変えればいわゆる「情弱」と昔はネットスラングでも呼ばれたり。あまりいい言葉ではないかもしれませんが。

大和町に移住してから、日頃からパソコンやスマホについて質問されることが度々あり、主に高齢者の方々を相手にサポートしているわけですが、どうしても私の体一つでは物理的に時間も手も足りなくなってしまう、という歯痒さがあります。

この地域おこし協力隊という制度がもし、定年まで続けていいのであれば喜んで毎日のようにサポートに走るのですが。笑 
結局任期は最長3年なので任期後の目標に向けてこの時間は大切なのです。

なのでそういった「何でも屋」としての活動も極力、持続的には行わないようにしています。

別件で今年度から三原市の市民大学でスマートフォンの入門講座の講師を始めたこともあり、益々その難点にぶつかっています。なのでちょっと考えてみました。


具体的にどうなの、何が問題か

じゃあまず具体的にどんな感じで地域の人たちが困っているのかと。

ハッキリ言って別にスマホやPCが使えなくても問題なく生活はできます。

ただ、例えば地域の自治振興会など何かしら活動をされている方はどうしてもPCを使う壁にぶち当たります。

先日も近所のお爺ちゃんから、市の農林水産課のHPから申請書(Excel)をDLして出さなければならないが、できない。と言われやってあげました。

そもそもその人はPCは持っているのですが家にネット環境がなく、環境がある場所で他のお爺ちゃんに聞きながらDLしてUSBに入れて持って帰ったら、それは実はリンクファイルで結局自分の家では開けない。という状況。

つまりその時点で既にその人の中では「わからん…」となってしまったようです。

他にも、例えば地域の支援員として活動されている方にExcelでここはどうすればいいのかと聞かれたり、Wordで印刷が上手くできないなど、細かな弊害があります。

市への報告もOfficeを使うことがマストなのでその時点で慣れないことをやっているわけです。

先日世界的にも起こってしまったWindowsのupdateによる特定のプリンターが使えなくなる問題(私の拠点もモロに被害を喰らった
など、細かい事例を挙げると本当にキリがないのですが…

更にこのコロナ禍で急速にオンラインの活用が広がり、オンライン会議の仕方などに戸惑っている方も全国的に多いと思います。
先日もzoomの入門的な教室を頼まれ開催しました。

まぁあとは、スマホ入門講座に来られる生徒さんたちのように「LINE」や「SNS」など周りが当たり前のように使っているので自分も使えるようになりたい。というごく自然な思いもあるかと思います。

コロナ禍で加速する問題

そのzoomやらのオンライン会議も、実際に使ってみれば意外と簡単じゃん。という意見も多く聞きます。

たしかにツール自体はシンプルに使いやすく作られているので、あまりPCに詳しくない人でも簡単に操作できるようになっています。

一方で、単純に使用しているPCが古かったり、回線が不安定、部屋の環境が悪いなど、実は単純な部分が抜けていてオンライン会議すらスムーズにできない場合も見受けられます。

例えば私もオンラインで何十社と面談をしてきましたが、せっかく良い内容を伝えようとしているのに音質がとても悪い、部屋環境orPC環境の影響でハウリング(反響すること)が起こり会話も難儀。
準備していた資料を見せたいが操作がわからない為見せられず結局口頭で説明される…など。

テレワークになりいわゆる「おじさん世代」が苦労しているというのもなんとなく納得です。

「情弱」=「ビジネス弱者」の方程式が出来上がっているのも事実だと思います。

また、ワクチン予約の電話が繋がらず、ほぼオンラインのみの受付になってしまった、などネットのことがよくわからない高齢者にとっては大問題です。

逆にIT強者だと何が得か

では逆に、PCやスマートフォンも割と使える!みたいな感じになると地域でどのような利点があるか、何が解決されるかを考えてみましょう。

このコロナ禍で実際に人が集まるのが難しくなった今、楽しみがかなり減ってしまった高齢者の方が身の回りでも多いと感じます。

例えばそういった方々がオンラインで映像付きで繋がれれば、毎日話しながらお茶もできるし、健康管理や頭の体操にも繋がると思います。

私の周りにも70代でスマホやPCをバリバリ使いこなしSNSで地域の活動について写真を送り合い、やり取りしまくっている方々もいます。

また、私が移住した「田舎」な地域はどうしてもエンタメな娯楽が少ないのですが、オンラインで動画や音楽などのコンテンツを楽しめられれば、おうち時間も充実したものにできます。

スーパーやデパートも遠く、車が運転できない高齢者の方もネットショッピングで好きに買い物もできます。

つまりはやはり、ITは個人の生活においては必ず必要な物ではなくとも、使えられればとても便利なもの。というのは変わらないのだと思います。

解決してゆくには

私たちの世代、というか少しPC慣れしている人なら何かわからない壁にぶつかればすぐに検索して解決したりするのですが、なかなか特に高齢者の方はそうもいきません。

ググったとしてもまた訳のわからないキーワードばかりで諦めてしまうというパターンが多いようです。

たしかに手順を解説してあっても、何処をクリックしてもいいかわからない。下手に触れない。怖い。という状況に陥るのは想像がつきます。

それに加え、オンライン会議など相手がいる場合は下手なことができないのでまず誰か知っている人に聞いてみる。という思いもあるのではないでしょうか。

なので解決策をいくつか考えてみると

1.何でも屋みたいな存在の人が地域に根付いて助ける(有料でも

2.教室を開いてレベルを底上げする

3.自治体や国がめちゃくちゃ使いやすくわかりやすいタブレットとかを配布。ネット環境も整備。

などかな〜と。

1に関しては既に知り合いでそういった副業をされている方もいます。例えば時給1500円くらいで仕事をしてくれる人がいれば、業者には頼むまではなくとも解決できない…わからん…という事例の時に頼みやすいですよね。オンラインでの申請なども気軽にお願いできると思います。

2は私もやっていますが、正直これが一番効率的なのかなと思います。一人一人に教えていては時間が足りないのでいっぺんにまとめて教えてしまうという方法です。最低限の使い方やトラブルの対処法(例えばフリーズしたら保存して再起動しよう)などを教えられれば一定レベルまではカバーできるのかなと。

3は実際に近いことをやっている自治体もあります。拡げようとするとかなりお金もかかることなので日本がその方向に動かなければ難しいのですが。最近は小学生にタブレットを配布して結局家でゲームに使われるなどまだまだ問題点はあります。

まとめ

時代が進むにつれITの必要な層、ハードルは下がり続ける一方で、ITを使えない年齢層、使いたくともついていけない人数は上がってきています。

グラフにしたらちょうど交差する部分で、コロナ禍もあり、今が過渡期なのかな〜と感じています。

働いている方はもちろん、人生100年時代と呼ばれてきた今、高齢となっても新たな知識を取り入れることも大切かもしれません。

また、置き去りにしない社会を作る為には、日本はもっと弱者に向けたサポートが必要だと考えます。

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