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東南アジア、ラオスの小学校の教育事情

昨年から本格的にボランティアで、ラオスの小学校の建設や教育支援のついて本格的に取り組んで、活動をスタートしたところでした。

本来なら3月、4月あたりにまたラオスに行って小学校の竣工式などの式典も予定していたのですが・・・。

今年始まったコロナのパンデミック騒ぎのせいで、今のところ東南アジアのどの国もほぼ外国人の受け入れはかなり制限されているので、年内に行くのは厳しいようです。

日本ではあまり知られていないラオスという国と教育事情について、いくつか書いてみようと思います。

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東南アジアの僻村、山岳少数民族、農村エリアでは今も政府の予算が届かずにインフラ整備や学校の建設、教育に手付かずのままの地域が多くあります。

最貧国のひとつラオスはタイ、ベトナム、中国、ミャンマー、カンボジアの五つの国に囲まれていて海に面していない国で、本州ほどの面積に700万人の人口です。

国土の70%以上が山岳地帯や高地で、モン族、アカ族、カレン族など、少数民族が多くそれぞれ独自の文化や言葉を持っています。


現在、ラオスには50の民族が登録されていますが、実際細かな民族を入れると100以上だとも言われていて、山奥の電気も水道も通っていない戸籍や住所がない村もあります。

元々、村や集落単位で森や山岳などで、伝統を守り自給自足の暮らしをしてきたので、彼らにとっては国籍や戸籍とは全く無縁の生活をしていました。


近年はラオスに限らず、東南アジアではダムの建設も盛んで、村ごと水没してしまう場所もあり、国が管理しやすいように比較的道路が完備された場所に、村ごと移動させられているケースも少なくありません。


多くの山岳民族は特に職業を持たず、自給自足のような生活をしているため、商売をしたことがなかった人々が路上で農作物やハンドメイドの伝統工芸品を販売して、わずかな収入を得ています。

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現在はアフリカや南米など世界どこでも同じですが、国と国との境界線や、公用語、標準語が決められていて、国ごとの学校制度で義務教育を受けるように指導されています。


日本では小学校や中学校は義務教育なので、何も考えずにある程度の教育を受けることができるので恵まれていますよね。

世界的に見ても日本のように100%の子どもが義務教育を受けられている国はまだまだ少ないようです。


政府としては国としての教育レベルの底上げのために、僻村にも学校を建設して子供たちに学校に通わせ、少なくともラオ語(ラオス語を標準語としているため)の文字の読み書きや算数を習得して欲しいと考えています。

教育のレベルが上がらないと国の産業も発達しにくいので、経済の発展のためにも教育の底上げは必要なことです。

国土が海に面していないため産業が発達しにくく、他国との貿易も周りの5カ国以外とは直接貿易が難しいので、どうしても農業中心になってしまい。

ただ、ラオスは国自体にお金がないので、学校を建設する予算やそこで教える先生の数が足りないのも事実です。

自給自足のような生活を送っている民族は、読み書きができない大人がほとんどで、近くに学校がなかったり、親の仕事の手伝いや弟妹の世話などで学校に通って勉強したくても行けない子どもたちも多いです。

ハード面もソフト面もどちらもまだまだハードルが高く、小学校だけでも何百という数が不足しています。

政府や市から予算が降りない(後回しにされる)ために村人が助け合って木や竹、葉っぱやワラの屋根で手造りの校舎も多く見られます。

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なので、大雨や嵐で学校が休みになったり、とたん屋根に雨の音で先生の声が聞こえなかったり、トイレがないため用を足すのに家に帰るか、近所の友人の家にトイレを借りに行くという環境の学校もあります。


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雨季になると台風や嵐で屋根が吹き飛んだり、水浸しになって勉強どころじゃない校舎も多いようです。


このような村や学校の校舎自体がなく、隣の村まで1,2時間歩いて通うような村からも、新校舎建設の依頼や校舎改修の要請がたくさんありますが、政府や自治体から手が届かなく後回しになっている場所も多いです。

少しでも早く改善出来るように、そして整った環境で勉強させてあげたいと思い20~30年前からボランティアを続けている方々と活動を続けています。

今はラオスに入国できないので、現地のスタッフに進歩状況や調査の様子を聞いていますが、1日も早く現地に行きたいので、この世界的なコロナ騒ぎが早く収束することを祈っています。

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どんな環境でも子どもたちの無邪気で純粋な笑顔には癒されます。


今回は今までのコラムとは少し違いますが、これからもこの活動についてやラオスについても少し触れていこうと思います。


それでは!

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