カスタマーサクセスのCSMの役割をフェーズ毎に分業化。背景、考慮点、1ヶ月経過時のメリデメまとめ
不動産会社向けのB2BのSaaSのCSを立ち上げて、3年が経ち、契約会社数は100社を超え、利用店舗数としては1000店舗以上となりました。
これまでは、一人のCSが、会社に専属という形で就いて、オンボーディングからリニューアル(更新)までを担当。しかし、さすがにそろそろ限界を感じてきたのと、メンバーも増えてきたことから、フェーズ毎に組織も分けて、分業化を行いました!
分業化する際に意識したポイント、1ヶ月ほど経った現時点でのメリットデメリットや課題について、詳しく書いていきたいと思います。
そもそも私はだれなのさ?
不動産会社向けのクラウドサービス(SaaS)を提供している会社、イタンジ株式会社という会社で、CS(カスタマーサポート/カスタマーサクセス)をやっています。基本的には導入後のお客様対応が主ですが、プリセールス的なことも行っています。
僕はノマドクラウドというサービスの担当で、ノマドクラウドは不動産会社向けの顧客管理&営業支援のシステムになります。
また、業務範囲は結構広く、色々やっています。
・オンボーディング
・導入後のフォロー(アダプション)
・問合せ対応(サポート)
・事例作成
・各種コンテンツ作成
・CS OPS 的なこと
これまではオンボから契約まで一人で担当。そして、ハイタッチ中心
僕の担当しているサービスでは、これまで、ハイタッチ中心で対応していました。ウェビナーやったりもしていますが、カスタマーサクセス的な活動のほとんどはハイタッチ中心。
オンボーディングからリニューアルまでの流れは下図のような感じです。
クライアントの大小問わず、基本的には上記フローのため、かなり手厚い方だと思っています。
ただ、過去の色々な経験から、一旦、かなり安全に倒そうと思って、上記に至っています。
私の担当しているサービスは、それなりに費用もかかるサービスで、かつ、売上げ貢献しなかったら、バシッと解約されてしまうサービス。そのため、導入して早々に成果を上げるように支援する必要があり、これだけ初期に集中的にサポートしています。
上記フローにしてから、明らかにチャーンは減ったし、何かあってもテコ入れができるようになりました。また、プロダクトへのフィードバックも増えたと思います。リリースして数年の若いプロダクトでは、社内やプロダクトにフィードバックすることが重要だと思っています。
100社を超えて、専属担当&ハイタッチはそろそろ限界に近くなる・・・
分業前のCSMは、ほぼ3人。またこの3人でサポートもやっていました。
しかし、有り難いことに契約社数が増えて、かつ、月の獲得者数もどんどん増えていき、そろそろこのままではちょっとまずいな。。という状況になってきました。
課題としては、ザックリこんなところでしょうか。
・全ての顧客で属人的になりすぎるには、会社として望ましくない
・オンボから更新までやっているため、辛くなってきた&非効率
・今後さらに顧客が増えたときにスケールしづらく、人数調整がしづらい
・多くのお客様に対して、質を落とさず、対応しないといけない
・メンバーで得意不得意がある中で、苦手なこともやらないといけない
そこで、フェーズ毎でCSMを分けて、分業化をすることにしました。
CSMをオンボチームとサクセスチームで分離
色々考えた結果、オンボーディングチーム(オンボチーム)とサクセスチームで分けました。それぞれの担当の役割は以下の通りです。
一人でオンボから更新まで対応していると、契約後のお客様対応で、導入準備が遅れてしまうことがありました。(そりゃそうですわな。。)
そのため、オンボーディングチームは、契約開始前の支援に集中できるようにしました。契約開始が早まれば、その分キャッシュインのタイミングも早まります。
また、オンボチームは、顧客毎でやることがほぼの同じため、効率化や改善もしやすいだろうという考えもあり、上記のように切っています。
サクセスチームについては、一旦それ以降担当という感じにしています。基本的な操作方法だけ覚えて、とりあえずサービスを使えるようになったお客様を支援し、アダプション、エクスパンションまでもっていきます。
顧客と伴走して、サクセスまで導く役割です。
(余談:リニューアル部分も近い将来分離の方向で動いてます。)
分業化する際に考慮したこと
各チームの役割を分けた際、当初、「オンボチームで基本操作を完全に覚えたのを確認してから、サクセスチームに渡そうかな?」と思っていました。
ただ、メンバーから、
・あまりに長い間オンボチームで持つことで、顧客と関係ができすぎてしまうので、逆に良くないのではないか?(あの人が良いな、前の人が良かった的なこと)
・利用しない顧客がどんどん溜まっていきそう
などの意見がありました。
なので、基本操作レクチャーを実施、設定完了後、使い始めたのを確認できたら、サクセスチームに渡すことにしました。
目指すは高度なサポート。手厚く、効率的な支援
分業化したタイミングで、効率化にも動いています。
基本操作/活用編レクチャーのウェビナー化や定期開催、その他、導入時にお客様に送るメール等など、細かいところでも効率化を図っています。繰り返し発生することはできるだけ省エネで。
ただ、あくまでお客様から見たときのサポートの質は落とさないように意識しています。
作業ベースで効率化を考えると、「ここは1つにまとめられそうだよね」とか思っても、実際にやってみたらお客様毎のITスキルなどの関係で、微調整や個社毎の対応は必要になるかなと思ったりしています。
このあたりはしばらくトライアル&エラーですね。
約1ヶ月経過!大きな問題無く分業できている理由
8月中旬あたりから、少しずつやり始めて、約1ヶ月が経ちました。今のところは、大きな問題無くワークしてそうに思えます。「レクチャーを定期開催や全体開催にすると、出席率ちょっと悪いね・・・」とかはありますw
んで、わりと問題無く進んでいる理由を考えてみました。
・オンボからリニューアルまでのフローが一旦隔離確立した後に分離した
・既存メンバーの全員が全行程を「経験」しているので、前行程/後工程のことを考えて、対応してくれている
・メンバーは、引き継ぎでお客様にご迷惑をかけないように色々考慮してくれている
このあたりが問題無く分離できた理由かな?と思ってます。
メンバーに感謝!
懸念事項の顧客との関係も問題なさそうです。
引き継ぎ内容の調整やレクチャー参加率の向上など、試行錯誤は必要ですが、今のところはイイ感じなので、このまま進めて行こうかなと思っています。
ミーティングについては、オンボチームとサクセスチームでそれぞれでミーティングをしていますが、もちろん、引き継ぎや情報共有も兼ねた全体でのミーティングも行っています。
分業すると他チームのことがどんどん見えなくなっていくので、ここは気を付けないといけないポイントかなと思っています。
最後に・・・
イタンジ株式会社では、CSを含め、様々な職種で仲間を探しています!!
上記には触れていませんが、プロフェッショナルサポートサービス(コンサルサービス)を始めたり、テックタッチ施策も色々やっています。
好きなことができる職場ですので、少しでも興味のある方は、ぜひ、一度声をかけてください!ご連絡は、wantedlyからでも、twitterのDMでもオーケーでっす!
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