色んな絵2

JC論:議案の書き方:議案の構造

まず議案の構造について見ていきましょう。

計画議案の目的

そもそも、計画議案を書く目的は、メンバーや外部のお金や労力を使うにふさわしいかどうかを議論するため、であることを認識してほしいと思います。理事長や専務理事は全能ではありません。普通の社団法人なら一部の上層部や事務局で決めているようなことも、青年会議所では理事会に議案として審議されます。。いろんなキャリアといろんなバックグラウンドをもつ青年が集まるのがJCです。多くの人の目が通るからこそ、計画を立案し実施する人も、会議に参加する人も、事業に参加する人にも成長の機会があります。

JCの会議に通る議案を書けるになるということは、「誰もが納得できる計画を立てることができるようになる」ことです。銀行への融資の申し込みであれ、資金調達であれ、補助金の申請であれ、全部同じことです。議案を書かなければならない立場になったとしたら、一般メンバーでは得られない素晴らしい成長の機会を得たと考えて間違えありません。

議案は上から書くもの・読むもの

議案は計画の「プレゼン資料」ですから、とにかく誰にでも理解できるものでなければなりません。プレゼン資料というととかくパワーポイントなどのビジュアル資料がイメージされますが、ビジュアル資料の問題は作るにも、見るにも時間がかかるということです。実際に米Amazonでは社内資料にパワーポイントの利用を禁止しています。実に合理的だと思います。

「できるだけ短時間で作成し、できるだけ短時間で有効な会議をする」ためのものが議案フォーマットです。だから、書く人は上から順に書けば書けるし、上から順に読めば読めるようになっています。事業内容を早く書きたいという人もいるでしょうが、まずは落ち着いて上から順番に埋めていってください。見る人は上から順にみているので、事業内容と上の方に書いてある背景や目的がずれていると、かならず「あれ?」ということになって議案が炎上する原因になります。

議案の基本的構成

議案の基本的構成はどんどん絞り込まれていく、ということにあります。背景、目的、(仮説)、対象者、実施場所、スケジュール、事業内容という順番に並んでいますが、その順番に選択できる範囲が狭くなってくるということです。事業内容がブレブレになる原因はこの絞り込まれる議案が書けていないことにあります。背景や目的や対象者があいまいで、何でもできることを書いているので、事業内容も何でもよくなるわけです。

例えば、子供のいじめが増えている、という(人口減少の中でありもしない)背景に、いじめを減らすという目的で、小学生を数十人ばかし集めて○○山でキャンプをするという事業の計画を立てると大抵炎上します。キャンプで本当にいじめが減るということも理解できないし、いじめといってもなぜ小学生が対象なのかも理解できないし、なぜ○○山なのかもわからないし、単にキャンプしたいだけじゃないの?という風になるからです。ここで、じゃあキャンプじゃなくてバザーやりますとかピクニックやりますとか言い始めるともうドツボです。永久に議案は通りません。間に合わせで、地域資源の発掘も兼ねてとか、郷土愛がうんたらとか、背景や目的を増やすともう何をやっているのかわからなくなります。

逆に、貧困率の高い地域では子供が孤立しがちでいじめが多発しているという背景があって、いじめを減少させるために地域の子供が孤立しないよう地域の人との接点をつくるという目的を置いて、貧困率の高い地域の大人と子供を集めたお祭りを開催するという事業内容ならどうでしょうか。お祭りがバザーになるぐらいの内容変更はあるかもしれませんが、全体の計画はほとんどぶれないでしょう。

背景だから目的、目的だから対象者と場所、目的と対象者と場所だから事業内容という形で絞り込まれていく必要があります。

本文と審議対象資料と参考資料の違い

議案を混乱に陥れる一つの原因が、本文、審議対象資料、参考資料にそれぞれ何を書くかということです。まず、大切なことは、議案は本文を読めばやるべきかやらなくてもいいか判断できる必要がある。ということです、資料を読まないと判断できないようではいけません。わかりやすく言うと

本文:この計画を実行すべきかどうかを判断できる材料を書く
審議対象資料:外部に発信する資料や、計画の重要部分であって細かすぎるので書ききれない資料(例えば新年会の案内リスト)を添付する。
参考資料:本文を読む参考になるビジュアル資料やデータ、実行する際に必要な計画書やシナリオの草案

講演会の計画などでよくある、シナリオ等の添付文章読まないと判断できないようではだめです。少なくとも「なぜこの講師を呼ぶのか、何を話すのか」が本文に記載されている必要があります。

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計画議案の背景

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