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農地の有効活用

ここまでは、「農業×〇〇」をテーマに書くことはありましたが、農地転用の依頼で圧倒的に多いのは、「農地法第5条第1項の規定による許可申請」だ。許可申請と言うぐらいなので農転の中でも比較的ハードルが高いものです。まず農地法第5条第1項とは但書を省略すると「農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。次項及び第四項において同じ。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事等の許可を受けなければならない。」ようは、農地を所有者と別の人が「駐車場として使いたい!」と言う場合には行政にOKもらってねと言う感じです。その中でも街として開発をして行く流れにある「市街化区域」の場合は必要書類が揃っていれば基本的に転用OKな「届出」で済むのだが、農地転用の相談で圧倒的に多いのは「市街化調整区域」など、農地を農地として守っていこうという場所については「許可」申請をしていく必要がある農地についてです。違いは必要書類が多い。特にその土地を使う目的などを説明する「転用理由書」、土地の造成計画を説明する「土地利用計画書」など農地の使い方について問題ないかを判断をされる。従って、中途半端な計画だと窓口で弾かれてしまう可能性があるので、我々のような行政書士に相談が多い。農地以外での使用を目的とする農地転用は確かに農地を守るという点では違うが、高齢化により体力的にも厳しく、後取りがいないということから農業継続が難しく、耕作放棄地、荒廃農地となる土地を有効活用して解消するという意味では有効な手段で、転用者、農家、行政にメリットをもたらすこともある。例えばその農地に駐車場をつくることで事業拡大を図る事業者にとっても、固定資産税が安いとはいえ金食い虫だった農地から賃料と言う果実を取れるようになる農地所有者にとっても、駐車場にする事で農地の時より固定資産税をたくさん取れる国にとっても三者win-win-winな関係になれる。遊ばせておくぐらいなら経済活動の一端を担える土地に変身させる。そう言った選択肢も農地の有効活用という意味では良い選択だと思う。ただ、農地法はあくまで農地を守る法律なので、窓口となる農業委員会事務局をはじめ、地区ごとの農業委員、最終的に許可をする都道府県知事等をしっかり納得させられる使用目的と隣地に迷惑をかけない造成計画を持ってのぞむ必要があります。書類づくり、行政との折衝と手間も時間もかかるので、我々の様な専門家が間に立って計画策定のサポートと行政との窓口としてできる限りスムーズに交渉を進める役割として重宝される分野なのです。

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