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時間をかければかけるほど、良い記事ができるものですか?/「現代ビジネス」月記6

2017年10月より始めた「現代ビジネス」月記、月イチ更新で何とか続いて6回目です。始めた経緯については、第1回でも見ていただけると。

2018年3月、仕事を通して考えたこと

僕は昨年の10月「現代ビジネス」編集部に来たので、3月で半年がたちました。3月末で公開した記事が累計40本。しかし、依頼済みの原稿で、まだ形になっていない記事もあります。その中には、ちょっと時間がかかりすぎているかなと思うものも何本か(それぞれ止まっている理由はあるのですが)。

書籍編集者時代の僕は、一冊一冊しっかり作ろうという意識が強かったと思います。そのマインドはいまも消えてはいませんが、一方で「時間をかける」ことのデメリットも感じています。

時間をかければ、その分、文章はよくなるでしょう。追加の要素も入れられるかもしれません。構成を見直したりもできるかも。すぐには思いつかなかった、良い見出し・タイトルが浮かぶ可能性もある。

けれど、その分、遅れていく。雑な表現ですが、「時代」から遅れていく。

日々、新聞を読んだり、他のニュースサイトを見ていたりして、「やられた」と思うことがしばしばあります。自分がやろうと思ったテーマが先にやられたり、書いてほしいと思った人に書かれていたり、追っている出来事に大きな変化がおきていたり。

「良い記事」というものを「質」だけで考えたら、時間はかければかけるほど良いのかもしれません。けれど、「読者が読みたいタイミングで、読みたいものを提供する」ことも記事の良さだとしたら、ここぞというときに手を離すことも大事かと。何だかんだで、先月(2月分)の振り返りに通じる話でした。

2018年3月、担当した記事

以下は、3月に担当した記事のおさらいです。

・アマゾンの成功法則から外れた…?「アマゾンエコー」最大の弱点
この記事は正直、ウェブの反応は賛否両論でしたが、それも見込んで公開しました。マイクロソフトでサービスデザイナーをしていた中村一哉さんに、アマゾンエコーのデザイン上の弱点をご執筆いただきました。

2020年「前代未聞の教育改革」で教師の仕事はこう変わる
以前から、2020年に学校教育が色々変わるらしいとは聞いていたのですが、『2020年からの教師問題』で石川一郎先生のことを知り、ずばり教師に絞った変化を書いてもらおうと企画しました。現代新書から出ている『2020年の大学入試問題』もよかったらぜひご一読を。

「人間VS人工知能」投資の世界ではトンでもないことになっていた
マネーの代理人たち』の著書がある元ヘッジファンド勤務の小出・フィッシャー・美奈さんに、投資の世界で起きているクオンツファンド、AIファンドの台頭を書いていただきました。元々違うネタでお願いしたのですが、投資におけるテクノロジーのスゴさに驚き、方向転換していただきました。

仕事と家庭の両立なんて、無理に目指さないほうがいい
以前、<データ入力ばかりの事務職がAIに仕事を奪われないためにすべきこと>を執筆いただいた石角友愛さんに、「新・働き方統合研究所」のコンテンツも書いていただきました。働く女性に刺さったのか、驚くほど多いいいね!をいただいています。

クイズです。「ブラック企業」のトップがよく使う言葉はどっちだ?
サムネイルにもした記事です。掛谷英紀先生の著書『「先見力」の授業』の抜粋がもとですが、記事作成時間は短くとも、よく読まれました。こういう経験が度々あるので、「時間」がすべてではないかと思います。

人工知能は「出版不況」を救うか?AIによる書籍需要予測という試み
メガネ、作業着、刺繍…あらゆる情報を測れる「着るIoT」最前線
月末の2本は、去年から継続してやらせていただいている、KDDIのオウンドメディア「be CONNECTED.」への提供記事でした。
大日本印刷を取材した前者の記事は、業界内に投げかけた波紋が大きく、システムの注目度が大分上がったとか。
板垣朝子さんによる「◯◯×IoT」記事も3本目。「着る」ものの進化は目覚ましいです。

以上、いろいろな分野の記事を担当した3月でした。

なお、「全担当記事のまとめ」をつくっているので、滝が「現代ビジネス」で企画した記事、全部読んでみたいという変わった方は、リンクをチェックしてみてください。また来月!

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