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【ユマニチュードの新たなステップへ】


「お風呂は週2回入るけど、決められた時間に孫くらいの男の子に手伝ってもらわなければならないの。一度でいいから、夜ゆっくり入りたい・・・」
「お風呂上がりに髪を乾かしてもらうけど、ぼさぼさだし、肌もつっぱるの。せめてクリームくらいつけたいの・・・」
「車いすで部屋と食堂の往復だけ・・・立って外の風景を見たり車いすで外出してみたい・・・」
「もう一度、昔お父さんと行った、喫茶店に行ってみたい・・・」
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歳を重ねて、弱くなったとき、私たちはどんな人生や暮らしを紡げるでしょうか?
そこを深く考えて、実践しなければならない。諦めずに。
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「ユマニチュード」をご存知ですか?
Humanitudeというフランス語を示すと意味が分かりやすい。
認知症の人や高齢者に限らず、をケアを必要とするすべての人に向けた、包括的コミュニケーションに基づいたケア技法。
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「見る」「話す」「触れる」「立つ」という人間の持つ特性に働きかける。
ケアを行う人は常に「あなたは大切な存在です」「あなたのことを大切に思っています」というメッセージを発信し続ける。
それによってケアされる人は自分が唯一の存在として、自分が尊重されていると感じられる。
そんな風に、ケアを必要とする人の人間らしさを尊重し、それを伝えるための哲学と技術が、ユマニチュードだ。
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今日は、「ユマニチュード学会」の施設認証プログラムをつくる委員会の第1回に委員として参加させていただいた。全国から、錚々たるメンバーが加わってキックオフ。
哲学と精神のあるものには、分野を超え、地理を超えて、みんなが集う。
そんな求心力を改めて実感。
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日本で「ユマニチュード」を日本に持ち込み、旗振りしている本田美和子先生とは20年来の友人。
「どうしたら日本で拡がるでしょうか?」と相談を受けたことが昨日のように思い出される。
それから、メディアや厚労省、そして、福岡市に導入の橋渡しし、
いまや、福岡市は、「認知症フレンドリーシティ」を掲げ、世界13か国で展開されるユマニチュードの世界唯一の”面的”な展開を進めることになった。
施設や病院のみならず、在宅や学校にも、ユマニチュードの教育が浸透し始めている。
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長年寝たきりだった高齢者が立った、認知症で暴れていた方が穏やかに笑うようになった。
そんな奇跡を起こすことから「魔法のケア」なんて評されることもあるユマニチュード。
これがさらに、日本中に拡がり、高齢社会の風景を変えていくことを想像している。
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介護の世界、身近な人がそうなった途端、みな「自分ごと」になる。
私も最近母がせん妄やMCIを発症して、戸惑っているひとり。
介護の現場では、献身的にケアしてくれている。それでも、やりたいケアがしたくてもできないことに歯噛みし、絶望しかかっているケアラーの方もたくさんいる。
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これを、なんとか、変えなければならない。進化させなければならない。
介護のみならず、病気や障害の方など、ケアが必要な方すべての方の「尊厳」が守られる世界を創ろう。
それが次の人類の課題の大きなテーマのひとつだし、それができたとき、日本という国の「尊厳」も保持発展されていく。
それを想像している。
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その突破口、武器としての「ユマニチュード」、これからも関わって、応援していきます。
みんなで、想像しましょう。

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