DUB SONIC/sleep sonic



丈DISC 第1弾、1996年リリース。
アマゾンの熱帯雨林の音をDUB MIX、コラージュ。
1993年制作のカセットテープ版を30分間の完全ヴァージョンとして新たにリミックスしたCD作品。


(1996年プレスシートより)

新宿からアマゾンへ
伝説のDUB AMBIENT作品ついに浮上!

アマゾンの熱帯雨林の音をDUB MIX、コラージュした、今までにないプログレッシヴ・アンビエントミュージック。

‘93年に制作され、自主でテープ発売。伝説のレコード店「パリペキンレコーズ」のテープチャートで第1位を獲得。
ロングセラーを続け、現在までに200本を売り上げている。

発売されたテープ版は「ねむるための音」というコンセプトから、A・B両面にpart1/part2を15分ずつ収録、オートリヴァースデッキでの再生を目的とした。

デッキをリピートモードにセットして、ぜひおやすみ前にお聴きください。


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スリープソニック・・
ヒートアイランドの臨界点を超えたところで発動する熱帯雨林の旧型に圧縮
された卵が内蔵された解除不可能な亜チタニウムケースに入った危険なブツ
のように・・
着火さえすれば空中で散布されるシャブを打った猿のように悪性の覚醒にや
られ過ぎている都市の人間への解毒剤のように・・

ある日自分がやっていたパリペキンレコーズにダブソニックのタケちゃんが
カセットを持ってやってきた。それにはハートの形といつものフレーズとと
もに、”スリープソニック”と書かれていた。お店のデッキで再生するとか
らみつくヒスノイズの背後から上記のような暴発した機械の蒸気のような抵
抗のダブマシーンの激しい音響をたてての休息のような、そしてクック(ク
クナッケ)が形容したようなコンクリートジャングルで狼煙をあげて昼寝す
るディアスポリス猿な、リズムマシンの臭気と意思を持った漏電の火花が脳
内の火花を鎮火するかのような音が鳴っていた・・

自分はいまでもダブソニックのタケを神格化するつもりは一切ない。それだ
けは言っておく。タケはよく自分で直感で音楽をやっているから人とは違う
とか、直感直感とよく標榜し続けたが、そうする人間を自分はそうだとは思
わないし、音楽をつくること以外での彼のふるまいのいくつかで自分と衝突したことがあった。
しかし自分はそんな彼のカリスマなどはどうでもいいし、そんなことより彼
の音のひとつひとつにどう感じるかそれだけにしか興味はない。彼をはじめ
多くの音楽家ガサン・ラの音でなくその身ぶりに極端に惹かれていたことも
理解はできない。ソシテ火星の歌よりキャラバンをつくった音楽家の方がよ
り深く宇宙をわかっていたとか・・そんなこともどうでもいい。

一部の音楽家が神格化され、ただ神格化の身ぶりとセットでしか評価されな
いこと自体に興味はまったくはない。当時サン・ラの他にもっとおもしろい
音響をだしていたジャズミュージシャンや音楽家は確かにいたし、しかしそ
の誰もがサン・ラほどのキャプテンシーはなかった。しかしそうではあって
も自分はサン・ラの『・・A minute』をずっと愛してきた。・・そんなこと
はどうでもいい。

言いたいのは『スリープソニック』の音源では、音以外のめんどくさいこととは関係ない、タケの、本来の当時の身体から欲している解毒がこの音・音響をつくらせたって当時感じたっていうことだけ。そうさせたところの当時の彼の危機感覚と身体のセンサーは鋭く渋谷の唾棄すべき電解質と混沌としたふうでいて陳腐に誘導しようとする漏電たちを駆逐した。

身体と脳を休めるための攻撃と退却。いまでも再生すると生きている機械のようだ。

虹釜太郎(360°records,ウィークリー虹釜)MAY 2009


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DUB SONIC/sleep sonic』(TCD 001)

1. sleep sonic ~sun & dream part 1 (30'22")
2.sleep sonic ~sun & dream part 2 (15'47")

 1. sleep sonic (sun & dream part 1)
  テープ版を30分間の完全ヴァージョンとして新たにRE-MIX。

 2. sleep sonic (sun & dream part 2)
  ライヴでのバックトラックとしても使用されているメインMIX。


画像1


     Blue: 初回プレス盤        Red: 再プレス盤