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ハンドサイン


手を振ればSOS、手を頭に乗せればokサイン。
舟は漕ぐ方向と逆向きに傾く。
今回はダムの放水もあって水嵩が増し、難易度が上がっているので、慎重に自然と触れたい。
真剣な眼差しで漠然とした自然を見つめる。
水面の下の流れを想像するように、眼には映らない奥深い部分を観察して分析する。
これは、自然と向き合うときには必要な心構えだと私は思う。
直感を充電するような感覚だろうか、一度自然と人間とが対面すれば、大方直感的に通じる本能的な何かが人間には備わっている。それを脳が放つ電気信号だととらえる人もいれば、霊長類的な力だと考える人もいるかもしれないが、要は自然と共振することだと今の私は捉えている。

日常生活にも目に見えない流れがある。
普段と同じに見えても、少しずつ変化しており、そのほとんどは部分的、短期的、主観的に見ただけでは気づけない。長期的で客観的な外的観察から得られるのである。意識的に向かい合って、初めて認識できるのである。太古からあったはずの清流も川床であったであろう河川敷も意識することができなければ永遠に水と石である。

普段生活している環境に慣れて、当たり前に生きている日常の中に私たちは存在している。
しかし、電気が常に使えることが当たり前ではなく、寧ろ特殊な環境であるように。
自分が気づいていないだけで、目を凝らせば良く見えるものが沢山あるはずだ。
いささか抽象的すぎるかもしれないが、水上教室を通じて水面ならぬ表面的な世界の奥を覗けるようになっていただければこれ幸いである。


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