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がんばれひろゆき

ひろゆきは地方の大手銀行に入行したばかりの新米銀行マン。期待と不安が入り混じった新社会人生活が始まるも、新人研修後に配属されたのは「外交」部門。要するに、外回りの営業だ。デスクワークを期待していたひろゆきにとって、まさに人生初の「飛び込み営業」が待っていた。

初日からドタバタ劇

ひろゆきの初仕事は、なんと「飛び込み営業で100件の口座開設と5億円の預金獲得」。こんな無茶な目標を課されたひろゆきは、銀行の制服を着たまま走り回る日々をスタートさせた。

「お金ください!じゃなくて、口座開設してください!」と、ひろゆきは見知らぬ家や会社のドアをノックし続ける。たいてい返ってくるのは冷たい視線とドアが閉まる音。しかしある日、「あんた、おもろいな」と言ってくれたおばあちゃんが現れ、口座開設に応じてくれた。ついに一件目が成功した瞬間、ひろゆきのテンションはMAXに!だが、その喜びも束の間、100件という目標は依然として遠く、「なんだこれ?」と自分にツッコミを入れながら、ひろゆきの営業マン生活は続く。

量が生んだ変な自信

その後、ひろゆきは飛び込み営業の達人(と本人は思っている)に進化。ドアが閉まる音にも動じず、玄関先に立ったまま「すいませーん!銀行から来ましたー!」と元気に叫び続ける。彼の営業スタイルは完全に「ノリ」と「勢い」。家にいる犬に吠えられても、「お前も銀行口座いるだろ?」と冗談を言いながら、なんとかお客さんに笑顔を見せてもらうことを目指していた。

その頃には、ひろゆきの中に不思議な自信が芽生え始めた。契約が取れるのが「当たり前」だと思い込むようになり、全てがうまくいくと信じてやまない。彼は自分の営業スキルが向上していると勘違いし、ついには会社で「俺、営業天才かも?」と心の中で豪語するまでになった。

上司の冷たいツッコミ

ある日、ひろゆきは法人相手に大きな契約を取ろうと奮闘していた。なんとかして一発逆転の「大口顧客」をゲットしようという作戦だ。彼は一流企業の社長に狙いを定めLL

、「俺に任せれば100億円くらいは楽勝」と考え、会社に報告した。

ところが、上司の田中は大爆笑。「ひろゆき、お前まだその顔じゃ無理だぞ」と冷静に突っ込みを入れられた。田中は続けて言う。「お前、まだまだ下積みが足りない。まずは100件の口座開設をこなせ。大きな契約はその後だ」と、ひろゆきの鼻をへし折るような言葉を投げかけた。

「なんだよ…俺、天才営業マンじゃなかったのか?」と、ひろゆきはがっくり肩を落とす。しかし、田中の言葉に従い、再び地道な営業活動に戻った。しぶしぶながらも、彼は再び数を重視した飛び込み営業を再開し、街を走り回る日々に逆戻り。

営業マンの器?いや、でかすぎる船だろ!

ひろゆきは上司に言われた「顔つきが足りない」という言葉を気にしつつも、徐々に理解していく。営業マンとしての「雰囲気」や「信頼感」は、経験からしか生まれないのだと。ある日、ひろゆきはお金持ちの大手企業の社長に出会い、なんと社長の前で持ち前の「ノリ」を発揮して雑談を始めた。

「あ、そういえば社長、船持ってますよね?僕もいつか自分の船を持ちたいと思ってるんです!」と、勢いよく話すひろゆき。社長は驚きながらも、「君、おもろいやつだな」と笑って返してくれた。

その時、ひろゆきは思った。「営業って、結局は船に乗るようなもんだな。相手が信頼できる船に乗るかどうか。僕の船、まだ小さいけど、でっかくしてみせますよ!」と、まるで映画のワンシーンのようなセリフを決めて、再びテンションが上がるひろゆき。

そんなひろゆきの成長は、意外にも早かった。数を重ね、プレッシャーに耐え、最終的には5億円の契約を手にするまでになった。しかし、成功の秘訣はやっぱり「ノリ」と「勢い」だったと、ひろゆきは思っている。彼は上司に報告する際も、「俺、船に乗った気分です!」と笑いながら言ったが、田中は冷静に「そりゃそうだろ」と返してくれた。

結局、ひろゆきは銀行マンとしてしっかりと成長した。だが、いつも大切にしているのは「楽しむ心」と「勢い」。これこそ、ひろゆきが営業マンとして成功するための最大の武器だったのだ。

最後には、ひろゆきはいつもこう言う。「営業ってさ、船みたいなもんだよね。楽しくやってれば、でっかい船もそのうち手に入るよ!」と、相変わらずのノリで今日も街を駆け回るのだった。

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