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「カウンセリングなんて話聞くだけでしょ?」と言うあなたへ

カウンセラーをやっていると、必ず1度は耳にする言葉があります。

「カウンセラーって何するの?話聞くの?」

昔に比べて認知度はグンと上がったとはいえ、まだまだカウンセラーもカウンセリングも日本では浸透していません。

残念ながら、未だに

『カウンセリングを受ける=心を病んだ人』

という印象が拭えきっておらず、アメリカのように愚痴を聞いてもらいたいなどで気軽にカウンセリングを利用しようという人はなかなかいないのが現状です。

なので、カウンセラーという言葉と存在は知っていても、実際にカウンセラーが何をするのか具体的に分かっている人は多くありません。

そしてそんな中には、

「カウンセラーなんてとりあえず他人の話聞いてればいいんでしょ?そんなの誰でも出来るじゃん。」

という方もいます。


正直こんなことを言われて、思うところがないわけではありません。
知らないとはいえ、ただ話を聞いてるだけでいいならそんなラクなことはありませんし、きっとみんなカウンセラーになろうとするでしょう。

でもこういう言葉を聞くたびに、怒りとか悲しみとか悔しさというよりも、もっとカウンセラーという存在が1人でも多くの方の日常に自然と隣り合っているような状態を作りたいなと思います。

そのために1度でいいからカウンセリングを受けてみて、カウンセラーが行っているカウンセリングがどういったものなのかを理解してもらいたい、と。

僕達カウンセラーが行うカウンセリングには、数々の技法と呼ばれるものがあり、それによってカウンセリングの内容が大きく異なります。

そのため一概にカウンセリングってこういうものだよという説明は難しいですが、一般的に何となく皆さんに広まっている『話を聞く』というスタイルは傾聴と呼ばれるもので、これも立派な技法であり決してただ話を聞くだけというものではありません。

傾聴を通じて、クライエント自身も気付いていなかった自らの価値観や想い、大切にしたいものに触れ、自身が成長していく。

そしてクライエントがそう出来るよう支援していくのが、僕達カウンセラーです。


例えば、いま僕が学んでいる産業カウンセラーの倫理綱領には、このような記載があります。

第1章 総則
使 命
第1条:産業カウンセラーは、人間尊重を基本理念として個人の尊厳と人格を最大限に尊重し、深い信頼関係を築いて勤労者に役立つことを使命とする。
2:産業カウンセラーは、社会的現象や個人的問題はすべて心のありようにより解決できるという立場をとらず、勤労者の問題は勤労者をとりまく社会環境の在り方と関連していると捉える。
3:産業カウンセラーは、産業の場での相談、教育および調査などにわたる専門的な技能をもって勤労者の上質な職業人生(QWL:Quality of Working Life)の実現を支援し、産業社会の発展に寄与する。
出典:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 倫理綱領

当たり前ですがカウンセラーはクライエントのために存在しています。
それが僕達カウンセラーの存在意義だと思っています。

そしてそんなカウンセラーが行うカウンセリングは、友達や家族が相談に乗ってくれた時のやり取りとは全く異なります。

でもきっとこれは、いくら理論や御託を並べても、実際にカウンセリングを受けてみないことには理解が難しいです。

だからどうか、勇気を持ってカウンセリングの世界に触れてみてほしいと思います。

話す内容は何だっていいのです。それこそちょっとした何かへの愚痴だって構いません。

自分が話したいことを、話してもらう。
そしてそれを受け止めるのも、カウンセラーの役割です。


日々刻々と変化していく世の中です。
時には心が疲れ、ついていけない時もあるでしょう。
時には不満を吐き出したくなる時も、きっとあると思います。

そんな時は、気軽に好きな友達に会いにいくような感じでカウンセラーのもとへお越しください。

僕達カウンセラーは、いつでも変わらず皆さんをお待ちしています。




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