詩158 クッキー
ルージュの輝きが
キッチンの縁をいろどっている
笑う君の隣で作るクッキーが
ぼくには惜しい
ハート型のクッキーと
ほし型のクッキーと
はな型のクッキーと………
並べた 焼けた クッキーが
ふたりにはオカシくてたまらなかった
二時間かけて作ったクッキーは
今まででいちばんおいしくて
とても香ばしくて
ぽろぽろとこぼれた
ぷりぷりの心と
ぴちぴちの腕組みが
その日の ふたりのシンボル
かわいい思い出が 浮かれている
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