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JC論:JCの理事になるということ

8月~9月にかけて次年度の理事が選出されるLOMが多いと思います。JCの理事になるということはどういうことなのでしょうか?

青年会議所は単なるリーダーではなく、アクティブシチズンを生み出す団体です。すべてのメンバーが、「自ら目標を見つけて、そのために努力し、他の人をアクティブシチズンに変えていく人」になることが期待されています。理事とメンバーの差は実はそこまで大きくありません。とはいえ、差はあります。

1、メンバーから選ばれている

法人格を持つLOMはもちろん、持たないLOMでも理事は総会で選ばれる(信任される)と思います。メンバーは基本的に自分の意志のみでJCを行うことができます。しかし、理事は選挙という形で他のメンバーの意思によって就任するので、メンバーからの付託(頼んで任せること)によってJCを行わなければならない、ということになります。

自分の意志だけでやっていたJCから、他者の意志によって行うJCへと、JCとの付き合い方が変わります。ある事業の一部を担当する1メンバーと、ある事業を担当する理事の決定的な違いは、メンバーは自分の意志でその担いを受けますが、理事は他のメンバーの意志を受けて行うということです。メンバーなら「手を上げたんだから、責任を全うしなさい」ということですが、理事は「選ばれたのだから、責任を全うしなさい」ということなのです。

だからこそ、理事は時には「やりたくないこと」もやる責任があります。選んでくれたメンバーの付託に応えなければならないのです。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下 法人法)でも、理事に忠実義務を課しています。

2、理事会での発言権と投票権がある

理事には、組織の意思決定機関である理事会での発言権と投票権があります。これは、メンバーからの付託による権利です。メンバーは何を付託しているかといえば、理事会でその理事が自分の考えを発言し、良心に従って投票することです。理事会のために、理事長のために、発言したり投票したりするのではありません。だから、反対意見を述べてもよく、反対票や白票を投じてもよいのです。

多くのLOMでは、理事は初めて理事になったものでも議案に対する意見を述べたり、自分の意志で投票することを求めます。黙って、賛成票を上げておけばいいなどと言うことはないはずです。それはただ本人の成長のためだけでなく、メンバーの付託に応える必要があるからです。

理事会での発言権と投票権があるもう一つの理由は、理事会の意思決定には責任が伴うということです。理事会で決めた結果、誤ったことが起これば、理事には道義的・実質的な責任が問われます。だからこそ、理事会での発言権と投票権が理事にはあるのです。

3、業務を執行する

法人法では「理事は(中略)業務を執行する」と記載されています。執行とは、単に実行するだけでなく「現実化すること」という意味があります。単に言われたことをやる、というのではなく、計画を現実化するのが理事の役割です。青年会議所の計画は「絵に描いた餅」であってはなりません。理事会で審議された計画を現実化する責任と権限が理事にはあります。

様々な団体の理事がありますが、たいてい形骸化してしまうのは、業務がルーチンワークに陥っているからです。すでに現実化し、ルーチン化されている業務であれば理事が躍起になって執行する必要はありません。しかし、青年会議所の事業は単なるルーチンワークではありません。時には誰もやったことがないことを現実化する必要があります。だからこそ、理事の執行が重要になるのです。これは、理事でないメンバーにはない責任なのです。

差を認識して行動しよう

青年会議所は単年度制です。前年までやっていたからと言って、本年もやる必要はありません。大切なことは、今何が求められているか、そのために何ができるかということです。これは団体としてもそうですし、個人としてもそうです。理事になったからと言って、必ずしもこれまでやってきたことに加えて理事の務めをする必要はありません。理事とそうでない人の差を正確に理解し、理事がやるべきことをやるために行動をしてください。

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