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四半世紀振りに彼女の表現に触れる。

早稲田大学に行ってきました。
朗読会を鑑賞するためです。
登壇者は小説家の安堂ホセさんと柳美里さん。
そして司会者はロバート・キャンベルさん。

安堂ホセさんのことは何も知らずに参加してしまいました。

そして柳美里さん。
大学時代から会社員をしていた頃、彼女の小説を随分読みました。
拠り所にもなっていたと思います。とても思い入れのある作家でした。

その後、写真を始めた頃からあまり小説を読まなくなり、柳美里さんの作品に触れることもありませんでした。色々と紆余曲折あって、彼女が福島で本屋さんをされているのは知っていました。

そして先日、偶然この朗読会のことをSNSで知り、申し込んでみました。
生の柳美里さんに触れてみたくなったのです。
その後、どんな人生を辿り、創作をされてきたのか。
その「声」を聴いて知りたかったのです。

柳美里さんの朗読は圧巻でした。
そもそも柳美里さんは小説家になる以前は劇団員でした。
まず発声の仕方から違います。朗読というよりは、朗読劇でした。

そして具体的にはわかりませんが、想念としてたくさんそして色濃く私の身体に彼女の来し方が伝わってきたような気がしました。
また、まだまだ多感な二十歳前後の時期に彼女の作品に触れ、揺り動かされ、救われ、その都度生き方を考え、方向付けて来たことに確かさを感じていました。

数ある小説のなか、彼女の作品に出会えて良かったと。
それを選ばざるを得ない人生だったかもしれないけど、ちゃんとその選択を間違わずに出来た若かりし自分の感性と切実さに拍手を贈りたい気持ちでした。

彼女の近作を読もうと思いました。
彼女の人生をまた自分の人生に取り込みたいと思いました。


安堂ホセさんの作品も書店で手にとってみようと思います。
若い作家さんですが、人を惹きつける魅力を感じました。
その作品を読み、彼の背景を知ることで、私の世界も広がると感じました。


そしてロバート・キャンベルさん。
あの物腰の柔らかさはどこから来るのでしょうか。
私もあんなふうに人々をリラックスさせ、穏やかな気持ちにさせることが出来たらと願うばかりです。
また日本語をあれだけ使いこなせることにも驚きです。
博学、博識、そして溢れ出る優しさ。また会いたくなる人でしょうね。

そういえば何年か前、表参道の交差点だったと記憶していますが、信号待ちの際、となりがロバート・キャンベルさんだったことがありました。そしてもう一方のとなりには俳優の忽那汐里さんが立っていました。とても豪華な信号待ちでした。


昨夜はとてもいい夜でした。
早稲田大学も2年ぶりに行きましたが、素敵な大学だと改めて感じました。
会場が解らなくて迷っている私を助けてくれた学生さんやOBの方も素敵でした。

高校時代の親友が早稲田大学に通っていましたが、彼がキャンパスライフを満喫できていたならば、それはとても羨ましい限りだと思いました。

そういえばあの大谷翔平選手の奥様も早稲田でしたね。
彼女は主に東伏見のキャンパスで過ごしていたと思いますが、私もフィルム現像でよく東伏見に通いました。小さな街ですが、ストイックにスポーツに打ち込むにはとてもいい環境だと思います。野球部のグランドもありますね。


高校の同級生も何人か早稲田大学に進学しましたが、その後に出会った早稲田大卒の方々は個性的な方が多い印象を受けます。私の親友もとても個性的でした。そんな多種多様な個性がこの国を牽引してきたのでしょう。


そういえば、そういえば、
坂口恭平さんも早稲田大学でしたね。




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