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修学旅行こそ鉄道の出番?

先日、修学旅行のバスがピンチ!という記事が発信されました。
2024年問題と言われる、ドライバーの残業時間規制の影響もあり、貸切バスに関しても手配が非常に難しい状態となっているようです。
バス会社によっては、一般バス路線や高速バス路線の減便で、貸切バスのドライバーを確保する…という状況にもなっている模様。
記事のように、手配ができません!なんてことも発生しているとのことです。

https://www.sankei.com/article/20240522-VXAH6FBNTJO3ZPTPOSQYYCS4J4/

国鉄時代は、修学旅行臨時列車という言葉もあったように、各方面への臨時列車が運転されてきました。しかし、高速道路の発達もあってか、いつしか修学旅行はバスで行く学校が増えてきたのかと思います。
また国鉄の分割民営化もあり、各社を跨いでの臨時列車の設定が困難になってきたという事情もあるのでしょう。
僕自身も修学旅行で鉄道に乗ったのは、中学生の時の東海道新幹線及び、房総特急・さざなみ号に乗車したぐらいでした。

いうまでもなく修学旅行は大勢の学生が一気に動きます。
学校の規模によりますが通常150人以上、多い時には300人を超える人数となるでしょう。
仮に200人と仮定して、それを貸切バスで移動させるとなると、4~5台は必要となる計算です。
ドライバーもそれに応じて5人。

鉄道の場合は臨時列車を仕立てる場合でも運転士と車掌が1人ずつ。ただし実際には200人程度であれば、定期列車に3両ほど増結すれば対応できます。(1両あたり定員60人として、溢れる分は一般車両に)その場合は増結に伴って人員が増える場合もありますが、基本的には車両の手配さえすれば対応できます。

鉄道は本来、大量輸送を得意とするところ。
実際、以前の修学旅行列車は、片側を3人掛けとするなど、最大限に着席定員を増やす工夫がされ、力を発揮していたようです。

しかし、現在はそのような用途特化型の車両は潰えてしまいました。
これはおそらく分割民営化の弊害かなと思います。
学生団体料金は確かに安いですし、鉄道会社としても、利益があまり出ないところに専用車両を用意しようという発想にはならないでしょう。

また、修学旅行列車はなるべく乗り換えをしない。ということが重要だと思います。というのも、大勢の団体となると、乗り換えに関してはかなりの神経を使いますし、接続時間もなるべく長い時間を確保しようとします。
(これはバス→列車の乗り換えも同じ)
これは、時間の縛りが少ないバスにはないデメリットです。
そう考えると、昔の修学旅行専用列車であれば、目的地へと直行してくれたでしょうし、利便性は高かったのでしょう。

しかし、バスドライバーの不足が露呈したいまこそ、もう一度鉄道利用の修学旅行団体のシステムを再構築する時期ではないでしょうか?
理想を言うと、ローカル線にも直通するパッケージを提案し、山村交流型の修学旅行と組み合わせて、鉄道を利用してもらうシステムを作り上げるのです。
現在、存続が危ぶまれているローカル線であっても、こういった利用方法もある!と提案することにより、沿線自治体にもメリットがありますし、鉄道側も遊休資産の活用となります。

こういったシステム、鉄道会社側が作る…というよりも、文部科学省主導で修学旅行列車を請け負う機関を設立。場合によっては必要な車両を自前で製作し、運行はJRに委託するという方式もアリでしょう。

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