最近のBLドラマ事情と私の推しについて。

この4~5年でBLをテーマにしたドラマが地上波で放送された。その代表作といえば「おっさんずラブ」「きのう何食べた?」「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」。特に「おっさんずラブ」はオリジナルドラマ作品として田中圭さんを主役にテレビ朝日系列にて深夜ドラマとして放送された。こちらの作品は単発ドラマから始まり、キャストを若干変更し連続ドラマとして復活した作品。初回放送終了後より徐々に話題を集め、ついにはTwitter世界トレンド1位まで昇りつめた。映画化も果たし社会的にも「BLドラマ」という単語を世に知らしめたのではないかと思っている。

(6話の衝撃の終わり方に視聴者は困惑と動揺。そして最終回放送までの日々を地獄の1週間と表し、名言も多数生み出した。)

「きのう何食べた?」は大人気漫画作品の実写化として西島秀俊さんと内野聖陽さんという考えられないくらい豪華Wキャストでテレビ東京の深夜枠で放送。こちらは今年劇場版も公開される。

そして昨年放送されたのが「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(通称:チェリまほ)。タイトル通り主人公が童貞のまま30歳を迎えるとなんと触った人の心が読めるようになってしまった。もともと陰キャな安達は人とのかかわりをあまり持たず、仕事も先輩に押し付けられても断れず、受けてしまうような性格。そんな安達を実は同期のイケメンで仕事もできる黒沢が片思いしていることを魔法の力でたまたま知ってしまう。そこから始まる2人のラブストーリーはこちらもテレビ東京の深夜30分枠、しかも放送局も少ない形から始まった。主人公の安達を若手俳優の赤楚衛二さん、安達に恋する黒沢役は劇団EXILEの町田啓太さんが演じた。こちらのドラマもTwitter界隈より火が付き深夜ドラマ、しかも地方局から始まったにもかかわらず人気が爆発。出演した2人も今や話題作に続々と出演している。漫画原作の作品だが私はこの「チェリまほ」については衝撃の出会いを果たしている。

ある日、何気なくTwitterを見ていたら流れてきたショート漫画。それが「チェリまほ」だった。作者である豊田悠先生が何気なく載せたショート漫画に火が付きそのまま連載→実写化という駆け抜け方をした作品。私はその日から安達清という新たな推しを手に入れる。

安達清は見た目は黒髪、猫背の冴えない独身サラリーマン。とにかく自分に自信がなく口癖のように「俺なんか・・・。」と言ってしまう。そんな安達を黒沢はとあることをきっかけに気になり、そして恋に落ちるのだがこの物語はただのラブコメではなく安達清の成長譚であることは言うまでもない。黒沢の片思いを知り、お互いの距離も縮まり、いざ付き合うことになっても安達はずっと「なんで俺なんかを好きになったのか」という気持ちがなかなかぬぐえないでいる。しかし、そこを黒沢の何気ない言葉や行動、そして妄想が安達の自信のなさを少しずつほぐしていき、きらきらと色を付けるように磨いていく過程が本当に丁寧に描かれている。ドラマも初めはどうなるのか?と思っていたが、そこを丁寧に描き最高の最終回を見せてくれた。

私は安達推しだが、安達が少し自分に似ているなとも思っている。それは誰にも認められない、自信がないという感情は誰しにもあると思う。安達はひねくれているところもあるが割と素直で優しい。それは漫画の随所でみられる。若干ツンデレも入っている。黒沢が安達を好きになったきっかけも安達の優しさだったし、親友の柘植は少し腐っていた時も安達は変わらず柘植に接していたことに救われている。

こんなにも周りは安達に救われているのに当の安達は自分には何もなく空っぽの人間とさえ思っていた。私も普通に社会人はやっているがそれ以外に特に何もできないし、起業したり新たに大学へ通いなおす友人がいるが本当に凄いと思うし、自分にはできないなと思うことが多い。安達を見ているとそんな自分を少し重なり、安達を応援したくなる。そして黒沢という自分を見てくれる人と出会えて本当に良かったと思っているし、うらやましいとさえ思う。チェリまほは確かにBLドラマの分類に分かれるかもしれないが、私が安達を重ねたように様々な登場人物に自然と感情移入できる、本当に素敵な作品だなと思う。見ていない方がいたらぜひおすすめしたい。

#私の推しキャラ

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