見出し画像

初秋に一番最初にはまった作品!

痺れに痺れて、連休中に一気見しました。
久しぶりにこれnoteに書こう!と思った作品。
The Offer 『ジ・オファー / ゴッドファーザーに賭けた男』!

この1ヶ月はU-NEXTでかなり映画をたくさん観てたんですが、
(文末にリンク貼っておきますのでよかったらそちらも…)
その話を古くからの友人にしたところ「これ面白かったよ!」と教えてもらったのがThe Offer。

サブタイがなくても、かの名作を想起させるタイトルフォントでもピンとくるかもしれません。
そうです、「歴史的傑作『ゴッドファーザー』の舞台裏を描いた大波乱のエンターテイメント」です。(公式より)

あらすじ
パラマウント・ピクチャーズに入社したラディは、ベストセラー小説「ゴッドファーザー」の映画化を任される。しかしスタジオからの無茶振りや脚本にこだわる監督の間で難航、さらに映画製作を反対するマフィアから狙われるハメに。無事に映画は作られるのか?

公式サイトより

仕事柄、「制作背景」「舞台裏」が大好きです。友人もそんな私だからすすめてくれたんでしょう(そんなことはない)。
まんまとはまり、一話50分前後、10話を3日で完走しました..

私が今回面白いと思った魅力は以下の3つ
(*ネタバレがあります)


1.  主人公アルバート・S・ラディの、作品への愛と完遂力


主人公のプロデューサー役を務めるアルバート・S・ラディをはじめ、パラマウントの上司ロバート・エヴァンス、会長のチャールズ・ブルードーン、『ゴッドファーザー』の原作者マリオ・プーゾ、そして監督のフランシス・フォード・コッポラなど、主要キャストにはほぼ全て実在の人物のモデルがいます
ラディはもともと研究所のコンピューター技師だったんですが、とあるきっかけでプロデューサーへのチャンスをつかみ、原作『ゴッドファーザー』の映画化権を持っていたパラマウントのエヴァンスに自分を売り込みます。
そして今度は会長の前で映画化のプレゼンをすることに。
「ただのギャング映画だろう。この映画の魅力を一言で言ってみろ」と言う会長に対し、ラディはこう切り返します。
「これは凍りつくように恐ろしい家族の物語です」と。
この一言プレゼンが会長の心をつかみ、鶴の一声が映画化が決定。予算が下りることになるんですが、ここって今でいうログラインや帯のコピーにあたる部分。私も日々担当作品を紹介する機会がありますが、ただ物語の説明をするだけだと相手の頭の中に入っていかないんですね。重要なのは、ラディが作家ではなくプロデューサーということ。作家さんはもちろん自分の作品なので想いやメッセージを持っています。それをともにさまざまな人に届け、あらゆる手を駆使し広げていく、パートナーも同じく、時にはそれ以上に作品に対する理解を深め多くの人々に伝える必要があります。ラディのそこに対するコミットメントがすごすぎたし(例えば時にはリアルマフィアの懐に飛び込んでいったり、絶対外せない役者はどんなことをしてもとりにいくなど)もちろん実話をもとにしたフィクションなので脚色は入っているにしても、あらゆる手を駆使し作品を世に届け広げていく、これは見習うしかない..と思ったし、より素晴らしい作品をつくりたい、という思いの下では、「(肩書き)の仕事」という概念はほとんどなくなっていくよね..と最近感じていることの答え合わせにもなりました。


2. 「仕事好き」への信念


この作品には仕事が大好きなひとたちがたくさんでてきます。意訳すると「仕事に超熱中してる」「仕事なしでは生きられない」皆さんがつくった結晶が本作だと『ゴッドファーザー』だったわけですが、そういえばマンガもクリエイターと一緒に作品をつくる・届ける内容の作品が好きだったと気づき。

ともに名作で何度読み返したかわかりません..

『ジ・オファー』の時代設定が1970年代であることや、こちらの2作も少し前の作品であることもあって、文化や背景はそれぞれ当時の時代が反映されていますが、「夢中になれるものがあって、それが仕事である喜び」って普遍的だしやっぱり素晴らしいことだなと。

『ジ・オファー』で、秘書かつプロデューサー・ラディの右腕としてバリバリん活躍い活躍するベティも、ゴッドファーザーの映画制作を経てのちにエージェントとして独立します。

皆、まず初めに「素晴らしい作品をつくりたい」という信念があって動いた結果仕事が好きになってることがわかります。

3. 主人公をめぐる、対立人物との関係性「ファミリー」


物語の中で主人公が何かを成し遂げる時に必ずあらわれる壁。
『ジ・オファー』にもこれでもかこれでもか、という具合にラディの前にさまざまな壁があらわれ、「それでもいいものを必ずつくるんだ!」という彼の信念によってクリアしていくさまが時に痛快なのですが、
その中の壁のひとつ「マフィアとの関係性」がとても面白く。
実在したマフィアのドン、ジョー・コロンボは、当初『ゴッドファーザー』の映画化に反対し、さまざまな邪魔をしますが、最終的にはラディの熱意と、イタリアン・マフィアをどのように描きたいか、真摯な想いによって、信頼しあえる友人関係に。モチーフとなった作品へのリスペクトも感じられて胸が熱くなりました。

また、当初あれこれ難題をふきかけてくる、「自分達の保身や手柄のことしか考えてない厄介な存在」である上司のエヴァンスや会長のブルードーンも、最初は彼らの勝手さにいらつきながらも、さまざまなエピソードを経て中盤以降は「誰も観たことのない素晴らしい映画をつくる」ための協力者に。みんなファミリーになっていくじゃないですか..!
史実に基づいたフィクションとして、エンタメとしてしっかり型になっているところも気持よく、これは最近だと『鎌倉殿の13人』もそうだなと。(内容的には鎌倉殿はどちらかというとモチーフのほうである『ゴッドファーザー』と言われてますね..)

*

他にもフランシスとマリオの脚本共同執筆のシーンや、70sカルチャーやファッション、オフィスインテリア、女性たちについてなどたくさん魅力的なところはあるんですが、まずはぜひ観てほしい..!


*


おまけ・The Offer以外にこの2週間くらいで観たものたち
エターナル・サンシャインは何十回めかな..年一で観たくなります。



『マイスモールランド』

『恋は光』

『アイヌモシ(リ)』
http://ainumosir-movie.jp/

『くれなずめ』

『湯を沸かすほどの熱い愛』

『エターナル・サンシャイン』


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?