【読書感想文】ブランドは広告でつくれない

今回読んだのは「ブランドは広告でつくれない」です。

序章から飛ばしまくりで広告を批判します。
広告の弱点は広告人として認識しているので、批判があること自体は歓迎なのですが、敵意のある書き方なのでさすがに広告好き人間からするとムッとする内容。個人的な感情はどうでもいいのですが、内容としては
・すばらしい広告と言われても商品が売れないっていうことあるよね
・あくまで広告は火を煽る役目、火をつけるのはPR
・PRの幅広い提案力
かなと思います。
ここまで要約すると、まあそうだよね。とも思えます。

一方で批判的によむとしたら
・PRの一手段としてテレビ広告枠ってあるよね。
・PRはどう火がつくかコントロールできないから予測がむずかしい。
・広告はある程度予測可能であり、ブランディング広告から刈り取りまであり、広告全般が批判されるわけではない

この本を広告人の観点からみると、広告はもっとコミュニケーションプランニングをしっかり考えるべきという点は同意です。
枠というものにコントロールされがちという見方と枠が約束されているという見方もあり、言いたいことをその枠に制限されるべきではないとは思います。特に商品も枠も多様化している中でattentionの役目はもっと小さくあっていいとは思いますし、視点を広げた方がいいという叱咤激励をされているのだと思います。

前回読んだ

の視点からすると、誰を対象にどこからユーザーを獲得するのかということを考え直す必要があるのかなと。

トヨタ, ホンダ, 日産, マツダ, スバルという市場があった場合、マツダのユーザー獲得はどこからすべきかということを考えると近くの日産からではなくトヨタの市場からの獲得なのだと思う。そう言ったことをつぶさにみていくと、素晴らしい表現と結果は一致してくるのではないかと思う。

一方でPRについていうと世の中のサイクルがどんどん早まっており、PRは長生きし広告は短命だということがあまり言えなくなってきた。

https://global-assets.irdirect.jp/pdf/menu_file/6058/20200110183617_7277.pdf

現在では車の買い替えサイクルは5年も3年もながくないと言われている
そうなると車における雰囲気作りも従来のながれではなくなるようなもので、同様にPRの世界の変化も激しい。業界トップクラスの企業のPR部門の収益は広告業界全体が1%伸びに対して広告業界の中でも特にデジタル広告の伸びが20%成長という現象をつくれていない(https://www.dentsu.co.jp/news/release/2020/0311-010027.html)。もちろん本企業は全体的に好調で多くの子会社の連結でみると将来は明るいということは申し添えておく。やはり、型が決まる広告(特にインターネット広告)では原価を抑えやすいのに対して型が作りづらいPRはそこのコントロールが難しい業界なんだなーとは感じる。機能とは別の議論ではあるが。ここがコンサルフィーとして高く取れるならいいのだが。

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