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郷愁の山里  河合集落の四季

 以前、ある人の記事に(多分?)私への名指しではありませんが、「自分のことを熱く語る、多くを語らなくても分かる人には分かるのに。あなたの話には偽話もあるでしょう」みたいなことが書かれていました。
 私の場合、さすがに作り話は歴史ロマン(個人的妄想)を除いてはありません。しかし、記事を書いていても撮影している時と同じく熱くなる性分は否定できません。その人のその記事を読んでわが身を反省しました。 
 と言いながら相変わらず凝りもせず独りよがりな記事をいつも書いています。
 今回もまたのっけから私事で恐縮です。
 定年退職後、事情があって1年半、東京の三鷹市に滞在していました。アパート暮らしでしたが、生活そのものは不自由なく、快適でした。三鷹はとても住みやすい街です。思い出の街です。
 でも私個人としては、精神的に非常に苦しい時期でもありました。老後は自分の思うとおりに生きようと、現役の頃は考えていたのですが現実は厳しかったです。
 心が落ち込みそうになると、三鷹市内だけでなく、よく井の頭公園や新宿御苑、昭和記念公園、神代植物公園などへも散策に出かけたものです。

 とにかく都会はいいところです。ただし、「お金があれば」の話ですが。田舎の若者が都会に憧れる気持ちは分かるような気がします。
 しかし、田舎育ちの私にはやはり最終的には田舎です。「住めば都」とはよく言ったものです。自分が住んでいるところがやはり一番だと思います。そして都会であれ、田舎であれ、自分が生まれ育ったところは、現在そこに住んでいない人にとっても「我が心の拠りどころ」ではないでしょうか。
 
 私は台湾で生まれました。戦後まもなく引き揚げてきて、田んぼの地平線に太陽が沈む農村地帯で育ちました。貧しい子ども時代でしたが、楽しい我が家でした。
 成人してからは、地平線ではなく海原の水平線に沈む夕日を見ながらの生活に変わりました。とにかくずっと田舎暮らしの人生で満足しています。

 そんな年老いた男が、数年前から太陽が山の端に沈む山里の風景に魅かれて撮影に取り組んでいます。
 石川県との県境、標高500m~800mに位置する福井県勝山市北谷町です。日本の原風景が残る山里です。限界集落7つからなる小さな町で、人口は約40世帯、70人足らずです。
 山腹を走る国道157号線をドライブ中の人が眼下に広がるその風景を目にして、急遽立ち寄ってカメラに収めている姿を時々見かけます。

 今回はこの国道157号線沿いの北谷町コミュニティセンター(道の駅)の真後ろの眼下に位置する河合こうごう集落の四季を紹介させていただきます。この集落は2015年時点で11世帯あったそうですが、現在は空き家・廃屋が多くさらに戸数が少なくなっているようです。
 無料記事の部分(春夏の画像32枚、簡単なキャプションと撮影データ付き)だけで結構です。観光地でなく無名の山里ですがご覧いただけるとうれしいです。(全体では合計66枚の画像を入れてありますのでデータが重くてご迷惑をかけるかもしれません。お許しください。)

(1)山里の春 (15枚)


いきなり廃屋ばかりです。
2020年3月09日 09時52分
絞り優先f16  -1.3補正  iso200  
フジX-T1  XF18-135ミリ  手持ち撮影

現在、住民がお住いの玄関先です。
2020年3月13日 9時10分
絞り優先f11  -2補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ 手持ち撮影

梅香る早春です。
右後ろに愛用の赤い帽子をかぶった区長さんが作業小屋の前で仕事中でした。
2020年3月13日 9時02分
絞り優先f16  -2補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ

➂と同じ地点から名残り雪を撮影しました。
2020年3月16日 10時54分
絞り優先f11  ±0補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ

区長さんのお宅です。建物の一部は明治期の建築だそうです。
2020年4月14日  10時24分
絞り優先f16  -1補正  iso400  焦点距離60ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L

河合の桜は満開をやや過ぎていて、
区長さんから見ごろを過ぎている、来るのが遅い!と言われてしまいました。
20202年4月15日  8時59分
絞り優先f16  -2補正  iso100  焦点距離35ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L

結構見応えのある桜ですが、休耕田の奥にあるので目立たず見学者は誰も来ません。
2020年4月15日 9時47分
絞り優先f16  -1.3補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS5DⅢ  EF100F2.8Lマクロ

2020年4月15日 8時30分
絞り優先f11  -1.3補正  iso100  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ  手持ち撮影

見頃を過ぎていても、これから咲くツボミもまだ結構ありました。
2020年4月15日 9時26分
絞り優先f2.8  ±0補正  iso50  手持ち撮影
EOS5DⅢ  EF100F2.8Lマクロ  

2020年4月15日 9時20分
絞り優先f3.5  -1.3補正  iso50  焦点距離100ミリ
EOS5DⅢ  EF100F2.8Lマクロ

2020年4月15日 8時46分
絞り優先f2.8  -1.7補正  iso100  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ

2020年4月15日 8時47分
絞り優先f2.8  -1.7補正  iso100  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ

2020年4月15日 10時11分
絞り優先f11  -2補正  iso100  焦点距離24ミリ
EOS6DⅡ  EF24-105F4L

早苗田を入れて撮りました。背後の家屋は空き家です。
2020年5月12日 10時12分
絞り優先f5.6  -1補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS5DⅢ  EF100F2.8Lマクロ  手持ち撮影

2020年5月12日 10時11分
絞り優先f11  -1補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS5DⅢ  EF100F2.8Lマクロ  手持ち撮影

(2)山里の夏 (17枚)

➀ 小さな「いのち」の世界に出会いました


廃屋の敷地内の畑跡にたくましく咲いている日葵が背比べをしていました。
2020年8月04日 10時33分
絞り優先f16  ±0補正  iso200   焦点距離24ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

よく見ると花には小さな「いのち」がもう一つ、いやもう一匹いました。
2020年8月04日 10時00分
絞り優先f5.6  -2補正  iso200  焦点距離105ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

 いやいや、さらによく見たらもっと小さな「いのち」もぶら下がっているではありませんか!
 こうなると北野流では花の撮影ではなく、「いのち」の撮影になります。ヒマワリとキリギリス(?)とクモの三つの「いのち」へエールを送りながら撮りました。(三つの主役すべてにピントを合わせるのは難しい ~!)


キリギリス(?)が葉っぱの上へ移動しクモを狙います。
2020年8月04日 10時06分
絞り優先f11  -2補正  iso200  焦点距離105ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影



⑱とは反対側から撮りました。
クモが下方へ移動して、上下逆位置になりました。
2020年8月04日  10時10分
絞り優先f11  +0.5補正  iso200  焦点距離105ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

 弱肉強食の世界です。キリギリスはクモを狙っているのか、それをヒマワリが説得しているのか、私までもが緊張しながら、「二人とも仲良くしてよ~」と語りかけます。


2020年8月04日 10時12分
絞り優先f11  +0.5補正  iso200  焦点距離105ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

2020年8月04日 10時16分
絞り優先f11  +0.5補正  iso200  焦点距離105ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

 結局、キリギリスは再び何事もないようにヒマワリの花へと移動して行きました。自然界には万物の「いのち」が一生懸命生きています。

② 限界集落内をそぞろ歩きました  


奥に見える煙り出しのあるお宅は区長さんの家です。
どっしりとした古民家です。(春の項目でも紹介しました。)
2020年8月04日 10時35分
絞り優先f16  -1.3補正  iso200  焦点距離70ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

 次の3枚は空き家を撮りました。


壁面の板張りは2階左が降雪時の玄関、残りの3つは窓です。
2020年6月29日 10時12分
絞り優先f11  ±0補正  iso200
フジX-T1  XF18-135ミリ  手持ち撮影

2020年8月04日 10時39分
絞り優先f16  -1.3補正  iso200  焦点距離24ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

2020年8月04日 10時40分
絞り優先f11  -1.3補正  iso200  焦点距離47ミリ
EOS5DⅢ  EF24-105F4L  手持ち撮影

➂ 集落内で暑さに負けずに咲いていました


2020年7月03日 9時21分
絞り優先f11  -0.3補正  iso400  焦点距離67ミリ
EOS6DⅡ  EF24-105F4L  手持ち撮影

2020年6月29日 10時36分
絞り優先f8  -0.7補正  iso200
フジX-T1  XF18-135ミリ  手持ち撮影

2020年6月29日 10時25分
絞り優先f11  -2補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ  手持ち撮影

2020年6月29日 10時25分
絞り優先f11  -2補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ  手持ち撮影

2020年6月29日 10時45分
絞り優先f2.8  -0.7補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ  手持ち撮影

2020年7月3日 9時23分
絞り優先f16  -0.3補正  iso200  焦点距離105ミリ
EOS6DⅡ  EF24-105F4L

2020年6月29日 10時47分
絞り優先f16  -1.7補正  iso200  焦点距離100ミリ
EOS6DⅡ  EF100F2.8Lマクロ  手持ち撮影

 廃屋・空き家の敷地内に立ち入る場合も、その旨を区長さんから事前にご了解をいただいたうえで撮影しています。
 以上32枚拙作ばかりでしたが、山里の春・夏の様子をご覧いただきありがとうございました。

(3)山里の秋 (12枚)

 秋の風景というと一般的にはどの地域でもそうですが、まず紅葉が目に浮かんできます。しかし、河合集落の撮影データを調べるのですが、残念ながら紅葉の画像はありませんでした。
 紅葉のない秋の風景となりますが、ご了承願います。

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