馬券の買い方-基本編(2)〜平均オッズを意識しろ!


馬券の回収率を考える上で、最も重要な“トリガミ”について、その本質を『トリガミシリーズ』として2回に渡って記事を配信してきました。

-トリガミシリーズ-
前編『トリガミは疫病神』
後編『トリガミこそ真実の鏡』

今回はその延長として、回収率を考える上で重要な『馬券の買い方-基本編(2)〜平均オッズを意識しろ!』をおおくりします。
>『馬券の買い方-基本編(1)〜的中率の限界を知れ!』はこちら


前回の記事『馬券の買い方~基本編(1)』で

単勝1点買いの的中率の限界リミットは5割

と解説しました。

では、これが一体「何を意味する」のか?


オッズ2.0倍以下を的中させるということ


単純に、以下の条件で馬券を買う場合
――――――――――――――――――――――――
【購入レース】10R
【馬券購入】 単勝1点買い
【資金単位】 100円
【資金配分】 均等買い
【的中確率】 5割
――――――――――――――――――――――――

Q. 1点100円で10レースに必要な資金は

A. 100円×10回=1000円…総資金


Q. 的中率5割(10回中5回の的中)で、総資金1000円を100%以上回収するなら

A. 1000円÷5回=200円……的中時の平均オッズが2.0倍以上必要


ただ、確率的な単勝1点買いの的中率の限界リミットは5割のため――――――――――――――――――――――――
単勝1点(均等)買いでは
オッズの平均が2.0倍以下では、回収率100%の壁を超えられない
――――――――――――――――――――――――

確かに、このオッズ2.0倍はあくまで平均ですから、2.0倍以下の的中が含まれてもいいわけです。

ただし、このオッズ2.0倍は、「確率的な的中率の限界(5割)」が前提です。

つまり、「オッズ2.0倍以下を的中させる」という行為は、確率的には、
“そ・れ・な・り”にリスクを背負う”ことになります。


的中して得るのはリターンだけじゃない

また、同じ条件で、以下の成績だった場合
――――――――――――――――――――――――
【購入回数】 123 45678910
【的中結果】 ○ ○ ○ × × × ○ × × ○
 ※10レース中、5レース的中○
――――――――――――――――――――――――

Q. 仮に1回目の的中が"単勝配当150円"だった場合、
残り4回の的中でトータル回収率100%を超えるためには

A. 1000-150=850円
  850円÷4回=212.5円……以後、的中時の平均オッズが2.2倍以上必要

この場合、回収率100%超に必要な“平均オッズ”が、最初の2.0倍⇒2.2倍へと、条件が厳しく”なっています。

……

これ「馬券が当たったのに」です。


Q. さらに、次も"単勝配当130円を的中"と2連勝した場合、
残り3回の的中でトータル回収率100%を超えるには

A. 1000-(150+130)=720円
    720円÷3回=240円……以後、的中時の平均オッズが2.4倍以上必要

回収率100%超に必要な“平均オッズ”が、最初の2.0倍⇒2.2倍⇒2.4倍と、
さらに条件が厳しくなっています。

……

これ「2連勝したのに」です。


Q. さらにさらに、次も"単勝配当180円を的中"と3連勝した場合、
残り2回の的中でトータル回収率100%を超えるには

A. 1000-(150+130+180)=540円
    540円÷2回=270円……以後、的中時の平均オッズが2.7倍以上必要

「3連勝した」にもかかわらず、今後平均オッズが2.7倍以下では、トータルで回収率100%を超えられないわけです。


もちろん、10回中1回でも"オッズ10倍以上を的中"させれば、結果オーライ問題ないわけです。

ただし、重要なことは、

”馬券的中した”のに、回収率100%超のハードルが、"的中する前よりも"上がっている


そのため、そもそもが

「オッズ2.0倍以下をわざわざ買う必要があるのか?」

という疑問がわいてきます。

かといって、「オッズ2.0倍以下を買わなくなる」と、今度は、的中率自体が下がる可能性もある。

……


とにかく、長期的にトータル回収率100%超を考える場合には、目先の的中リターンだけでなく、この

「平均オッズを意識して馬券を買う」

これが重要です。

「単勝でオッズ2.0倍以下を的中させる」という行為は、短期的には良くとも、長期的には“そ・れ・な・り”にリスクを背負うと言えるわけです。


本当に重要なことなので、もう一度書きます。

競馬が控除率を差し引かれる(手数料が存在する)ギャンブルである以上、
――――――――――――――――――――――――
馬券を的中して得るのは"リターン"だけではない
馬券を的中して背負う"リスク"もある

――――――――――――――――――――――――
この基本的なことを、競馬ファンなど馬券を買う大半の人がわかっていないのではないのでしょうか。


例えば、あなたが

『自信があるから単勝1点勝負だぁーーーッ、エイッ!』

と、「オッズ2.0倍以下を買う」行為は、「単なる予想の自信や意気込みだけではどうにもならない"確率上の絶対領域"に足をふみ入れている」と言え、

当然ながら、その"領域"に足をふみ入れる以上、"目先のリターン"と同時に、"長期的なリスク"も背負うわけです。

そして、このうちの"リスクコントロール"は、あなたが日々競馬で切磋琢磨している"予想の理論"などではどうにもなりません。

だからこそ、

・均等買い以外、レースや買い目毎に資金配分を変える【ベットシステム】
・予想の的中率から平均オッズのバランスを考える【オッズマネジメント】

こうした自分なりの【確固たるルール】という武装が必要になってくるわけです。


絶対的な独自ルールを紹介


まとめると、Q. 単勝1点買いでは、

A. 確率上の「単勝1点買いの的中率」は5割が限界であるため、"オッズ2.0倍以下の馬券"は、的中しても「得るリターンと同時に、長期回収率が100%以下となるリスクも背負う」ため、数的な裏付けがある【確固たるルール】なくして、決して買ってはならない


ちなみに【私の個人的なルール】では

――――――――――――――――――――――――
単勝オッズ2.0倍以下は決して買わない 
※応援馬券は除く
――――――――――――――――――――――――


なぜなら

・単勝1番人気を特定の条件で絞りこみ"的中率を上げたり
・コロガシや資金配分などに工夫をこらしたり

こうした"オッズ2.0倍以下を的中"させても、長期的にプラスにもっていく
予想理論や資金配分の【確固たるルール】を作るよりも

そもそも、単に

・"オッズ2.0倍以下は買わない"

という【確固たるルール】をもつほうが、めんどくさくない^^

ちなみに、こうした単純な"平均オッズ"をさらに馬券の実践向けに応用させた【私独自のルール】を“オッズリミット”と命名し、以後公開しています。


以上、いくら「予想を当てよう、的中率を上げよう」などと、日々切磋琢磨し時間をかけても、

・長期回収率100%超を数的に保証する
・絶対的な一貫性のある的中率を保証する

そんな"予想理論"を確立するのは非常に難しい。

さらに、予想の的中率とオッズの関係から、

・期待値100%超となる買い目毎の資金配分

こうした"ベットシステム"となると、さらに数的に難解、片手間でできるものではない。

ならば一層、

的中率など気にせず、好きに予想し、思うまま買う
それでいて、ただ“絶対的な確率”を利用する


このほうが、時間や労力の無駄もなく、数的にも明確シンプルではないでしょうか。

「単勝2.0倍以下を買う」ための【確固たるルール】を模索するよりも、「単勝2.0倍以下を買わない」…それ自体を【ルール】とすることのほうが、一見、怠惰なようで、その実、圧倒的にシンプルである。故に、これほど“一貫性的に優れたルール”はない…と思っている。


皆「予想はプロ級、博打は素人」

以上、一先ずここで『馬券の買い方~基本編(2)』は終わりです。

今回は単勝1点買いを例に、色々と書いてきましたが、いかなる券種においても、この考えが基本になります。

ただし、今回の内容で最も意識してほしいことは

・単勝の的中率“5割”は不可能だ!
・オッズ“2.0倍以下”は買えない!

こうした"数字そのもの"ではありません。

それよりも

これまでの『馬券の買い方~基本編(1),(2)』を読んでいく上での、あなた自身の脳、その"思考プロセス”こそが重要なのです。

もう一度、前回も含め計算式など、じっくり眺めてみてください。


……

改めて見れば、小学生でもできる計算
あなたもきっと、こう感じるはずです


……『たいしたことねぇ(内容)』と^^;


では、その"たいしたことない内容を読んだ、今のあなたの思考"のままで、
もう少し、ここで"レースの考察"ならぬ“馬券の考察”をしてみましょう。

今までのあなたは……

・おっ、血統が○×△でこの馬激走だな
・騎手が勝負気配アリアリの乗り替わりだ
・前走のラップは評価できレベルが高いな
・関係者情報ゲット、この馬勝負気配あり

こうした"レース予想の考察"ばかりに時間をかけて、いざ馬券を買う場合

・単勝1.5倍か、この実力ならお得だな
・何となく荒れそうだから3連複だな
・より確実な馬連よりワイドを選ぶ
・賭け金以上の的中配当や資金配分

こうした"馬券の考察"で終わっていませんでしたか?

でも、この小学生レベルの計算、そんなたいしたことない『馬券の買い方~基本編』を読んだ今、

あなたには、この程度の"馬券の買い方(考察)"では

『回収率100%超えは無理だな!』

そんな確信めいた思いが芽生えているのではないでしょうか。

もしそうなら、競馬の予想ばかりにどーっぷり浸かっていたあなたの脳が、ようやく長い長い眠りから目覚めたと言えます。


では、具体的にどういった“馬券の考察”をすればいいのか?

ここでは、簡単に2つ例を挙げておきます。

例1)1レースに3頭を選び、単勝を買う場合
⇒馬券的中率が80%を達成!

これ、いくら的中率が80%でも、この場合、的中時の“平均オッズが3.75倍以下”では、どうやっても回収率100%超えはできません。

例2)複勝1点買いで的中率が約3割の場合
⇒的中した平均配当が3.4倍以上なのか?

私もよく複勝を買います。が、「複勝でオッズ3.4倍を的中させる」…これがどれほど難しいか!。本当に、平均オッズ3.4倍をキープした上でこの的中率3割をたたき出せるのか?


簡単な例ですが、こうして“馬券の考察”をしていくと

なんとなーーく知っていた控除率
なんとなーーく感じていた回収率100%の壁

それが、明確に感じてくるはずです。


以上、長期回収率100%の壁。これ、そんじょそこらの“近所の山肌”なんかではないです。

ズバリ、

回収率100%の壁…それはまさに
登頂困難な断崖絶壁“K2並み”である



最後に、今回のポイントをもう一度整理してみると

――――――――――――――――――――――――
・目先の単なるオッズではなく"平均オッズ"を意識しよう
・「オッズ2.0倍以下を買う」には確固たるルールが必須
・「オッズ2.0倍以下を買わない」という確固たるルールもある――――――――――――――――――――――――

ここまで読んできて、内容が難しく感じたり、具体的な数字がすぐ思い浮かばないかもしれません。それはある意味しょうがないことです。

なぜなら、これらは"博打の知識"だからです。


しかしながら、世の中に溢れている以下『競馬の情報』を、今一度見渡してみて下さい。

競馬の新聞、雑誌、必勝本。著名予想家、競馬ユーチューバー。競馬に関するツイッター、ブログ、メルマガ情報など

これらの多くは、「競馬で勝つため」と謳ってはいても、その実、「いかに的中させるか」と言う“予想の情報や知識”ばかり。

つまり、それらはあくまで「競馬で"短期的にだけ"勝つ」ことにフォーカスした情報に過ぎません。


今も昔も、人は、競馬ファンとなった瞬間から、こうした数多の"予想の知識や情報"に半ば強引にさらされます。

それは、まさに、"洗脳orプロパガンダ"と言っていいほど。

そうした環境下にある以上、あなたが今まで競馬で学んできたことの全て、「いかに的中させるか」と言う“予想の知識”なのは必然なのです。

言い換えれば、競馬で「いかに勝ち続けるか」と言った“博打(馬券の買い方)の知識”はゼロである、これも必然と言えます。


でも今は、

博打の勝ち負けのスタートラインにようやく立った
回収率100%の壁、その本当の姿もようやく見えてきた

……

後は、あなたが回収率100%の壁に挑むのかどうか?


以上、これまでの内容は"博打の知識"としては基本中の基本であり、まだまだ入口に過ぎません。

今後、券種選択、連敗期(ドローダウン)や破産確率からの資金配分、そして、競馬で勝ち続けるため必ず知っておくべき"期待値"など、より実践的な話を『応用編』として、書いていきたいと思います。

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