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一乗谷庭園写真展 〖諏訪館跡庭園〗

 国の特別名勝、一乗谷庭園写真展シリーズの3回目です。
 今回は上下二段構成の庭からなる諏訪館跡庭園です。城主義景の側室、小少将こしょうしょうの館(諏訪館)にある庭園です。
 今回も前回の「湯殿跡庭園」と同じく、思い入れが強い庭園のため、非力ながらも渾身の気力で書き上げました。50枚の画像もさることながら文才に欠けているため、6000字を超える記事には辟易されると危惧しています。今回も有料記事で恐縮ですが投稿させていただきました。

 諏訪館跡庭園は朝倉氏庭園の中でも最大規模の、豪壮華麗な庭園であり、これは「館の主である側室(小少将)に対する寵愛の表れである」と一般的には言われている。
 しかし、果たしてそうであろうか。現場百ぺん主義の私には、下段の庭には女性邸宅の庭らしい雰囲気は感じられない。この下段の庭には義景好みは表れていない。乱暴に言えば、作庭家(庭師)任せだったのではないかとさえ直感的に思う。
 義景は下段の庭でなく、上段の庭や後に紹介する中の御殿跡の風流な情緒に魅かれていたというのが、現場に通い詰める私の直感的な妄想の結論である。

【第2回北野武男個展「夢幻無常」(平成26年、福井新聞社ギャラリー)キャプションより】

 冒頭から私の結論の一部を記しました。
 でも、この庭園には非常に魅かれる朝倉の歴史ロマンがあります。その魅力を探ることが今回記事の内容です。

 余談ですが、朝倉氏遺跡で写真愛好家の皆さんに人気の撮影スポットは2か所あります。「春の唐門の桜」と「秋の諏訪館跡庭園の山モミジ」です。桜の満開と山モミジの黄葉の時期は毎日、カメラマンで賑わいます。

 ということで、まずは定番のアングルで山モミジをご覧ください。


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