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15年以上書籍編集者だった僕が、「広告」の仕事で学んだこと。/「現代ビジネス」月記4

2017年10月より始めた「現代ビジネス」月記、月イチ更新ということで、何とか続いて4回目です。始めた経緯については、第1回でも見ていただけると。

2018年1月、仕事を通して考えたこと

今月は「広告」がらみの仕事について、書きます。ただ、社会人になって15年以上、ほぼ書籍編集者経験しかない僕にとっては、「広告」ってほとんど縁のない仕事だったので、すべてが新鮮で。なので、ここでは書くことを極力絞り込みたいなと。

「広告」の仕事は、正直大変です。それまでの仕事では関わらなかった「クライアント」というものが存在し、社内外でいろいろ調整しないといけないことがある。基本的には「読者」メインで見てればよかった書籍編集の仕事とは大分違います。

けれど、その大変さはある意味想定していたものであり、ここで改めて書かなくてもよいかと思います。むしろ「広告」の仕事に携われてよかったということを、記録しておきたくて。
*なお、いまさらですが、ここでの「広告」はタイアップ記事や、ブランディングのためのサイトなど、コンテンツ寄りのものを念頭に置いてます。

クライアントにとって、「広告」を出すのには当然、理由、思惑があります。ごく単純な例なら、ある製品を売りたいということでしょうし、サービスの会員を増やしたいとか、その認知度を上げたいといったこともあるでしょう。

僕にとって、「広告」の仕事を通じて、そんな理由を聞くのはとても面白い経験でした。なぜなら、それはクライアントの今抱えている課題だったり、進めている戦略の一端を(多くの場合、他の人よりも先に)知ることができるから。たとえば、その広告の効果をどういう値で判断するか一つとっても、クライアントの価値観を伺うことができます。

そういった経験を通じて、クライアント(ほとんどは企業です)の最初はぼんやりとしていた「輪郭」が、どんどんクッキリと見えてくる。そこからクライアントの属する業界の課題や、将来が浮かんできたりする。

また、特定の業界に関連した「広告」を作ることで、短期間である分野に詳しくなれるというメリットもありました(これ自体は、書籍編集者時代にも経験していたかもしれません)。

そうやって「広告」の仕事を通じて、僕はビジネスや企業について、狭く、でも深く学んでいます。この経験は、今後通常の寄稿記事の企画を考えるときにもきっと生きるはず。その意味で、「広告」とは、大変だけどやりがいのある仕事なのです。

2018年1月、担当した記事

先月に続いて、メットライフ生命の「#老後を変える」編集部とのコラボ記事(先方の記事を再構成しました)も4本公開されました。まとめてリンクします。

・5人に1人は「認知症」になる時代で、今から準備すべきこと
・日本人の経済に対する「楽観」は国際会議で失笑が漏れるレベルだ
・「ぼんやりした将来不安」を解消する超シンプルな方法
・35歳、突然の末期がん宣告を受けたぼくが知った人生の大切なこと

・1000冊から厳選「本当に役に立つ」自己啓発書ベスト20
この記事は、高田晋一さんと組んで以前アップしたこの記事への反応に対するアンサーです。もともと僕も自己啓発書を何冊か作ってきて、その反省も踏まえ、これからの自己啓発書には「エビデンス」が欠かせないのではないかという思いがありました。だからこそ、高田さんに「エビデンス」重視のリストを作っていただき、ラップバトル気分でアンサーを出してみました。他のメディアでこの記事に対するアンサーが出たら、むしろ嬉しいです。

・年間1億円も稼げる「シリコンバレー流」不動産投資のイロハ
某勉強会で知り合った黒木陽斗さんの、元「シリコンバレー」で活躍していたビジネスマンという経歴に着目して、原稿依頼しました。こちらの記事や、こちらの記事を担当したこともあり、「不動産」は個人的に興味があるテーマになりつつあります。

・IoTでズバリ「伸びる業界」8つと「伸び悩む業界」4つを公開
こちらはKDDIのテーマポータル「be CONNECTED.」で掲載された記事です。株式会社ウフルIoTイノベーションセンター所長の八子知礼さんに、IoTが各業界に与える影響をご執筆いただきました。

・リアル店舗の看板「誰が、どれくらい見た?」が分かる驚きの技術
こちらもKDDIの「be CONNECTED.」関係の記事。ショーウィンドウの「効果測定」技術を開発した株式会社クレストの永井俊輔さんにご執筆いただきました。上の八子さんの記事もそうですが、正直、万人向けではないと思っています。しかし、どちらもニューズピックス経由ですごく読まれたので、「狭くても深い」記事の可能性を感じる、手応えある仕事でした。

というわけで、「広告」の記事をメインに、深い記事に関われた1月だったかなと思っています(と、2月半ばに書いていますが)。忙しいのは相変わらずですが、月1のこの月記の振り返りだけは絶やさず頑張ります。

*なお、「全担当記事のまとめ」を作っているので、滝の企画記事、全部読んでみたいという変わった方は、リンクをチェックしてみてください。

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