安藤 健/ロボット開発者

早大理工、阪大保健の教員経て、パナソニックHDロボ推進室室長。ヒトと機械と社会の関係、…

安藤 健/ロボット開発者

早大理工、阪大保健の教員経て、パナソニックHDロボ推進室室長。ヒトと機械と社会の関係、Well-beingに興味有。AugLab、Robotics HUBなどの共創活動のリーダ、日経クロステックやDIGITALXでロボット連載あり。ホントはロボよりヒトが好き。個人の意見です

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記事一覧

ロボット関連スタートアップの資金調達(2023年度下期)

2023年度はロボット関連のスタートアップが資金調達した!というニュースが多かったように感じます。半年前に上期分をまとめましたので、今回は下期分をざっとネット調査し…

2023年度のロボティクス推進室の活動を振り返り。

23年度、終わりました! 年度のキリで特に何かが変わるというわけではありませんが、是非メンバーの活動も知ってほしいということで、組織長をさせてもらっているパナソニ…

魔改造の夜に発起人・事務局として参加して学んだこと。

「魔改造の夜」というテレビ番組をご存じでしょうか? 月に一度、NHK総合の19:30~約1時間にわたるナイスな時間帯に放送している番組で、「おもちゃ」や「家電」を大人た…

チャーハン定食から学ぶロボットの価値。

食産業はロボットの活用が期待されている業界です。 今回はそんな食品業界、特にチャーハン定食から学ぶロボット”ならでは”の価値について。 食産業でのロボット活用食…

40歳おじさんが1年間真面目にマラソンを頑張ってみたら1時間以上速くなった。

マラソンど素人の40歳が1年間まじめにマラソンの練習をして、京都マラソン2024に参加。 結果としては、1年前ほぼぶっつけ本番で挑んだ京都マラソンから1時間10分ほど速く…

ファミリーマートが300台導入した1台6役の掃除ロボット。

先週は中国、シンガポールと海外出張ウィークでした。 どちらの国も違う角度ではありますが、ロボット導入をガンガンしています!!という感じ。 と思って、帰国したら、…

父は私に何を教育しようとしたのか?

年末に父が亡くなり、先日49日の法要を終え、一旦諸々終わりました。 今回初めて喪主というものを体験したのですが、世の中というか、宗教には全然知らない決まり?しきた…

新年なのでロボット3K大喜利しませんか?

本年もよろしくお願いします。 新年1記事目に何を書こうかなぁと思ったのですが、真面目に軽い内容ということで、『ロボット3K大喜利?』を考えてみようと思います。 3K…

今年のロボット関連記事5選。読んでいただきありがとうございました!

2023年もnote記事をたくさん読んでいただき、ありがとうございました!! 特に今年読んでもらったロボットに関する記事5つを紹介させて貰います。なんとなく1年のトレン…

3歳児と分身ロボットカフェに行って気付かされたこと。

先週末、京都で期間限定でオープンしていた分身ロボットカフェに家族で行きました。 私自身は東京日本橋の本店?に何度か伺ったことがあったのですが、初体験の家族と一緒…

ロボット産業のPEST分析:P(政治編)

これからロボット業界に入っていこう!という人や、ロボット業界について取材しよう!という人と話をしていると、「なぜ、今、ロボットなんですか??」という質問を受ける…

ロボット展2023で蘇ったCES2020の反省。

2年に1度の国際ロボット展、終わりましたね~ 業界関係者の皆さん、お疲れさまでした。 来場者数も148,125人とかなり多かったようです。 15万人が訪れたロボット展グーグ…

監修を担当した日本科学未来館のロボットゾーンが公開されました。

11/22に科学未来館の常設展示が7年ぶりにリニューアルされました。前日には報道関係者などにお披露目になり、NHK7時のニュースでも取り上げられたので、ご覧になった方もい…

サイエンス、テクノロジー、マニュファクチャリングをどう繋ぐ??

「ハイテク」とか「ローテク」とかはよく聞く。 一方で、ハイサイエンスとかローサイエンスとか、ハイマニュファクチャリングとかローマニュファクチャリングというもの聞…

協調と競争って切り分けるの難しくないですか!?

業界団体や国家プロジェクトの集まりに出ていると、この数年よく聞くようになったのが「協調領域」と「競争領域」という言葉。 最初のうちは、業界団体だからなかなか真に…

組織の看板があるから視野が広がることもある。

現在、パナソニックという、いわゆる日本の大企業と呼ばれる組織に所属しています。そして、その中で、ロボットを開発する部門の組織責任者をさせてもらったりもしています…

ロボット関連スタートアップの資金調達(2023年度下期)

2023年度はロボット関連のスタートアップが資金調達した!というニュースが多かったように感じます。半年前に上期分をまとめましたので、今回は下期分をざっとネット調査してみようと思います。 上期はMUJINが123億円、テレイグジスタンス社が230億円と大型の調達も目立ちましたが、さて23年度下期はどんな感じだったでしょうか?? 物流系:引き続き、動きが活発!上期に123億円という大型の調達を行ったMUJINは、下期はシリーズCエクステンションラウンドということで、日本郵政な

2023年度のロボティクス推進室の活動を振り返り。

23年度、終わりました! 年度のキリで特に何かが変わるというわけではありませんが、是非メンバーの活動も知ってほしいということで、組織長をさせてもらっているパナソニックホールディングスのロボティクス推進室の23年度の活動を振り返ってみます! 今年度も多くの社内外の皆様のご支援、ご協力により、1年間を乗り切ることができました。本当にありがとうございました!! 屋外を移動するロボットたち近年強化をしていた屋外での移動ロボット関係。 新年度早々4月にやってきたのは、西村経済産業大

魔改造の夜に発起人・事務局として参加して学んだこと。

「魔改造の夜」というテレビ番組をご存じでしょうか? 月に一度、NHK総合の19:30~約1時間にわたるナイスな時間帯に放送している番組で、「おもちゃ」や「家電」を大人たちが本気で改造して、モンスターマシンにし、3つの組織がその性能などを競い合うという技術開発エンターテイメント番組です。 今回のnoteは、事務局として参加した私が、一連の取り組みの中で、何に気づき、学んだのかを書いておこうと思います。 お題は、トイレとスケーターの魔改造魔改造の夜という番組自体は、ソニーさん

チャーハン定食から学ぶロボットの価値。

食産業はロボットの活用が期待されている業界です。 今回はそんな食品業界、特にチャーハン定食から学ぶロボット”ならでは”の価値について。 食産業でのロボット活用食産業におけるロボット活用は結構前から始まっていて、私が大好きなロボット活用事例のひとつで、昔のnoteでも書いたように相模屋食料さんは豆腐をパックに詰める作業の自動化を2005年にされています。 一般の方にも割と知られることになったのは、2022年の北京オリンピックとかでしょうか。中華料理を自動で調理したり、天井か

40歳おじさんが1年間真面目にマラソンを頑張ってみたら1時間以上速くなった。

マラソンど素人の40歳が1年間まじめにマラソンの練習をして、京都マラソン2024に参加。 結果としては、1年前ほぼぶっつけ本番で挑んだ京都マラソンから1時間10分ほど速くなり、『3時間43分45秒』で走り切ることができました!! 4時間を切り、いわゆる、『サブ4』というランナー! 今回のnoteは備忘録を兼ねて、1年間何をしたのかを記録しておこうと思います。(意外と楽しい1年間だったので、同じように走り始めた人や走ろうか迷っている人など誰かの参考になれば幸いです) ま

ファミリーマートが300台導入した1台6役の掃除ロボット。

先週は中国、シンガポールと海外出張ウィークでした。 どちらの国も違う角度ではありますが、ロボット導入をガンガンしています!!という感じ。 と思って、帰国したら、日本でも割と台数の多い導入案件ニュースが流れていました。 ファミマがロボットを300台導入します!!というものでした。 しかも、2月末までに!(あと一か月…) 最初ニュースで「ファミマ」&「ロボット」&「300台」という文字が見えた時には、2022年にリリースしていたテレイグジスタンス社の商品補充ロボットのことか

父は私に何を教育しようとしたのか?

年末に父が亡くなり、先日49日の法要を終え、一旦諸々終わりました。 今回初めて喪主というものを体験したのですが、世の中というか、宗教には全然知らない決まり?しきたり?が沢山あるものだなと。 喪主の仕事の一つに、通夜や葬儀での挨拶ということがありました。 何を話すんだ?ということで、ネット調査をすると、参加頂いたことや生前お世話になったことに対するお礼や故人のエピソードを簡単に話する、というような内容がどこのWebページにも書いてありました。 これけっこう難しい。 故人の

新年なのでロボット3K大喜利しませんか?

本年もよろしくお願いします。 新年1記事目に何を書こうかなぁと思ったのですが、真面目に軽い内容ということで、『ロボット3K大喜利?』を考えてみようと思います。 3Kと言えば、「きつい」「汚い」「危険」という3つのKから始まる負荷の高い仕事という文脈で使われることが多いです。 大変な仕事みたいな感じでネガティブフレーズとして、どこがで聞いたことがある言葉かと思います。 ロボット関係でいうと、3Kをなくすためにロボット化する!みたいな。 最近は、そんなネガティブな言葉を新

今年のロボット関連記事5選。読んでいただきありがとうございました!

2023年もnote記事をたくさん読んでいただき、ありがとうございました!! 特に今年読んでもらったロボットに関する記事5つを紹介させて貰います。なんとなく1年のトレンドがわかるかも!? 今年一番読んでもらったのは、スカイラークへの一年でのPudu配膳ロボット3000台導入の記事。経営の判断スピードも素晴らしいですが、月に300台の導入を実現するロボットシステムの完成度とそれを受け入れる現場のオペレーション力にただただ尊敬ですっ!! 超高齢社会の日本でのロボットといえば

3歳児と分身ロボットカフェに行って気付かされたこと。

先週末、京都で期間限定でオープンしていた分身ロボットカフェに家族で行きました。 私自身は東京日本橋の本店?に何度か伺ったことがあったのですが、初体験の家族と一緒に行くことで、「なるほどなぁ〜!!!」と思わずにはいられない新たな発見が2つありました。 そのカフェでは、分身ロボット「OriHime」と呼ばれる遠隔操作型のロボットが、お話をしてくれたり、注文を受けたり、食事を運んできてくれたりします。 遠隔操作という特徴を活かして、私たちのテーブルでは、北海道、東京、福岡、沖

ロボット産業のPEST分析:P(政治編)

これからロボット業界に入っていこう!という人や、ロボット業界について取材しよう!という人と話をしていると、「なぜ、今、ロボットなんですか??」という質問を受けることがそれなりの頻度であります。 というわけで、今回からはそういう方向けにロボット産業に関するベース部分をまとめていきたいと思います。 どんな視点がよいのかはわかりませんが、とりあえず王道的なフレームワークということで、PEST分析的に行ってみます!! 詳しいことは下記などの経営関連の書籍などでお勉強頂ければと思

ロボット展2023で蘇ったCES2020の反省。

2年に1度の国際ロボット展、終わりましたね~ 業界関係者の皆さん、お疲れさまでした。 来場者数も148,125人とかなり多かったようです。 15万人が訪れたロボット展グーグルトレンドで「国際ロボット展」というワードを調べてみても、例年通り、もしくは近年では盛り上がったという感じでしょうか。 業界の人たちの間では、「コロナ前みたいな人の多さに戻ったね~」という人もいれば、「以前の方が通路とかも賑わっていた気もする」みたいなどちらの意見もあったような気もします。もしかしたら、

監修を担当した日本科学未来館のロボットゾーンが公開されました。

11/22に科学未来館の常設展示が7年ぶりにリニューアルされました。前日には報道関係者などにお披露目になり、NHK7時のニュースでも取り上げられたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。 今回、大変ありがたいことにロボットのコーナー『ナナイロクエスト ―ロボットと生きる未来のものがたり』のロボット技術の監修をさせて頂きました。何を思って取り組んでいるかは以前のnoteにも書かせて頂いた感じです。興味ある方は是非。 この展示では、ロボットが活躍する未来のまち「ナ

サイエンス、テクノロジー、マニュファクチャリングをどう繋ぐ??

「ハイテク」とか「ローテク」とかはよく聞く。 一方で、ハイサイエンスとかローサイエンスとか、ハイマニュファクチャリングとかローマニュファクチャリングというもの聞いたことなかった。 ところが、先日、大変お世話になっている方のSNSを見ていると、 「これからはハイサイエンス&ローテクノロジーだ」 というようなことが書いてありました。 まだまだ十分に咀嚼しきれていないところはあるのですが、 『サイエンスを基礎研究のレベル(この定義も難しいですが…)がめちゃくちゃ高い、かつ、使い

協調と競争って切り分けるの難しくないですか!?

業界団体や国家プロジェクトの集まりに出ていると、この数年よく聞くようになったのが「協調領域」と「競争領域」という言葉。 最初のうちは、業界団体だからなかなか真に競争の源泉となるようなことはテーマにできないですよね~とか、そもそもカルテルを気にすると具体的なこととか、細かいことなんて話せないですよね、そして、国プロって税金だから競争になって個社の利益になるようなことは難しいですよね、とか思っていたのですが、最近は『競争と協調の境界って難しくないか??』と感じていたりします。

組織の看板があるから視野が広がることもある。

現在、パナソニックという、いわゆる日本の大企業と呼ばれる組織に所属しています。そして、その中で、ロボットを開発する部門の組織責任者をさせてもらったりもしています。 そのような仕事をしていると、取材を受けたり、講演で質問を頂いたり、日々の生活の中でたくさんの社外の方とお話しさせてもらったりします。 そうすると、相手方からは「パナソニックの安藤さん」と認識されるわけで、名刺交換のときには「***事業部の***さんには大変お世話になっております」とか、質問を頂く時には「先日ニュ