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詩197 ある1日の出来事

電線のうえで
鳥たちがさえずる

雲のうえで
ジャンボジェット機がそらを切る

少女のうえで
ふくろうが片目を閉じる

置き時計のうえで
ハエがメッキの味を確かめる

ベッドのうえで
目覚し時計のベルが止む

シーソーのうえで
少年が友だちを呼ぶ

夕焼けのうえで
雲が茜色に染まる

食卓のうえで
電球が寿命を終える


知っているのは

わたしひとりだけ

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