地政学でエアパワーはどのように考察されたのか? セヴァスキー『エアパワーによる勝利』(1942)の紹介
地政学は世界全体を一つの地域として捉え、国家間の政治的相互作用と地理的現象がどのように影響を及ぼし合っているのかを考察する研究領域です。19世紀後半から20世紀前半に発達した古典地政学では、アルフレッド・セイヤー・マハンやハルフォード・マッキンダー、ニコラス・スパイクマンなどの業績が有名ですが、これらはエアパワーが国家間の勢力関係の優劣に及ぼす影響を必ずしも十分に検討していません。アレクサンダー・ド・セヴァスキーは、エアパワーの概念を地政学的分析に取り入れ、いち早くその影響を