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【読書感想】東山彰良『さすらい』

2020/04/24 読了。

東山彰良『さすらい』

博多版トレインスポッティング。めちゃくゃ面白かった、を300回くらい言いたい。

智也、ハービー、トイトイ、柴尾、控えめに言ってもクズの彼らが各々の目線で語っていく。繋がっていたい奴もいれば、離れたがってる奴もいる、腐れ縁の4人。

首根っこ引っ掴まれて東山彰良の世界に連れて行かれるこの感じがたまらん。個人差はあるかもしれんが、私はこの世界にすぐ馴染む。ずっとここに居たい。読み終わりたくない。『さすらい』は離れがたかった。

私が大好きな人物は、智也の元彼女の麻美。別れた智也に難癖つけて追い回す様子が面白かったな。ある時は柳刃包丁持って追いかけ、またある時は拳銃持って押しかける麻美の執念深さ。そんでもって麻美の行動が意図せずに智也を救ってしまうからたまらんよ!

この小説は、恋だ愛だのという言葉が存在していないように見えるんだけど、最後はやっぱり愛で、その愛し方が愚かすぎるけど愛おしい。

読書が楽しすぎて外に出たくない。できれば仕事も行きたくない。家にこもることが苦ではないのは本があるからだろうなと思う。本が好きでよかった。







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