SAKA-SAMAというアイドルへの熱狂、惜別、そして未来

10月26日、渋谷 CycloneにてSAKA-SAMAのフリーライブを見る。

新体制になってからの新曲「メロディ」は最初に聴いた時からなんとなく「まぁ、そういう曲なんだろうな」とは思っていたけれど、この日改めて歌詞に耳をそば立てて聴いていて胸に迫るものがあった。

これはSAKA-SAMA前体制への切ない惜別とこれから別々の場所で生きていく彼女たちの強い繋がりの歌だ。

サビの「忘れないでメロディ —-」に続く歌詞の中には、あの賑やかだった7人の日々を愛おしむような優しさがあった。この曲を、今年の8月17日 SAKA-SAMA前体制が終了したこの場所で歌詞を噛みしめながら聴けたことはSAKA-SAMAオタクのオレにとって自分でも意外なほどインパクトのあることだった。

曲を作ったのはkanoさん。SAKA-SAMA提供曲では「終わりから」「聴こえる」、Dr.まひるんのソロ曲「風船と窓枠」、そしてこの「メロディ」。改めて列挙するとSAKA-SAMAの持つ切なく儚いエモさのベースの一つとなるのはこの人の楽曲かもしれない。

「聴こえる」は以前雑誌のインタビューであいうえまし子が語っていたように「ここねん、まひるん、まし子の3人時代」を歌った曲だ。続けて彼女が「集客が厳しい時もあったけど楽しかった」と言っているように、夜明け前のような力強さに満ちている。

そんな曲を作った人が「メロディ」という曲でそれぞれの場所へ散って生きていく様を描写する。アイドルの活動に過剰な「物語」を求めるのはオタクの悪い癖だとは思うけど、そこには何かよくできた小説の様な美しさがある。

「聴こえる」の初お披露目は2ndワンマンだったのだが、この日はミ米ミ、瀬戸まーなが加入してから日も浅い中、水野たまご、つつみとさらに新メンバー2人のお披露目という慌ただしさで、その後特典で貰ったライブCD-Rを聴き直すとまだまだ不慣れな少女合唱団のようで実に微笑ましい(笑

水野たまごはお披露目時は喉の不調という不運なスタートだったが、その1年後には彼女はZepp Divercityという大舞台で堂々としたアイドルとしてこの曲を歌っている。そうした意味では「聴こえる」という曲はまっさらな素材として始まった水野たまごが、キラキラ輝くThe アイドルとなる過程に寄り添った曲だとも言える。

https://youtu.be/8o8PzsOZ6MI?t=302

いつも通り酔っ払って書いているので取り止めのない文章になってしまった(笑
話を10月26日に戻す。

初っ端勝手にちょっとしんみりしながら見ていたライブだったがその後は安定した「新生SAKA-SAMA」。最近のここねんは変な言い方だが憑物が落ちた様にリラックスしている。憑物とは悪い意味じゃなくて、かつての賑やかな日々にあった充実感やこれからへの期待感とそれらと背中合わせにある不安や緊張。ステージに立つ者ならきっとそういうものを抱えて生きているんだろう。それが図らずも一旦チャラになってしまった。そして新たに隣にいるのは朝倉みずほというカラッと明るいパートナー。まだまだ前へ進めそうだ。

そしてこの日の終盤。SAKA-SAMAのアンセム「朝日のようにさわやかに」で締めると思いきや、まさかの(というのは失礼な言い方だけど)「ライト・ナウ!」に続けて新曲「to the stars」。

「ライト・ナウ!」(旧表記「RIGHT NOW」)は1stワンマンでの初お披露目曲なんだが、そんな記念日に披露するにはかなりヘンテコ(褒め言葉)な曲で、多分その日でオレがSAKA-SAMAを見るのはまだ3回目くらいだったのだが、このグループのなんでもアリ感ほんといいなという気分を実感させてくれた曲。音楽ジャンル的にはGABBAというものらしい。その日のイメージ的には呪術的な「パンクサイド・オブ・あいうえまし子」とも言えるあいうえまし子のパフォーマンスが鮮烈だったし、可憐でちょっとだけいたずらで邪悪そうな森の小人(ドワーフ)のように飛び跳ねるDr.まひるんが印象的だった。

https://youtu.be/9dklTcjaOYU

そして「to the stars」。なんかSAKA-SAMAってアイドルグループはまだまだ安心して推せる、そんな明るさに満ちていた。

https://youtu.be/uRpxybfZTOA

酔っ払って書いているので話が長い(笑
続ける。

その翌々日の10月28日。渋谷 Milkyway。APOKALIPPPS主催イベントへ。同じ時間帯にSAKA-SAMAのフリーイベントもありそちらへ行かない申し訳なさ感じながら、でもここにはSAKA-SAMAオタクとして見届けたいものがあった。

ex.SAKA-SAMA あいうえまし子が半年間のブランクを経てAPOKALIPPPSというグループアイドルの一員としてステージに戻ってきた。しかも何気にスーパーグループである。

愛らしい笑顔もちょとした仕草もましちゃんはましちゃんだった。

画像1

SAKA-SAMA時代以上にスタイルの良さを活かした衣装はまさに眼福。なんか安心した。これからもステージに立ち続けることを諦めないで欲しい。

オレがこれからも細く長くアイドルオタクとして生きるためにちょっとやっておくべきことがある。それは約1年半ほど続いたSAKA-SAMAへの熱狂をどう冷ますか、だ。冷やすのではなく平常の体温に戻す。うなされるように沸いた日々も楽しかったが、これからはじっくり味わうように楽しみたい。そんな課題をこなすきっかけをくれた2つのライブだった。

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