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「人生の夏休み」を、もらいます。/今週の、いちばん。92

ここ数年、夏休みをのんびり過ごした記憶がない。
休暇中もなんらかの仕事を抱えていたし、帰省といっても電車で数十分の実家に寄って母と晩酌をするだけ。
恥ずかしながら、どこかへ遠出したという思い出もない。

会社員と個人事業主の「二足のわらじ」生活になってから、その傾向はますます強くなり、夏休みをとっても「連絡の数が減る作業日」くらいにしか考えていなかった。
でも、今年は、そうはならないはずだ。

本日付で、2015年10月に入社したサンクチュアリ出版を退職することになった。
正直、急に決まった話で、ここ数日、引き継ぎなどの対応に追われていた。
経緯について、ここに詳しく記録はしない。
ただ、ここ数日に起きた出来事は、長く自分の記憶に残ることだろう。
3年に満たない短い期間だったけど、色々な意味で鍛えられ、感謝している。

今後について、どうするか。
当初はいよいよ個人事業主一本でいくかと思ったけど、退職のことを知って声をかけてくれる人もいて、迷っている。
以前、このインタビューでも言ったけど、僕にとって働き方は手段であって、目的ではない。
編集者として、できることを増やす。
その目的が達成できそうなら、企業に所属する、しないはどちらでもいい。
だから、しばらく、自分なりに考えてみる。

さて、「夏休み」の話だ。
思い切って、8月はまるまる休みにあて、新規の仕事を入れないことにした。
(すでに受けていた個人の仕事は、「宿題」として、ちゃんとやります)

今まで忙しさにかまけて会えなかった人に会い、行けなかった場所に行き、読めなかった本を読み、荒れ放題の家をなんとかして、仕事以外の人生を楽しみたい。
だから(ある程度面識がある方中心に言うけど)、飲みでもランチでもどんどん誘ってほしい。そして、わがままを言えば、近所の竹子竹ちゃんで、安酒をおごってほしい。
たぶん1か月もそんな暮らしをすれば、9月からはイヤでもまじめに働くだろう。

僕の人生で、これだけ仕事から離れる期間は、今後しばらくないと思う。
いわば、「人生の夏休み」。
ひと夏の休みのあと、急に大人っぽくなったりする子供がいるけれど、大人の僕でも、少しは変わったりするんだろうか。
忘れられない31日間にしたい。

今週のいちばん「夏休みが楽しみ」な瞬間。それは7月31日、千駄ヶ谷のこのオフィスをあとにする瞬間です。

*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です
(とはいえ、不定期更新です。また「書かないよりは、まし。」という文章も、たまに更新しています)
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