ラーメン

予想ファクターを増やすほど“回収率”が下がってしまう理由


今回は、みなさんが好きな"予想法"のお話を。

いきなりですが、一言で“予想ファクター”といっても

血統、データ、ラップ、馬体、展開、調教、パドック、騎手、調教師、馬主、関係者情報、サイン…

と、ざっと思い浮かぶだけでもたくさんあります。

それ以外、独自理論などは

Mの法則、戦犯ホース、日刊コンピ、Vライン、SP指数、馬体レーティング…

今では競馬新聞や雑誌メディア他、馬体以外の情報は一切見ない私の思い浮かぶモノなので、少々古いですが(苦笑

もう少し具体的に言えば

天候・馬場状態、コース形態、仮柵、グリーンベルト、脚質、枠順、ローテーション、走破タイム、持ち時計、上がり3ハロン持ち時計、番記者の印、オッズ異常投票…

もう挙げるときりがないのですが


とにかく、こうした予想の結論を導くための“要素ファクター”
実際、どの程度の数、みなさんは参考にしているのでしょうか?


今回は、この「“予想ファクター”を色々加味し、総合かつ多角的に予想すればするほど、回収率が下がってしまう」そんなお話です。


とあるラーメン店の話


まず、なかなか競馬で勝てない人の中には
――――――――――――――――――――――――
予想ファクターを増やせば増やすほど
⇒的中精度が上がる
――――――――――――――――――――――――
そう考えている人が多いように思います。

これは、「ある意味で正解であり、同時に大きな間違い」だと言えます。

どういうことか…


では、ちょっとした例え話を

いきなりですが、あなたは「個人でラーメン店をオープンさせよう」としています。メニューはラーメンのみ。味には、まずまずの自信があります。

晴れて開店。お客さんがやってきました。

最初まずまずの売上でした。が、そのうち、お客さんの入りが少なくなり、
次第に、赤字が続くようになりました。

そこであなたは考えました。
――――――――――――――――――――――――
『ラーメン以外のメニューを増やせば、増やした分
それを食べたいお客さんの数が増えるのではないか』

――――――――――――――――――――――――
…と

そして、いろいろと、メニューを増やすことにしました。
ラーメン以外に、カツ丼、天丼、カレー、オムライス、うどん…

……

……

……その結果
――――――――――――――――――――――――
1)他のメニュー作りのせいで、
⇒本来のラーメンの味が落ちてしまった。
2)増やしたメニューも今ひとつな味で、
⇒それを食べて、店を去る客もいた。
3)ラーメン店なのか、何でも屋なのか、
⇒店そのものの特徴がボヤけてしまった。
4)売り上げが落ちた原因が、
⇒どのメニューにあるのかわからなくなった。
5)たくさんのメニューがあり、
半端な腕前では、毎回同じ味を出すことが難しくなった。
6)メニューが増えた分、
手間と労働時間が増えてしまった。
------------------------------------------------
と、いったことが原因となって

ラーメンのみで営業していたときより
お客さんの数が、さらに減ってしまいました(涙

……


現実として、こうした話はどこにでも転がっていると思います。

この例え話ですが、単純に
――――――――――――――――――――――――
メニューを増やせば増やすほど
⇒"来るお客さんの数"より
⇒"来なくなるお客さんの数"のほうが多かった
――――――――――――――――――――――――

……

と、ラーメン店の話はこのくらいに
では競馬の話に戻りましょう。


とある予想法の話


なかなか競馬で勝てない人の中に
――――――――――――――――――――――――
考慮する予想ファクターを増やせば増やすほど
⇒的中精度が上がる
――――――――――――――――――――――――
そう考えている人が多いように思います。

これは、「ある意味で正解であり、同時に大きな間違い」と書きました。


もうおわかりでしょう。


ズバリ

考慮する予想ファクターを増やせば増やすほど――――――――――――――――――――――――
・増やしたファクターでの的中が増える
――――――――――――――――――――――――
といった“リターン”だけでなく

――――――――――――――――――――――――
1)メインの予想ファクターの的中精度が落ちる
2)増やした予想ファクターの不的中も背負う
3)予想スタンス自体がボヤけてくる
4)成績が低下した際、その原因が特定しにくい
5)予想が多角的視点のため、一貫性が保ちにくい
6)予想の労力や時間が増える
――――――――――――――――――――――――
というたくさんの“リスク”も同時に背負うことになるわけです。

しかしながら、これらの“リスク”について、かなりの競馬ファンの方々がしっかりと認識し、受け入れていないために

――――――――――――――――――――――――
考慮する予想ファクターを増やせば増やすほど
⇒的中精度が上がる
――――――――――――――――――――――――

と、安易に信じてしまうわけです。


実際、あなたも、日々予想したり、馬券を買ってハズしてしまった際に、「次のようなこと」を頻繁に感じたりしていませんか?

1)な~んだ、血統だけ見れば、
やっぱりキングカメハメハ産駒の1、2で簡単じゃねーか!

2)今まで通り予想してれば、当たっていたのに
直前のパドックで馬体重を見たばっかりに…(涙

3)うーーん、血統はいいけどラップがなぁ~
データ的にもイマイチだし、結論がなかなか出ない

4)最近さっぱり馬券が当たらないけど
血統、ラップ、データ……何が原因なんだかわからん

5)前回は騎手を重視して当たったから
今回も騎手重視かなぁ、でも馬体も気になるしなぁ

6)血統や過去データみて、調教やラップも調べて
その上、直前のパドックまで確認…って、正直しんどいたいへん(汗


もし、どれか一つでも該当するとしたら

残念ながら、現在のあなたの予想スタンスは
例えの”とあるラーメン店と同じ状態”であると言えます。


つまり、

――――――――――――――――――――――――
予想の的中精度を上げようと、メニューならぬ
予想ファクターを増やした総合的な予想スタンスが
完全に逆効果となっている…
――――――――――――――――――――――――

おそらくこのままでは

・的中精度を上げることも
・馬券で勝ち続けることも

夢のまた夢、絶望的に難しいと思います。


……


……


……といったことを書くと

『( 」`Д´)」……そ、そんなのウソだーーーーぁ!!?』
『(`・ω・´)b……フン、色々と多角的に考えることが常勝の近道だぜ!』


と、いう方が少なからずいるかと思います。


彼らのそう思いたくなる気持ち、わからなくもないです。

しかしながら、こうした心理に陥ってしまうと、競馬で勝ち続けることは、ますます遠のてしまうと言えます。

なぜなら、そこには”大きな落とし穴”があるからです。


予想ファクターを増やした先に、待ち受ける落とし穴


ここまでの話を読んでも、もしかしたら、あなたも、

『(。 ・ω・))ナルホド……まぁ一理ある。もっともだ!』


と、予想ファクターを増やす総合的な予想スタンスにある“リスク”を、なんとなく認識できたとしても


その思いに反し、

『(ヾノ・∀・`)……しかしなぁ、予想ファクターを増やし、色々考えたほうが、的中精度が上がって、馬券が当たりそうな気がするけどなぁ!!?』


そうした思いが、心のどこかにあるのではないかと思います。


つまり、

――――――――――――――――――――――――
考慮する予想ファクターを増やせば増やすほど
「リスクがある」こと自体理解できても、その反面
「リターン”が増えそうな思い」をぬぐい去れない
――――――――――――――――――――――――

こうした心理状態にあるのではないでしょうか。

ズバリ、この心理こそ、博打初心者や負け続けている人に共通してみられる「負の心理」と言えます。


つまり、この「リターンが増えそうな思い」を完全に拭い去らなければ、

――――――――――――――――――――――――
予想ファクターを増やせば増やすほど
⇒その分の“リスク”を背負わなくてはならない
――――――――――――――――――――――――

これを本当に受け入れることはできないでしょう。

ということで、博打初心者や負け続けている人
その誰もが抱いてしまいがちな"幻想"とも言える

『予想ファクターを増やせば増やすほど、リスクはあっても……
でもやっぱり、馬券が当たる(的中精度が上がる)のでは?』


と、考えてしまう、その心理的な原因を、ズバリ


……


……


……

また、次回以降の記事でお話できたらと思います(苦笑


次回予告~予想ファクターを増やすほど○○精度が上がる罠

予想ファクターを増やす(総合的に考える)ほどに、
上がるのは、"的中精度"でなく"○○精度"なのだ。

それ故、人は、さらに予想ファクターを増やしたり、
また、レース回顧に力を注いでしまう。

結局、いつまでたっても、上がるのは“○○精度”ばかりで
肝心の"的中精度"が上がらない。

ズバリ、この"○○精度"とは…?


追記


予想ファクターを増やし、多角的な視点で、総合的な予想考察をする
これが「全くダメだ」と言っているわけではありません。

ある程度、総合的に考える予想スタンスは、的中精度を上げるためには必要だと思います。

ただ、今の時点で競馬で負け続けている人が、今よりも「的中精度や回収率を上げる」……それを可能とする“総合的な予想スタンス”を築くには、「何となく、ただ闇雲に"予想ファクター"を増やす」だけではダメだということです。

つまり、常勝を可能とする"総合的な予想スタンス"の確立には、そのリターンやメリットに注目する以前に、それにともなうリスクや負の心理をしっかりを認識し、それを克服する術を確立する……それこそが、本当のスタートラインだと考えます。

先の例でも、個人経営のラーメンや飲食店が「何でもそろったバラエティ豊富な品ぞろえで繁盛店を目指す」ことは不可能ではないと思います。

とはいえ、資本力ある大企業の飲食店には、どうしても「品ぞろえでは見劣るのは致し方ない」でしょう。

だからこそ、個人経営のお店にしかできない「こだわりのメニューやサービスで勝負する」これこそが、大手チェーンのお店に対抗できる最善の方法ではないでしょうか。


といったように、一個人だからこそできるスタンス、これは競馬の予想においても同じではないでしょうか。

――――――――――――――――――――――――
何でも予想ファクターを増やし、総合的に考えるのは、
大手メディアや競馬新聞や雑誌などにお任せするとして、

一競馬ファンのあなたにしかできない
何か一つに特化した唯一無二の予想スタンス

これこそが、一個人の総合的な予想スタンスよりも
はるかに的中精度や回収率において、強みを発揮するのではないか
――――――――――――――――――――――――

と私は考えます。


以上、こうした考えがあり、毎週配信している馬体診断予想など

「馬体写真は見るが、パドックは一切見ない」
「馬体写真しか見ない、他の予想ファクターは一切無視」

という「馬体一刀流」というスタンスを築いた一因でもあります。

また、パドックや他の競馬情報を参考にしない理由は、他にも色々な意味がありますが、そのあたりは、またの機会に。

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