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パキスタンのナルギシコフタ

あなたにとっての、とっておきのカレーって何だろうか。

いつも通りのカレーだけど、帰り道に寄ったスーパーでチキンカツを買って、上に乗せたり。冷蔵庫の中に偶然あった卵でとろーりとした半熟の目玉焼きを作って、上に乗せたり。あるいは、ほら、いつもはルーで作るけども、一年に一回だけ作るスパイスカレーとか。ほんの少し、手を加えたことが、食卓に小さな花を咲かせてくれるような。

今日は、そんなとっておきのカレーをご紹介しよう。

そのカレーの名は、ナルギシコフタ。主にパキスタンで食べられているカレーだ。ナルギスはウルドゥー語で水仙。コフタはヒンディー語で肉団子。つまりは、まるで水仙のように明るい色をした卵が、肉団子に包まれ、それがカレーの上に乗ったもの。という訳だ。

1947年にイスラム勢力がイギリス領インド帝国から独立して建国された国がパキスタンだ。そのため、インドではヒンドゥー教徒が大多数を占めるのに対し、パキスタンではイスラム教徒が大多数を占める。イスラム教は、豚肉を食すのは禁忌とされているが、ルールに従って屠殺したものならば、鶏肉、牛肉、羊肉は、食べることができる。それもあってか、パキスタンの食堂や屋台では、肉をスパイスで調理したものが非常に多いそうだ。

少なくともムガル帝国の時代からは作られているという、肉団子のコフタ。そのコフタで卵を包み、カレーの上にのせるような料理が根付いたのは、イスラム教徒が多い地域だったからかもしれない。

では、早速作っていこう。

今回使った主な材料。スパイスは、色々入っているガラムマサラを使う。


玉ねぎをじっくり炒めている隣のコンロで、まずはコフタ作りに取り掛かる。

水を入れて火にかけた鍋に、牛挽き肉、玉ねぎ、生姜、にんにく、塩胡椒、ターメリックを入れて弱火で25分間煮込む。その後ひよこ豆粉を加え、さらに10分煮込む。そして、ガラムマサラ、ヨーグルト、溶き卵を加え、よーくこねる。



よーくこねて、卵を包み、160℃の油で揚げる。



少し形が崩れてしまったけど、どんっ!!!


玉ねぎは飴色になったら、トマト、ヨーグルト、スパイスを投入。トマトの水気が飛んだら、水を入れて煮込む。


じっくり煮込んだカレーに、先ほど揚げたものを乗せれば出来上がり。どんっ!!!



いただきまーす。

あっ…、これはとってもいい。シンプルなスパイスカレーだけでももちろん美味しいのだが、お肉に包まれた卵が添えられることによって、一気に華やかなカレーを食べている気持ちになるというか…。食べごたえが増すし、味にも変化が生まれる。何より、卵が入っているご飯って、食べていて楽しい!!

卵を包んでいるコフタ。スパイスが効いていて、ケバブに近い味わいなんですがね、食感がとっろとっろなんですよ!!つなぎに使ったきな粉と小麦粉(ひよこ豆粉の代わりに使った)のお陰かと思うのですが、その、とろっとろさが最高!ハンバーグや、ミートボールとは味も食感も違うのですが、このケバブ風の味付けには、このとろっとろの食感がベスト!!!かもしれない。

ちょっと疲れた金曜日とか、恋人にふられた友達を元気付けたい時とか、いつもより少し食卓を明るくしたい時に作ってあげたいなあ。いずれにせよ、誰かをもてなす時に作りたいカレーだなあ。

もちろん、チキンスパイスカレーもいいけど、その場合は、前日に鶏肉をヨーグルトとスパイスに漬けておきたいから、急には作れない。だから、友達がスパイスカレー食べたいって急に言ってきた時に、ナルギシコフタなら、ちゃちゃっと作ってあげることができる!


反省としては、もっともっと分厚いお肉で、卵を包んであげればよかったと…。もっとお肉の食べ応えを楽しみたかった…。でもそのくらいだな。意外と簡単にできる、素敵なおもてなし料理なので皆さんも是非、作ってみて下さい!!!

(今回参考にさせていただいた本はこちら。)

最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。