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いよいよ、裁判所へ。イタリアの滞在許可証「Permesso di Soggiorno」の申請について(4)

Buongiorno.
こんにちは、タケディーナです。

今回は、
イタリアの滞在許可証「Permesso di Soggiorno」の申請について(4)

これまで1〜3とお話しして、
(勝手に書いているくせに)やっっとここまで気がしております。

前回まではイタリアで裁判所に行くまでの話でした。
今回は、実際に行ってみての話です。
心優しい方はお付き合いいただけますと幸いです。

***

いざ裁判所へ、1

裁判所からの呼び出し日は、12月上旬でした。
出向く日が近づくにつれて、イタリア中ではコロナロックダウンが厳しくなっていました。

もしかしたら日程がずれるかも(ありがちな話)、と思いドキドキしながら待っていました。
直前に確認するも、日程や時間の変更はないとのことで、指定の日程に出向くことになりました。
夫も休みをとって、2人で戦闘態勢で行きました。

事前に弁護士さんから、
「普段は付き添いの人も裁判所内に一緒に入れるのだが、今はコロナで規制が厳しいので、当本人しか入れないかもしれない。行ってみないと分からないから、とりあえず旦那さんも来てください。」
と言われました。

夫が入れなくても、「弁護士さんが全部説明してくれるので、私は居るだけで良い」とのことでしたが、イタリア語がまだ乏しい私には、1人で裁判所に入るなんて、恐ろしい話です。

しかし、それが悲しくも現実になるわけです。

***

いざ裁判所へ、2

当日は車で行きました。
かなり早く出たものの、ミラノ市内が一部工事中ということもあり渋滞&駐車場が見つからないという "イタリアあるあるトラップ" にハマり、ぐるぐると裁判所を回ることに。
夫はイライラマックス。私もソワソワ。
そうこうしているうちに、時間が危うくなってきたので、私は途中下車をして、1人で裁判所まで走ることに。
とりあえずなんとか、夫に渡されたマップの指定の場所に到着。

着いてから、気づきました。
そういえば、弁護士さん、1回しかオンラインで顔見てないし、顔覚えてない!
それに、裁判所の出口4つもある!
メインの入り口じゃないし、場所もここで本当にいいのか、果たして弁護士さんと会えるのかすら不安になりました。

怪しそうにウロウロしていたら、弁護士さんが見つけてくれました。
怪しそうにしているアジア人は目立ったのかもしれません。

怪しくても、なんでもいい。
とりあえず、よかった。

そして、夫はまだ来ない。

しかし、時間だから中に入ろうということになりました。

弁護士さんとの入口は別々。
貴方はこちらから入ってね、と言われました。

私の方にいる、警備のおじちゃん、
めっちゃ怒ってて、怖いじゃないか!!!!

そして、入る人々は何かしらの紙を見せてるけど、私は何も渡されてない。
絶対捕まる! と思いつつも、仕方がないので突撃。

はい、
しっかり警備のおじちゃんに捕まりました。
「どのに行きたいんだ!書類が必要だぞ!」
と案の定、責められる。
これはもう、どこにいるか分からない弁護士さん頼り。

「弁護士さんが全部資料持っている」と伝えると、
「それは、誰だ、何処だ!?」と怒られ、辺りを見回すと、のんびりと立っている弁護士さん。
私、こんなに責められてるのに、のんびり立ってないでよ〜〜〜。と心で言いながら
「彼です」
と案内して、弁護士さんが資料を見せた結果、なんとか無事に荷物検査と検温を終えて、セキュリティゲートを通ることができました。

私が入れた時点で、
「やはり旦那さんは一緒に中に入れない。コロナだから。」と告げられました。

裁判所に入る前から、走ったり、怒られたり、なんか疲れていたので、その時は1人でもどうでも良くなっていました。

"もう、人生なるようにしかならい。"
裁判所内で悟った私です。

***

いざ裁判所へ、3

やっと裁判所に入ったわけです。
中は物凄く広くて、大変重厚感のある裁判所でした。

「ここの裁判所は大きくてね、この大きさのフロアが3階まであるんだよ。今はコロナだから人が少ないけど、いつもは人で溢れかえっているんだ。」

って弁護士さんが教えてくれました。

私がこれから行くところは、ドラマとかに出てくるような、裁判官が上にいるような大きい部屋で、公開裁判みたいな場所なのかも、とか想像してました。


入り口から部屋まで歩いて、
指定の部屋の前に到着して、時間まで待つことに。
実は、私は「何の部屋」なのかも分からず待ってました。
ここに来るまでに疲れており、何だかわけわからず、ボヤッとしてたのです。
既に、流れに身を任せるだけになってました。

指定時間になると、二人組の女性がコーヒーを持って戻ってきました。
私服(カジュアル)の女性2人でした。

すると、弁護士さんは
「そろそろ時間だけど、今はコーヒータイムみたいだから、あと数分待とう。いいかな?」って言われました。

こういう気遣い、イタリア人!
と思いました笑。

その数分後、いざ室内に。

中に入ると、小さいオフィス的な場所でした。
部屋の中には、先程コーヒーをもった二人組の女性がいました。
少し年配の女性と、向かいに若めの女性。
オフィスには2人だけ。

私と弁護士さんは、年配女性の前に座りました。
優しく話しかけてくれる女性。

私は最初、部屋が小さいので「裁判前の受付かしら??」
とか思ってました。

が、それは大きな間違いで、
私は既に、裁判官の前だったんです。

そう、この私服の優しい年配女性が「裁判官」だったんです。

私が待っていた部屋は、「裁判官の部屋」の前だったんですよ。
既に、公聴は始まっていたのです。

(普通に考えれば当たり前ですけど、本当に気づかなかった。
想像と違かった。
弁護士さんも、かしこまった様子もなく普通に話してたし、全然気づかなかった。
裁判官さん、アホな私でごめんなさい。)

最初に、名前やイタリア語はどう?とちょっと聞かれたくらいで、
あとは弁護士さんが全部説明してくれたのですが、
弁護士さんが女性に向かって事情や経緯諸々を説明している時、
" もしかして・・・この人・・・。裁判官!"と確信していきました。
(弁護士さんが話していた内容は、難しすぎて全く分からなかった。)

まさに、「知らぬが仏ってこういうことだな。」
と実感したのでした。
どんだけボヤッとしてるんだよ自分、と反省しました。

この裁判官との面接だけで事は終了しました。
公聴会というのでしょうか。

裁判官との公聴会(面接)自体は10分程度で終了。
あっという間でした。
私の裁判所滞在時間はトータル30分程度でした。
もっと時間がかかると思っていましたが、案外早く終わりました。

弁護士さんは、
「結果は12月中旬になるって言ってたから、多分クリスマス前かな。結果が来たら連絡するから!チャオ!」
と言い残して、去っていきました。

そのあと、夫に連絡をして、合流。
「ここだよ〜、どうだった〜?」と、のんびり現れた夫。
今日あった出来事を報告しながら、ミラノのドゥオーモ付近を散歩。

「部屋も小さかったし、私服だったし、裁判官だと気づかなかったんだ・・・」
って言ったら、夫は笑ってました。
「僕も大きい場所でやるのかと想像してたよ。まあ、無事に終わったから、結果を待とう。クリスマス前に本当に連絡来るかは分からないねどね。」

***

結果連絡

世の中クリスマスムードな中、クリスマスプレゼントを運ぶように弁護士さんから連絡が来ました。

本当にクリスマス前に連絡が来た事自体、驚きだったのですが。

結果は、勝訴です。
Vinto! 
(ヴィント/勝った) 

夫が連絡を受け取り、
タケディーナ、ABBIAMO VINTO!と。

タケディーナはイタリアに勝ちました。

裁判所命令で、警察側は至急、滞在許可証を発行すること。
また、裁判にかかった費用も警察が負担すること。

この2つが知らされました。

この裁判にかかった費用は、今回の公聴会のためにかかった費用の事のようです。
夫はこの費用のことを若干心配していたので、よかった〜と言ってました。

ここにたどり着くまで、滞在許可証との格闘は、ほぼ1年。
とりあえず、ホッとしてクリスマスと年越しでした。

このあとは、警察からの新いアポイントの日程を待つ。

しかし、待てど暮らせど、来ない・・・。

ザ・イタリア。

***

次は、その後と、実際に警察署(クエストゥーラ)に行ってきた話です。

タケディーナ拝


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