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図書館司書、なぜ給料が安いの?

 この辺のテーマについては、実のところ図書館に限らない問題になってますね。非正規・正規の既得権争奪戦みたいで。この点についてはバッサリきれますが、

法律によって強制するのは絶対に無理

です。ニーズに合わせた規制緩和しない限りね。

 図書館のテーマからビミョーに離れるので本題に戻りますが、同じような内容過去に書いてます。が、改めて結論先に出しちゃうと

現状の仕事内容であるなら、図書館司書ってあまり必要性がない

です。司書であり、実務経験がある私だから言えることだと思っています。

 餅ロン、図書館業界全体にこの結論が適用できるわけではありません。実際、現状において図書館員としての満ち足りた処遇を受けている人も中にはいらっしゃることでしょう。が、それがいわゆる

健全な競争環境の下で生まれたものか

どうかでいえば、そうではないと思っています。

 そもそも、今の原因をハッキリさせる必要がありますが。これはかなり答えは簡単でしょうね。スナワチ、

財政的な問題

にすぎません。要は予算を振り向けられるゆとりが無くなり、削りやすいトコはどこか?と言ったら図書館だったんですね。

 大学図書館では、少子高齢化によって学生の数が減っていく過程で学費収入といった財政的な問題が起こってきた。現に図書購入費や図書館員の人件費削減ってかなり行われているんですよ。この点はあまり知られてないかもしれませんが、以下のことがある。

① とある大学で所蔵している同じタイトルは、そこに任せて自分トコは停止・処分

② 具体的に契約を共有して、一件当たりにかかっていた費用を削減

③ これまで無作為に受け入れていた教授陣からの寄贈などもコッソリと処分

全ての教育機関でこういうことが起きていた、とまでは言いませんがリアルにこういう現場、私は見てますからね。あの手この手でカネを削減しようとしているトコなんて、それこそいろんな場所で見てた。

 ①については具体的に除籍作業に従事していたこともあるし、こういうやり取り=調整の現場にもいた。この点は複写業務という観点からも効率化、という部分があるので一概に悪とは言えませんが。

 ②については今の学生レベルだと、皮肉なことにあまり使われない。しかし教授陣など研究者レベルになると使われたりするので(アピールにも使われる)、契約を切る訳にもいかない。こうしたところから、複数の大学で契約をシェアする、という選択が生まれる訳です。

 そして③については、貴重な研究資料と目されるものまで下手すると処分に回されかねない状況を見ちゃってます。あるいは明らかに処分してもよさそうなものを、当人の学内での影響力を考えて”塩漬け”にしたり。こういう学内でのドロドロも絡みながら、日々図書館の運営はなされている訳ですね。(苦笑)

 こうした事情が絡んで、図書館の費用は削られる一方。人件費は最も標的にされやすい訳です。そして、ここは恐らく現役の皆さんがうなずくかもしれませんが

図書館で働きたいという人の善意の心を悪用してる

のです。

 この点が、今の流れがなかなか変わらず、なおかつ温床として残ってしまっている一員でもあります。皮肉にもこうした人たちの図書館ではたらきたい意欲が、現状を延命させている一要因になっている。だからこそ、私個人はこうしたことに怒りを覚えている訳です。

 しかし、私は現実味のある対策や提案がないと単なる批判に過ぎないと思うのでキチンとした対案を提示したい。それについては別のnoteで書いているのでそちら


を読んでいただけると嬉しいです。

 ここでは細かく書かず、ポイントだけ示したいのでそこだけにします。

1 業界全体での図書館員としてのキャリア・プランを策定する

2 運営・経営のわかる、財務のわかる人材の育成

3 既存の利用者に依存し過ぎない、新規利用者開拓のための視点・施策をとる

これら三つが重要でしょう。特に現状で全くないのが1と2であり、1は従来の価値観で作られたもので現状に全くあってないと思う。2についても司書講座で全くないくらいなので、想定もしていないでしょう。だけど、図書館をどう運営していくか?という人材を司書側から送り込みたいのなら、どうしてもこの経営と財務の知識は不可欠です。それは理由として簡単、

カネと人事を握っている者が強い

からなのです。この本質に気づかない限り、ずっと搾取されたままでしょうね。

いぢょー。

 

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