見出し画像

こんにちは。堀内猛志です。
前回のnoteでは『動くことで得られる3つの自信』という内容について書きました。

『ちょっとだけ動いてみる』『軽く継続してみる』ことが大事と伝えましたが、そのこと自体が結構難しいのではないかと思います。そこで、本題の前に、そのメカニズムについて理解していきたいと思います。


『続ける』ことも『諦める』ことも脳次第

前回のnoteにも書きましたが、脳には現状維持機能(ホメオスタシス)があり、自分にとって快適な環境(コンフォートゾーン)を望みます。今まで何も動いていないことを脳が快適な環境であると認識しているのであれば、ちょっとでも動くことは、普段の環境ではない=不快な環境、と脳は捉え、何とか快適な環境に戻そうとしてきます。これが、動くこと、継続することの大きな敵になります。

”勉強しようとすると眠くなる”
”面倒な仕事を後回しにしたくなる”
”長期的な目標に反応しづらい”

不快な環境を遠ざけようとする脳の反応

しかし、これらを逆手にとると以下のように置き換えることができます。

”近い目標に反応しやすい”
”楽しいという感情が生まれると、その行動を快適と認識する”
”その行動が日常的なものだと理解すると継続しようとする”

快適な環境に近づけようとする脳の反応

脳の専門的な話に入ってしまうと難しくなるので、そのメカニズムだけ簡潔に説明しますね。

海馬と大脳皮質の違い

はい、一目瞭然であり、何が言いたいかがすぐにわかりますね。
大脳皮質に任せれば、エネルギーは小さくて済むから楽だよね、そのためには、無意識レベルで定期的に行うことができればいいよね、ってことです。

しかし、何かを初めて行う時は意識的であり海馬を使います。使用エネルギー量が大きいので脳は疲れ「やめようぜ」って言ってきます。

では、海馬ではなく、大脳皮質を機能させるためにはどうすればいいのか?
そこで必要なのが『反復行動』です。
行動を軽くすることは『反復運動』に繋げやすくするということです。

3つの『Light』があなたの行動を軽くする

真面目な人ほど何かを始めるときには「しっかり」やってしまうと思います。しかし今回は『反復運動』に繋げることが目的なので、いかに頑張らずにできるかがポイントなのです。頑張らなくても続けられるって何かを始めるうえではすごく大事なんですよね。

①『Light Target』 軽い目標設定をして動く

目標設定をすること自体が重いのではないか?という声が聞こえてきそうですね。でも大丈夫です。重いのは積み上げた先にある結果目標であって、行動目標であればいくらでも軽くできます。
「●キロ痩せる」「1ヶ月で●冊の本を読む」「半年でTOEICスコアを●点にする」というような目標は高くて遠いです。前述したように、脳は遠い目標には反応しません。また、日々の成果が見えづらいので楽しいという感情がわいてきません。これだと続かないわけです。

よって、これらを日常の行動目標に変化させます。
『毎日10分だけ歩く』『毎日1ページだけ読む』『毎日英語動画を見て声に出す』こんな感じです。繰り返しになりますが、反復行動に繋げることをゴールとしているので、このレベルの目標で全く問題ないのです。

しかししかし、この行動目標すら面倒だと思う人もいるでしょう。ここで必要なのは『自分の日常習慣に組み込む』ということです。
人にはすでに習慣となっていることがあります。それが出勤をするという労働習慣や、スマホを眺めるという無意識行動や、トイレに行くという自然現象だったりします。これらの中に組み込みます。

うまく日常行動に組み込めない人は、自分の脳の時間的特性に合わせて組み込むことをやってみましょう。人には朝方、夜型と呼ばれる脳の時間特性があり、自分の脳が集中しやすい時は、行動を起こしやすくなっています。

朝も夜も忙しくてやっている暇がないという言い訳も聞こえてきそうですね。ならば日中の仕事中にやってみてください。上記の行動目標くらいなら、ちょっとした休憩で実施することは可能です。むしろ、疲れた仕事脳をリフレッシュした方が、その後の生産性は上がるのではないでしょうか。

ただし、一度決めた時間で継続するということは守ってください。日常的に無意識でできるようになるためには、いかに考えなくてもできるように設計するかが重要です。「3時になった」☞「休憩しよう」☞「スマホを開こう」☞「アプリを開こう」こんな感じで流れるような自然動作で実施できるようにデザインしてください。

②『Light Foot』 軽い足取りで動く

次に必要なのが『Light Foot』。とにかく身軽に動くことです。例えばジムに通うことを想定した際に、準備が大変、荷物が多い、目的地まで遠い、雨が降ってきた、、などの要因は、その都度判断が必要になります。そう、海馬が動くのでエネルギーを大量に必要とするのです。この大量のエネルギーの消費を脳は面倒であると感じ、止めよう=現状維持しよう、という命令を出してきます。

会議の決定もそうなのですが、決めることは一瞬です。しかし、大変なのはそれを実行すること。実行できるイメージがつかない計画は最初から未達成が決まっているのです。つまり、何かを決めるときは、その実行イメージや、運用ルールが実現可能性が高いかどうかをセットで考える必要があるのです。当たり前のことなのですが、計画倒れになる決定事項のほとんどは、ここがちゃんとデザインされていないことが多いです。

これが仕事であれば「できそうか、できなさそうか」を考えることが実現可能性を検討する観点になりますが、個人の目標のためとなると「やりたくなりそうか、やらなくなりそうか」という自分の中の弱さの観点から検討する必要があります。ここで大事なのは自分の取扱説明書を自分自身で理解しておくことです。自分の弱さについて言語化してきちんと整理できている人はまれです。みんな何となくしかわかっていないのです。だから最初のデザインが甘く、途中で頓挫する運用ルールになっていることに自分自身で気づいていないのです。

または、自分を過大評価し「自分ならできる」と酔っている場合もあります。こういうことが起きるのは夜のテンションのときです。この原因も実は脳にあります。夜になると理性をつかさどる前頭前皮質の働きが弱まり、本能をつかさどる大脳辺縁系の働きが相対的に強まります。そうなると、普段の冷静な状態の自分ではしない言動をしてしまったり、考えることができなくなったりします。

『自分の弱さを客観視し、脳が冷静な判断ができるタイミングで、いかに動きを軽くできるかという観点を持って、運用ルールをデザインする』これがLight Footのポイントです。ちなみに、自分の取扱説明書を作るためには、ネットに色々落ちている診断ツールはひとつの指標となるので試してみてください。私のおススメはストレングスファインダーです。ストレングスファインダーについては『自分の強みの活かし方』についての記事を書こうと思っていますので、そこで詳しく触れたいと思います。

③『Light Tie』 軽い繋がりを利用して動く

個人の意思の力だけでは挫折してしまう人もいますよね。まずは、その意思の弱さを自覚することは大事なので、自身を卑下しないでください。前述したように自身の取扱説明書を理解することは非常に重要です。その弱さを克服するために、周りの人の力をうまく利用することは非常に効果的です。

自動車が最初にエンジンをかけるところに一番エネルギーを使うように、人間も動き出すときが一番エネルギーを要します。その際に、誰かが押してくれたり、引いてくれたりするとスムーズに動き出すことができますよね。そういう人を周りにおいておくことがポイントです。

そのような友人がいない、という声が聞こえてきそうですね。そんなことはありません。絶対にいます。いるのにいない状態を自分で作っているだけなんです。大事なのは、数ある友人の中で自分を最初に想起してもらうことです。その存在になるために重要なのは、①一番仲良しになることか、②一番最近連絡をとっている人になること、です。もう、お分かりですね?そうです、②の人になればいいのです。

人の脳はGoogleのようにうまく検索機能が働いてくれません。なので、友人リストを考えるときに、全員を網羅的にリストアップすることはできないのです。だから記憶の力に頼ります。そうすると、最も記憶に残っている人から順番にリストアップされていきます。だから、あなたの友人にとって、あなたが①か②になっておくことが重要なのです。

①になるのは時間も労力もかかりますが、②になるのは簡単です。ここでようやく『Light Tie』の実践です。流れは以下の通りです。

  1. 友人や知人とは全員facebookで繋がっておく

  2. 毎日facebookで今日が誕生日の人にメッセージをする

  3. メッセージで近況を聞いたり、最近の出来事を聞く

これだけです。facebookじゃなくてもいいのですが、誕生日の人が自動で毎日表示されるものを利用してください。誕生日をメモる、誕生日を検索する、などの動きにはエネルギーを必要とするので続きません。「自動で表示される」という楽チンさが重要なのです。

あまり仲良くない知人レベルの人に誕生日メッセージを送るのは抵抗があるかもしれません。しかし、逆の立場で考えてください。「おめでとう!」と言われると誰からでも嬉しいものです。完全に知らない人だと怖いですが、知人レベルなら全然問題ありません。

また、メッセージで送ることも大事です。タイムラインに投稿することもできますが、他の方も見ている場面でプライベートをぐいぐい聞くと答える側は躊躇してしまいます。また、タイムライン投稿だと他のコメントの中で埋もれる可能性がありますが、メッセージは個別性が高いので、facebookを普段使っている人であればほぼ100%返信が返ってきます。

500人くらいのつながりがあれば、ほぼ毎日誰かが誕生日なはずです。毎日誰かしらに「おめでとう!」を伝えるあなた自身もハッピーな気持ちになります。その誕生日メッセージを起点にして何度かやり取りしておけば、相手の近況を聞けるし、自分の近況を伝えることができます。これで最近連絡とった人にリスト上で昇格するので、「あ、そういえばあの人に声をかけてみよう」という存在になることができます。

自分で動くよりも誰かに動かしてもらう方が絶対に楽チンですし、声をかけやすい友人がいるだけで、あなたの動きを継続することもしやすくなります。このために必要なのが『Light Tie』です。すべての友人と深く、長く、重く繋がるのはなかなか大変ですが、上記のように軽く繋がっておくだけで得られるものはたくさんあります。是非、実践してみてください。

反復運動の継続が『自信』を生む

自分で決めた目標やルールをちゃんと守れる、それだけで自分はちゃんとできる人間だと自分自身を信じることができるようになります。逆に、自分の決めた目標やルールを守れなくなると、自分で自分を信じられなくなります。小さくても守れる目標、できる運用ルールを作ること、それはあなた自身がポジティブな人間になる第一歩なのです。まずは上記を参考にしてLightに動いてみてください。

それでは今日も素敵な一日をお過ごし下さい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?