見出し画像

黒木あるじ率いる大人気競作シリーズ最終巻!強力布陣でおくる『怪談四十九夜 合掌』詳細&まえがき

地獄へいざなう四十九の実話怪談!
大人気競作シリーズ最終巻!

内容・あらすじ

あの世とこの世を繋ぐ夜のごとき、不思議で怖い不気味な話49話を綴る人気シリーズがいよいよファイナル。
黒木あるじのもとに、ベテラン・福澤徹三岩井志麻子を迎えての強力布陣で送る。
・ドライブの途中に見つけた朽ちかけた祠の恐怖「紅葉ドライブ」(我妻俊樹
・魔物に連れ出されてたと口にする少女、やがて…「魔物の宝」
朱雀門出
・整体院に来る謎の女性患者の奇妙な振る舞い「美婆」(神薫)、
・向かいの家から漂う腐臭に最悪の事態を想像したが…「S家の不安」(黒史郎
—―他、百目鬼野干、冨士玉目、そして新鋭・蛙坂須美が参加。その先は極楽か――いえいえ地獄は続きます。

まえがき

 四十九日法要に準え、四十九話の怪談を集めた当シリーズ、いよいよ最後の夜を迎えるはこびとなりました。ぶじに完走を迎えた旨、名ばかり監修であるわたくしも安堵しております。なにより先ずは、読者諸兄姉に感謝の辞を述べたいと存じます。
 最終巻も熟達から新鋭まで、有終の美を飾るのにふさわしい面子が集結しました。執筆陣はいずれも折り紙つき、三つ星の書き手ばかり。一読、昏くて長い夜の奥底へ引き摺りこまれることをお約束いたします。

【鎮魂】【怖気】【出棺】【荼毘】【埋骨】【鬼気】【断末魔】【地獄蝶】【病蛍】。
 既刊では、葬いに関連する語句を副題に用いてまいりました。そして、最終夜となる本作は【合掌】。みなさんもご存知の〈両手を合わせて拝むしぐさ〉を、副題に冠してみました。合掌は、サンスクリット語の「アンジャリ」がその語源だといわれ、仏教では右手が仏さまの住む極楽浄土、左手が我々の暮らす現世をあらわすとされています。つまり、私たちが合掌するとき、掌のなかにはあの世とこの世の境界が生じているのです。怪談語りの幕を下ろす終夜に、なんとも相応しい題ではありませんか。

 嗚呼、そうでした。開幕の前に老婆心ながら忠告を。
 若し、本書を読みながら眠気に襲われても「続きは明日にしよう」と途中で頁を閉じないほうが宜しいかもしれません。
 左右に開いた頁をぱたんと閉じるさま──合掌する両手に似てはいませんか。
 拝むのは生者。拝まれるのは死者、あるいは人ならざるモノです。
 つまり、あなた自身が〈拝まれる立場〉にならぬよう、ひと晩での読了をお勧めした次第です。
 もっとも──一気に読み終えれば怪異が起こらぬ保証もないのですがね。
 さて、どうしますか。この先に踏みこむ勇気が、おありですか。

著者紹介

我妻俊樹 (あがつま・としき)

『実話怪談覚書 忌之刻』にて単著デビュー。「実話怪談覚書」「奇々耳草紙」「忌印恐怖譚」各シリーズなど。共著に「FKB饗宴」「てのひら怪談」「ふたり怪談」「怪談五色」「瞬殺怪談」各シリーズ、『猫怪談』など。

蛙坂須美 (あさか・すみ)

東京都墨田区生まれ。雑誌『代わりに読む人0創刊準備号』にエッセイ「後藤明生と幽霊──『雨月物語』『雨月物語紀行』を読む」を寄稿。ブログ「悲鳴窟」にて聞き集めた実話怪談を公開している。共著に『瞬殺怪談 鬼幽』『実話奇彩 怪談散華』など。

岩井志麻子 (いわい・しまこ)

二〇〇〇年『ぼっけえ、きょうてえ』で第一三回山本周五郎賞を受賞。『岡山女』『魔羅節』『チャイ・コイ』『でえれえ、やっちもねえ』『煉獄蝶々』など多数。実話怪談としては「現代百物語」シリーズ、徳光正行との共著「凶鳴怪談」シリーズなど多数。

黒木あるじ (くろき・あるじ)

二〇〇九年「ささやき」で第一回『幽』怪談実話コンテストブンまわし賞を受賞。「怪談実話」「無惨百物語」「黒木魔奇録」「怪談売買録」各シリーズほか。共著では「瞬殺怪談」「奥羽怪談」各シリーズ、『実録怪談 最恐事故物件』『未成仏百物語』など。

黒 史郎 (くろ・しろう)

二〇〇七年「夜は一緒に散歩しよ」で第一回『幽』怪談文学賞長編部門大賞を受賞。『黒異譚』「実話蒐録集」「異界怪談」各シリーズ、『黒怪談傑作選闇の舌』『ボギー 怪異考察士の憶測』ほか。共著に「百物語」「瞬殺怪談」各シリーズ、『未成仏百物語』など。

神 薫 (じん・かおる)

静岡県在住の現役の眼科医。『怪談女医 閉鎖病棟奇譚』で単著デビュー。ほか『怨念怪談 葬難』『骸拾い』『静岡怪談』など。共著に「瞬殺怪談」各シリーズ、『現代怪談 地獄めぐり 業火』など。女医風呂 物書き女医の日常 https://ameblo.jp/joyblog/

朱雀門 出 (すざくもん・いづる)

二〇〇九年「今昔奇怪録」で第一六回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。実話怪談では『第七脳釘怪談』をはじめとする「脳釘怪談」シリーズほか。共著に「怪談五色」シリーズ、『京都怪談 神隠し』など。

百目鬼 野干(どうめき・やかん)

「怪談四十九夜」には第一巻より、このシリーズのみ参加。地方にあるバーの店主でもあり地元ではライターとしても動いている。奇妙な人や出来事に出くわす率が高いのは今も相変わらずとのこと。

福澤徹三(ふくざわ・てつぞう)

二〇〇八年『すじぼり』で第一〇回大藪春彦賞を受賞。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はドラマ化、『侠飯』『Iターン』はドラマ化・コミカライズされた。実話怪談では『黒い百物語』『怖の
日常』『忌談』『S霊園』、怪談社の糸柳寿昭との共著「忌み地」シリーズなど。

冨士玉目(ふじ・たまめ)

人の怪談話を聞くのが好き――が高じてたびたび参加。怪談は書いているといろいろと寄ってくるのだなと実感している。普段は地道なサラリーマンとして生活している。

シリーズ好評既刊


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!