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司法書士の新人研修

司法書士試験に合格された皆さん、おめでとうございます👏
「合格して嬉しいけど、この後はどうすればいいんだっけ?」と冷静になられたタイミングで、この記事を読んでいただければ幸いです。
この記事では、合格後に予定されている新人研修についてご紹介させていただきます。

司法書士として働くためには新人研修を受講する必要があります。
「すぐに司法書士事務所で働きたい!」と思われる方もいらっしゃるでしょう。そういった方は、新人研修と並行して就職活動のスタートです!
司法書士の就職活動については、是非こちらの記事をご参照ください。


研修の申し込み

まずは研修を申し込むことからスタートです。
申し込み手続きの詳細は日司連のHPで確認することができます。
中央研修とブロック研修について申し込めばOKで、司法書士会の研修はこの段階では申し込むことはできません。

そもそもなぜ研修を受けなければならないのでしょうか?
「試験に合格しているのだから、研修は別に受けなくてもいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、どの司法書士会も、司法書士登録をするための条件として新人研修の受講を求められますので、事実上、新人研修の受講は義務化されています。
新人研修は、司法書士試験の合格発表の後に開催されるような日程になっていますので、ほとんどの合格者の方は、合格発表の流れで新人研修を申し込み、実際に受講されています。
諸事情で合格した直後の新人研修を受講できない方は、翌年以降の新人研修を受けることになると思いますが、翌年の研修を待たずして司法書士登録をしたい、という方は、「必ず次の新人研修を受けます」という誓約書を提出すれば、登録を受け付けてもらえることが多いようです。

中央研修

最近は集合形式ではなく、ネット配信の講義を聞いて、レポートを提出する形式で実施されています。
※以前は東日本と西日本に分かれて、1か所に全員が集まって研修がされていました。
講義内容は、司法書士実務に関するものの他、司法書士の歴史や、司法書士倫理なども多く含まれています。

ブロック研修

スケジュール

近畿ブロックでは、毎年12月中旬~1月下旬まで開催されることが通例です。
週末を中心に、週に2~3日程度の頻度です。平日に開催される日もありますが、土日に割合が多くなっています。いずれの日も10:00頃~18:00頃まで、終日研修が行われます。
既に事務所に就職されている方は、平日は仕事、土日は研修というハードな期間になりがちで、日を追うごとに疲れた顔をする人が増えてくると思います😓
さらに、長い受験生活の間、楽しく飲みに行く機会もなかったせいか、毎晩のように飲み会が開かれていて、研修が終わってから元気になる方も1割くらいいます🍺

講義内容

司法書士が実務で携わる業務について、広く情報提供がなされます。
講義形式のものが多いですが、模擬決済立会や模擬裁判など、ロールプレイング的な講義もあります。
講師は司法書士だけではなく、弁護士、税理士、裁判所職員と様々です。
なんと、令和4年度の近畿ブロック研修では、私も講師をさせていただくことになりました😲
実務で役に立つ内容を、お疲れの皆さんが眠たくならないようにお伝えしたいと思います!

司法書士会の研修

実際に登録をしようとする都道府県に設置されている司法書士会が主催する研修会があります。
近畿では、大阪など人数の多い司法書士会では、数日間の研修が実施されていますが、私のいる滋賀県など人数の少ない司法書士会では、1日だけ実施されています。
内容は、やはり実務的なものもあるのですが、実際には、司法書士会の組織の紹介や、地元の先輩司法書士と顔なじみになってもらうことも目的になっているように思います。
また、配属研修といって、既に開業されている司法書士事務所で実際に働く研修もあります。
配属研修は全員受講するのではなく、希望者のみとなっています。

研修を通して何を得るか

周辺知識や業務の流れ

これまで勉強してこられた司法書士試験の内容は、実務に直結する非常に重要なものです。
しかし、試験知識だけで実務ができるかというと、やはり厳しい部分があると思います。
周辺知識や業務の流れがを理解する必要があるのですが、これを補ってくれるのが新人研修になります。
研修を受けるだけで全てを理解することは難しいと思いますが、実務に就いて問題に直面したとき、研修で学んだことが何かを調べたり、解決策を導くためのきっかけになると思います。

同期の仲間

新人研修で最も大切なのは、同期の司法書士とのつながりを作ることだと思います!
※もちろん講義内容を理解することも大切です!
働き始めると、解決策がわからない問題・未経験の案件に必ず直面します。そのとき、勤務先の事務所の先輩や所長に相談することが一般的ですが、中には聞きづらい雰囲気であったり、そもそも先輩や所長もわからないから「調べておいて」といわれた案件もあるでしょう。
こういった問題・案件は、大抵ネットで検索しても答えがありません💦
そこで重宝するのが同期の司法書士です!
同期数人に連絡をすれば、だいたい答えを教えてもらえますし、そうでなくても解決の糸口が見つかります👏
「さすが専門家!」といつも言いたくなります 笑
先例や判例の検索も便利になりましたが、まだまだ「詳しい人に聞く」というアナログな方法も大切です。

同期の司法書士は、勤務が辛くなったときには、飲みながら愚痴を聞いてくれます。そして、だいたい共感してくれます😂
新しい業務にチャレンジしたり、独立したりするときには応援してくれます✨
新人研修を通して、是非、同期の方といい人間関係を築いてください。


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