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ねぇーおじいちゃん。きいてよ!

まっご『ねーねー、おじいちゃん!聞いて!全然モテないんだよ!うわーーーーーん!ボクはダメ人間なんだ〜〜〜』
孫のタカシは、今日も悩みが尽きない。
凄い勢いで、おじいちゃんの膝上にダイブをかます。

そっふ「おーおー、どーしたんじゃ今日は〜。一段と激しいのぉー。
モテないとダメなのかい?」
祖父のヤスシは優しくも、楽しそうに話しかける。
日に日にタカシのダイブに勢いと、
体重が乗り出したので、いつまで耐えられるかが、最近のトレンドだ。

まっご『グスングスン。だってだってTVで、モテますね〜。とかモテるでしょ〜とか。聞いてるんだけど、ボクはモテた事なんてないんだもん。
同い年とタシロ君はモテモテなのにーー!!

だからボクは、ダメ人間なんだーーーーー』

そっふ「ふぉっふぉっふぉっ。
なるほどのぉ〜。

ええか、よく聞くんじゃよ。」

まっご『グスングスングスングスングスングスングスングスン』
タカシは一向に顔を上げず、
祖父の太腿は、もうビチャビチャだ。

そっふ「きききいてくれるかのぉ〜?」
ヤスシは太腿のビチャビチャの進行を止めるかのように聞いてみる。

まっご『グスングスングスングスンうん。聞くね。』
太腿を濡らし続けながら、タカシは返事を小さく返す。

そっふ「じゃーまず。
モテる人は偉いのかの〜?
一人としか結婚は出来ないのにじゃよ。」
優しくハニカム、ヤスシ。


まっご『うーーーん。グスン
どーだろ〜。』
ついに、
少し顔を上げたタカシ。


そっふ「ふふふ
では、色んな人にモテモテだったとしてじゃよ?

事故や病気になった時、すぐ駆けつけてくれる
人はどれだけ居るのじゃろ。

たったひとり。。。

深く分かり合える人と出会えれば
人生は豊かになる。

そうは思わんかね?」
優しくハニカム。

まっご『うーーん。そう思う!
1人いれば嬉しい!!!
でも、どーやれば出来るの?』
もー
タカシは満面の笑みである。

そっふ「それはじゃね。

1人決めた相手を
心からに愛し抜くことじゃよ。
もちろん、
自分にも相手にも弱い部分や欠点もあるじょろう。

それもひっくるめて
愛し抜く事で、

2人は真の関係に至れるのじゃよ。

つまり

2人の協力があって、
真のモテモテって奴なのかもしれんの〜」
今日一のハニカミを見せる。


まっご『うわーー何か凄い楽しそう!!!
ボク頑張ってみる!!ありがとうおじいちゃん!!!!』

勢いよく、
駆け出した孫を見送る祖父ヤスシは、
昔の自分を見ているようで胸が熱くなる。
そっふ「がんばれよ。タカシ。」
小さく呟く、ヤスシは
おんとし95歳。
長生きしてくれ!ヤスシ!


勢いよく駆け出した
タカシは
おんとし45歳。
頑張れタカシ!
世間の荒波に負けるなタカシ!
また、
祖父の太腿を濡らしてやれタカシ!

〜完〜

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