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リアル×ミライ:アルプス福祉会 村松さん・片桐さんと描く「ひとの想いを形にするデジタル」

こんにちは。地域共創ラボのプロデューサー の渋谷です(渋谷 健のプロフィールはこちらから。なお、今回から地域共創ラボのプロデューサーとしてます。)。リアル×ミライソシャティと展開するリアルな社会課題解決に向けたアクション。その一つとして今回は社会課題解決のために必要なアクションを多様な視点から考え、目指すべき未来像=ビジョンを一緒に描きます。

今回のゲストは障害者福祉施設などを運営している社会福祉法人 アルプス福祉会の村松さん・片桐さんのお二人をお招きして、「ひとの想いを形にするデジタル」をテーマに対話し、地域社会に必要な福祉の形と就労支援のあり方を考えました。ここではそこから見えてきた気づきを整理していきます。

村松さんと片桐さんのご紹介

村松さんと片桐さんはアルプス福祉会で障がい者福祉に関わってきています。アルプス福祉会は1987年に松本で共同作業所としてスタート。障がいを持った方たちが社会の一員として関われるために、現在も福祉作業所の運営や生活支援事業、相談事業など障害者支援の活動を展開されています。

社会を豊かにする”つなぐ力”

社会には誰にとっても安心・安全であり、そのうえで笑顔が作られれていくことが求められます。もちろんそれは障がいの有無は関係ありません。多様な人が繋がり、豊かさ・幸せをともに作っていくことが必要になります。つまりつながりをつくる、”つなぐ力”が社会には不可欠なのです。このあたりについてはイーラーニング形式で解説しています。

必要なはずなのに起きている”負のスパイラル”

福祉は社会のつながりをつくる重要な機能です。少数派(マイノリティ)となってしまいがちな方々(たとえば障がいをもっているなど)が社会に参画し、その一因として活躍する重要な役割を果たしているからです。しかしながら現実的には現場の担い手が不足しています。支援する側も受ける側も余裕がなくなり、つながりの機会が減り、収益性なども下がることから関われる人も減って担い手がさらに減少する、負のサイクルが起きています。この事象は保育・教育など生活に不可欠なエッセンシャル・サービスでも起きている問題かもしれません。社会としてこの負のサイクルを断ち切る必要があります。


創り出すべきは”フェアワーク”

福祉環境があることによって多様な才能を社会で活かせる可能性が広がります。障がいという括りに囚われずにその人の才能を見ることができたのなら、例えばアーティストとしてデザイナーとして働ける可能性が増えます。また障がいをもった人をケアする家族の負担を減らすことで活躍の機会を創り出すこともできます。とくにデジタルはその可能性を高めます。多様な一人一人の想いをつなぎ、価値を共創するために公平に機会が提供される”フェアワーク”な世界観。デジタルが福祉と絡み合うことで実現すべき未来の一つです。

必要となる現場の生産性と戦略性=デジタル化とDX

一方できれいごとでは現場は回りません。あるべきを実現するには、その姿を考える余力が必要です。その余力を創り出すためには生産性の向上が必要です。現場の業務を整理し、コミュニケーションを最適化してムリ・ムダ・ムラを無くしていく。デジタル化(IT活用)の基本的な部分が効いてくるところです。そのうえでより戦略的な視点で経営をまわすことが求められます。補助金などの与えられた制度・仕組みに頼るではなく(もちろん活用することは重要です)、より発展的・創造的にチャレンジすること、つまりDXが求められていきます。これは福祉に限らない問題意識と言えるでしょう。

”福祉”を前提に社会をデザインする

福祉は多くの人にとって当事者としての問題です。ただし、気づいていないことが多いのです。例えば誰しもが明日障がい者になる可能性であったり、家族の介護をしなければならない状態に将来なる可能性は十分にあるのです。そして経営という視点に立つと、従業員一人一人に起き得る問題であり、事業活動を考えれば健康経営の延長で考えるべき要素です。フェアワークの実現、そのためのデジタル化とDXの推進。このあたりはぜひ今後も地域共創ラボとしても中心的なテーマとしておいて、その実現にチャレンジしていきたいと思います。


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