【受験ノート】埼玉大学

 埼玉大学の最寄り駅は、JR埼京線南与野駅で、そこからパスで10分です。キャンパスも広いので、駅の駐輪場に自転車を置いて、チャリで、通っている学生もかなりいます。「Alin One Campus at首都圏埼玉」が、キャッチフレーズですが、首都圏ぽさは、少しも感じさせてくれません。埼玉の「大都会」である大宮からも浦和からも離れ過ぎています。

 昨今、国立大の文系に対する風あたりが強いので、改革を進めています。柳の下にはどじょうが、いくらでもいるだろうと云うことで、埼玉大もGlobal を売りにしようとしています。学校案内には、「Be Global」 「Be Inovation」と標語を掲げています。

 巻頭ページには、SAIDAIGUlDEとタイトルをつけています埼玉大をSAIDAIと略してしまうセンスに、ある意味、感心してしまいます。TAMADAIの方が、まだ多少なりともカッコつきそうな気がしますが、どうせ揶揄されるんだから、敢えて、しょぼい方で行くと云うことかもしれません。閉じページには、学生が描いたポスターも掲載されています。

 大学のマスコットキャラクターは、「才能が芽生える」「凛とする」から、メリンちゃんと名付けられていますが、芽生えると云うより、みどりのぶかっこうなキャンディみたいなメリンちゃんは、どんなにひいき目で見ても、「凛」とはしてません。

 キャンパスの中央付近に、ふれあい広場があります。ちょっとした階段状の構造物があるだけなんですが、そこをサル山と名付けています。大学の正門を入ったとこに、モニュメントを設置しています。「地ニノゾミ、知ヲマトウ」と云うタイトルで、「知の象徴として、様々な研究や学問分野に関わる記号をモチーフに穴を穿ち、埼玉大学の持つ多面性を形象化しています」と、説明してあって、夜はライトアップもされています。

 市内の老舗菓子店とコラボして作った、埼玉大学鰻頭を生協で、売っています。皮に「埼大」の文字が入っていて、中は北海道産のつぶ餡といも餡です。大学がさいたま市桜区にあるので、さくらリーフパイも販売しています。校歌がなかったので、創立56年目の2006年に、歌詞と曲を公募して、校歌を作ったらしいんですが、普通、56年目とかには作りません。50年目とか60年目と云った節目にこしらえるものです。

 SKR48と云う大学公認のアイドルグループもあります。SKRは、SaKuRa区のスペルから命名しています。AKB48とかももクロとかのダンスをコピーしているんですが、これからの人気がどうなるか心配です。

 留学生は、千葉大ほどじゃないんですが、沢山、来ています(千葉大が約千人くらいで、埼玉大は半分の500人くらい)。埼玉にはシブヤもアキバもブロードウェーもありませんが、埼玉大に通う日本の学生同様、真面目な人たちが、アジアから、日本の技術を学ぶために、工学部あたりに集まって来ていると推測できます。埼玉大から、海外の大学に留学している学生もいますが、そう多いとは言えず、少数です。交換留学で行ける協定校は、それなりの数あります。留学する意志があれば、留学できる仕組みは整っているんですが、Be Globalの空気感は、学生にはさほど浸透してない様子で、千葉大の10分の1くらいしか留学してません。わざわざお金を払って(交換留学の場合、留学先の授業料は無料ですが、渡航費や宿舎の費用、生活費はかかります。1年間で、100万円ちょいくらいの金額ですから、まあ、そう無理な金額でもありません)外国に行って、苦労をすると云う感じは、あまりないと言えそうです。

 Globalっぽいのは、教養学部。Globalを売りにしないと、国立の教養学部は存続できませんから、大学側も国際性を深めるための多様なカリキュラムを組んで、います。「Integrated Englishは、【話す・書く・読む】と云う英語における3つのスキルを一体化した科目で、具体的なシチュエーションを想定し、実践的なコミュニケーション能力を養います」と、科目紹介の欄に書いてあります。

 「International Development Policy and Management」 は、「世界主要国の大使館より外交官を招き、主として英語による講義を通じ、各国の開発・援助に関する具体的な計画・政策の内容、成果・問題点等を聴取し、意見交換等を実践します」と書いてあるんですが、大学生の作文ように感じます。

 Academic Skillsは、「資料や情報の探し方から、レポートの作成方法まで、大学における学びと、研究に必要な基礎知識や技術を身につけることを目指す授業」で、これは、今多くの学校で実施している、今どきの学生にとっては、必要な授業だと言えそうです。

 経済学部は、グローバルタレントプログラムを設置しています。「国際プログラム枠」による入学試験を行って、専用のメニューによって、国際人材教育を行い、1年次夏期に海外の大学で、英語研修を受講し、英語によって専門科目を履修し、原則11年間の海外留学を義務づけています。卒業論文は、無論、英語で論文を執筆します。

 経済学部は、パリ第7大学とのダブルディグリープログラムもスタートさせています。これは、パリ第7大学に2年間、留学することで、経済学士号(埼玉大学)と応用言語学士号(パリ第7大学)の2つの学士号を取得することができるシステムです。英仏2つの外国語をマスターすることになります。そこまで、モチベーションの高い学生が、経済学部にもしいたら、確かに有意義なプログラムだと言えます。

 教育学部でも「グローバルな視点から、3つの国際的な取り組み」と、お題目を掲げ、Globalっぽさをかもし出そうとしていますが、教育学部は授業や実習のカリキュラムが、忙しすぎて、現実問題としては、学部が主催するツアーのような短期留学くらいしか経験できないと想像できます。

 埼大イルミと云うプロジェクトがあって、地域と大学をつなぐ「笑顔のかけ橋」となることを目標に、毎年、12月にイルミネーションを作って点灯しています。豪華だとはお世辞にも言えませんが、手作りのあったかさを感じさせてくれるイルミネーションです。

 毎年、フットサルを通じて留学生と県内の企業を結ぶ「埼大ワールドカップ」開催していて、これは留学生にとっては、かなり有意義なイベン卜だと想像できます。

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