自分じゃない自分になれる場所を持つ
録画していたNHK Eテレの番組『ねほりんぱほりん』で、バ美肉おじさんの回を観ました。
バ美肉(ばびにく)とは「バーチャル空間で美少女キャラクターの姿を受肉(=手に入れる、器にして動く)すること。おじさんは……おじさんです。
このご時世、30代以上はほぼおじさんの領域なのでしょうか……そうかあ。
そして『ねほりんぱほりん』はトークバラエティ番組。山里亮太さんとYOUさんを聴き手として、様々な業界のゲストから話を伺います。人形劇スタイルでかわいらしい反面、話の内容はかなり深いのが面白い。
なぜおじさんたちがバ美肉するのか。
話を聞いていると、理由のひとつに「別の自分になるのがいい」と仰っていました。
自分はバ美肉したことないし、してみたいとも思わない。でもおじさんたちの言っていることはよく理解できます。
むかし自分はお芝居を学んでいたのですが、別の自分になりきることは楽しかったです。
いまも素で振る舞うより、一枚着てしゃべったりする方が気楽で楽しい。だからラジオ配信とかゲーム実況をすることにハマったのかも。
現実の自分は好きじゃない。だからってどうすることもできない。
だから別人を演じることで不満を解消したかったんです。
欲求を満たす過程で物語を書く楽しさに触れ、投稿小説の趣味につながりました。もうお芝居の勉強はしていませんが、別の自分になりたい願望は、様々な人間の人生を描くことで満たされています。
自分を変えるのは難しい。歳を重ねるごとに実感します。
でも欲求を満たす方法はひとつじゃない。その方法がバ美肉おじさんたちにとってはバーチャルであり、自分にとっては小説投稿だったんですね。
もしかしたら人間、なにかひとつは「自分じゃない自分」になる手段や空間を持っていた方がより良く生きられるのかもしれません。
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