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小さなお店を引き継いで稼ぐ方法【経営委託契約書のひな型/商用利用可能】

小さなお店をやっているけれど、後を継いでくれる人がいない。誰かかわりにやってくれないかな。売上から3割もらえれば、あとはお任せするんだけどな。

そんな話が意外とあるようです。

既存の飲食店や、カフェなどの事業を、意欲のある新たな人材にまかせてしまえれば、営業面でも変化を起こせるかもしれませんし、コストをかけずにチャレンジできる人材と、それによって売上の一部を得られる委託側とで互いにメリットがあります。

この場合の契約は、「経営委託契約」と呼ばれます。いわゆるマネジメント業務の委託(業務委託契約)と違うのは、完全に事業を任せてしまい、利益も任された側(受託者)に帰属する点です。

低コストで起業できるビジネスモデル

つまり、外見上はあたかもお店(事業経営)をあげてしまったような見え方になります。ただ、事業を本当にあげてしまう(譲渡する)契約の場合には、事業譲渡契約という別の種類の契約になります。経営委託契約と事業譲渡契約の違いは、名義も完全に渡してしまうかどうかにあります。経営委託契約の場合は、あくまでも間借りに近い(ただし、賃貸借とはまた別です)ので、名義は元の持ち主のままです。事業譲渡の場合は、事業を譲ってしまうわけなので、名義も当然譲ることになります。

つまり今回検討している経営委託契約は、事業を譲渡するわけではありませんが、もともとの事業主が、その事業の経営を別の人にお任せすることになります。そして利益も、そのお任せした人(経営の受託者)に入ってくるようにします。任せた人(もとの事業者)は、売上の一部を受け取れるような取り決めにすれば、お互いにメリットが出ます。

こういうビジネスが今後、都市部や郊外で流行るかもしれません。後継者不足の深刻な地域でも、こうしたやり方でスイッチコストを低くしながら、意欲のある人材に事業を展開してもらうことができれば、展望がみえてきそうですよね。

このひな型に含まれる条項

このひな形には次の条項が含まれています。必要な条文はすべて入っています。コピーして、アレンジしてお使いください。

経営の委託、経営の帰属、本件経営、対価、経費負担、本件店舗の管理責任、秘密の保持、経営委託期間、解約、甲の解除権、明渡し、再委託等の禁止、損害賠償、協議、法令順守、裁判管轄

経営委託契約書のひな型(テンプレート)

              経営委託契約書
株式甲〇〇〇〇(以下「甲」という。)と、〇〇〇〇(以下「乙」という。)とは、甲の〇〇〇〇の店舗の事業について、その経営を乙に委託することに関して、以下のとおり合意したので、本日、経営委託契約(以下「本契約」という。)を締結する。

第1条 (経営の委託)
 甲は、甲が経営する下記の店舗(以下「本件店舗」という。)における事業の経営(以下「本件経営」という。)を乙に委託し、乙はこれを受託する。
(1)店舗の名称「〇〇〇〇 〇〇店」
(2)営業の内容「〇〇〇の製造販売」
(3)所在地「〇〇県〇〇町〇〇」

第2条 (経営の帰属)
 甲は、乙に対して、本件店舗の名称を引き継ぎ、乙は、本件経営を甲の名義において行うものとする。
2 乙は、本件経営を、善良なる管理者の注意をもって遂行するものとする。
3 甲は乙に対して、本件店舗における本件経営に必要な一切の代理権限を付するものとする。ただし、以下の項目については別途甲乙協議してその取扱いについて決定するものとする。
(1)店舗の改装、リフォーム、リノベーション、大規模修繕
(2)〇〇〇〇〇〇〇〇
()その他本件経営に重大な影響を与える行為
4 乙は、本件経営の遂行に際して本条に記載のない事項であって別途相談や手続等の処理が必要であると認めるときは、甲に対してその旨を報告し、その業務について甲乙協議の上決定するものとする。


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