JC論:議案の書き方:計画議案の背景2
計画議案の背景が、長くなったので分割しました。先に1のほうを読んでください。ここでは、背景の文章の作り方について考えてみます。
まずは項目ごとに書いてみる
さて、ここまで出来たらあとは文章にまとめるだけです。
まず、問題、問題の原因、あるべき姿の項目ごとに書いてみましょう。例えば理事長所信に人口減少の問題が書かれており、市町村の総合戦略を見て今後の人口動態について調べると、下記のような文章になるはずです。
よくまとまっていますが、これでは長いですね。
ここで考えるべきは、どこに絞り込むか、です。このままでは改善すべき原因の範囲が広すぎて、背景の後、目的、事業内容にうまくつながらなくなってしまいます。絞り込んでいくことで、うまくつなげていくことができます。
事業内容から検討できる場合
事業内容を考える自由度が高い場合、一番インパクトがありそうなところに絞り込んでいくと、事業内容も考えやすくなります。ここで考えるべきは「JCの持つ可能性」です。JCにはほかの社会貢献団体に比べて明らかに優れた点がいくつかあります。
1、メンバーが青年世代なので若者に近い
2、歴史と実績があるので行政や学校と話がしやすい
3、経済人が中心なので経済関係に強い
このあたりから考えると、若者に何か働きかけるか、企業に何か働きかけるかを行政と一緒に行う、といったあたりがインパクトがありそうです。ここで、委員会がひとづくり系なら若者に働きかける、まちづくり系なら企業に働きかける方向が受け入れられやすそうです。
ということでひとづくり系ならこんな感じにまとめられます。
まちづくり系ならこんな感じ
事業の対象範囲が見えてきましたね。
もう事業が決まっている場合
次に、継続事業やあらかじめ大体の事業内容が決まっている場合は、その範囲内でよりインパクトがあることに寄せていくことになります。こういう場合はもうひとひねりが必要です。
例えばお祭りとか花火大会とかイベント系なら、人が集まってくる環境があるわけなので、若者に訴えかけたり、つながりを作るにはよさそうです。例えば地元に帰らない大学生の理由を調べると、「帰ってもコミュニティーがない」ということがあるようです。では、イベントをきっかけにコミュニティーを作ってみてはどうでしょうか。
例えば子供たちを集めた事業なら、子供たちに直に訴えかけることができます。地元に帰らない大学生の理由を調べると、「就職先がない」ということがあるようです。でも本当に就職先はないのでしょうか?地元に多く就職先があるということを訴えかけることが考えられます。
注意点
まあ書いたものだけをみると「こんなの当たり前」と思った方も多くいらっしゃると思います。いきなりググるのはどうか?自由な発想ができないんじゃないの?思う人もいると思います。でも、天才ならいざ知らず、普通の人は限られた情報で考えても、大した発想は出ません。重要なのは、広く調べて絞っていく、というプロセスです。ここに頭を使うのです。まず問題に対して広い地図を書いて、その中でどこを攻めるかを考えることが重要です。そこに独自性も生まれます。このプロセスを踏んでいないと、結局質問があったり意見がついたときに、「そう思いついたから」となってしまい、きちんとした回答、対策ができないのです。
また、文章の書き方として注意すべきは、背景は「状態を書くもの」ということです。問題も、原因も、あるべき姿も、全てある「状態」です。日本では状態を意識して書く訓練はほとんどされない上に、日本語は状態と動作を書き分ける能力に欠けているので難しいかもしれませんが、単なる○○をやるべきになっていないかに注意してください。簡単な方法は主語を私たちではなく、第三者や無生物にすることです。例えば、「私たちはAのように社会を変えるべき」、ではなく、「社会はAであるべき」、ということです。あと単なる形容詞(より良くする必要がある、とか)になっていないかにも注意する必要があります。
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計画議案の目的・対象者
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