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視覚障害を持つ方に実際にウェブサイトをご覧いただいて、良いところ、改善したいところを挙げてもらいました

はじめに

ウェブデザイナーとしてウェブ制作をしている中で、昨年アクセシビリティの改善に関心を持ちました。いくつか関連するイベントに参加してみて、私にもやれることがあるなと感じたのです。

そのようなきっかけから、リアルタイム字幕を提供するアプリ「UDトーク」の開発者、青木秀仁さんが主催する Code for Nerima に参加、聴覚障害、視覚障害を持つ人たちとつながりを持ちました。

今回、アクセシビリティ改善を進めたいと思い、視覚障害を持つ人たちのグループ「ホワイトハウス」さんに、以下相談をしてみました。

※ホワイトハウスさんのFacebookページへのリンク

1.視覚障害の人に実際にウェブサイトをご覧いただいて、良いところ、改善したいところを挙げて欲しい

2.参加くださる方には適切に謝礼をお支払いしたい(持続可能な形を考えたい)

快く引き受けてくださって、また、喜んでくださいました。
いただいた実際のご提案は、視覚障害を持たない私には気づけていないことが沢山あり、これに取り組むことの大事さを認識、今後も継続していきたいと考えています。以下、今回いただいたご意見をまとめます。

視覚障害を持つ方にとって、ウェブサイトがどのように見えているか、良いところ、改善したいところ

視覚障害を持っている方に実際にウェブサイトをご覧いただいて、良いところ、改善いただきたいところを挙げていただきました。今回指摘事項をまとめてくださったのは、「ホワイトハウス」さんです。

※ホワイトハウスさんのFacebookページへのリンク

参加者
・30代男性弱視事務系
・20代女性全盲マッサージ兼事務系
・20代男性弱視事務系

1.良いところ

背景が単色ですっきりしているところが良い

2.改善したいところ

(1) 外部サイトに飛ぶ場合、その旨の説明が欲しい

理由
全盲ユーザーには例えばYoutubeのシンボルでもある赤い再生ボタンを見つけることができない。

改善案
外部サイトに飛ぶ場合、リンクを貼るだけでなく直前に簡単な説明を付ける。

事例
このURLを選択するとYouTubeへ飛びます。

(2) サイトマップを希望

サイトマップを設置してもらえると行きたいページにアクセスしやすくなります。

(3) テキストサイズや背景を変更できる機能を希望

ロービジョンの人も見やすくなると思います。

但し、ブラウザにも機能があるため、それを案内することでもよいかも。(視覚障害者も必ずしもそのような機能について習熟している訳ではないそうです)

(4) 添付資料はVoiceOver で読める資料にして欲しい

PDF形式の資料、パンフレットが添付されていましたが、 VoiceOver で読み上げられない資料が多かったようです。

改善案① ファイル形式を VoiceOver  でも読める資料にする
※具体的にどうすれば VoiceOver で読める形式にできるのか別途調査要

改善案② 資料とは別にテキストファイルを用意する

(5) 画像の解像度について

解像度が低い画像がいくつかありました。
ピンチアウトしても文字が読めない、画像と背景との境目がわからず見づらいこともありました。

(6) 写真等にリンクを貼る場合はその旨記述して欲しい

問題点
・サイトに貼り付けられている写真全てについて、写真を拡大しようとタップすると別のタブに飛んでしまい、扱いにくい
・飛んだサイトがずれていて、とても混乱します。

改善案
・防止策として、見出しの下に写真をおく。

(7) タグ表示について

問題点
・ロービジョン(視覚障害も含む)の場合、行末(右端)、が凸凹していると見づらい

改善案
・長いタグは1行で改行。3文字などの短いタグはまとめて、行末は凹凸がないようにしてもらえると見易い

(8) テキストの文字色と背景の色が近い

事例
電話番号が背景と近い色になっている為、見辛かったです。

3.まとめ

視覚障害者が見やすいサイトにするために

ロービジョンの場合

・高コントラスト
・ぱっと見て範囲がわかる
・ページがズーム可能であること
・文字は基本ゴシック体
・写真、資料が大きい
・写真の解像度が高い
・スマートフォン表示の最適化
・可能な限り行末は揃える

全盲(VoiceOver ユーザー)の場合

・資料をVoiceOver でも読み取れる
・写真に簡単な説明がついている
・シンプル
・他のサイトへジャンプする場合はその旨を明記
・ジャンプ先サイトの簡単な説明を追加
・スマートフォン版も作成

ホワイトハウスさんより

全盲(ボイスオーバーユーザー)はパソコンよりもスマホの方が情報獲得率が高いようです。スマホからの情報獲得率が高いのは健常者もおなじだとおもいますので、スマートフォンへの最適化は結果的に満足度の底上げにつながると思います。

アクセシビリティの改善でサイトの満足度も大きくなるように思います。

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